1972年にソ連が打ち上げた金星探査機「コスモス482号(Kosmos 482)」の降下モジュールが、53年の時を経て、2025年5月9日から11日の間に地球の大気圏に制御不能な状態で再突入すると予測されています。

🚀コスモス482号とは?
コスモス482号は、ソ連の金星探査計画「ベネラ計画」の一環として1972年3月31日に打ち上げられました。しかし、ロケットの上段ステージの故障により、地球の軌道を離れることができず、地球周回軌道に取り残されました。その後、機体は分離し、一部は1981年に大気圏に再突入して燃え尽きましたが、495kgの降下モジュールは現在も地球を周回し続けています。

🌍再突入のリスクと予測
•再突入時期:2025年5月9日から11日頃と予測されています。
•落下予想範囲:北緯52度から南緯52度の間で、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、アメリカ、オーストラリアなどの広範囲が含まれます。
•落下速度:約242km/h(150mph)で地表に到達する可能性があります。 
•リスク評価:専門家は、落下による被害の可能性は低いとしていますが、完全に無視できるものではありません。

🛰️なぜ危険なのか?
この降下モジュールは、金星の過酷な環境に耐えるよう設計されており、高温・高圧に耐えるチタン製の耐熱シールドを備えています。そのため、通常の宇宙ゴミとは異なり、大気圏再突入時にも完全に燃え尽きず、地表に到達する可能性があります。

🔭今後の対応
NASAや欧州宇宙機関(ESA)などの宇宙機関は、コスモス482号の軌道を継続的に監視しており、再突入の正確な時間や場所の予測精度を高めています。また、再突入時には、明るい火球として観測される可能性があり、天文ファンや研究者の注目を集めています

このように、コスモス482号の再突入は、宇宙探査の歴史と宇宙ゴミ問題の両面から注目されています。今後の情報に注意を払い、必要に応じて最新の予測情報を確認することが重要です。