人気メッセンジャーアプリ「WhatsApp」は、チャット履歴を新しいスマートフォンに移行するためのより便利な方法を導入しました。これにより、クラウドサービスからデータをバックアップ及びリストアする必要が無くなります。これまで、ユーザーは移行開始前にクラウドサービス上にチャット履歴のバックアップファイルを作成する必要がありました。しかし、新しい方法では、プロセス全体がWhatsAppのアプリ内で直接完結出来るようになりました。

基本的に、この新しい方法では、新しいデバイスを使用して古いスマートフォンのQRコードをスキャンする必要があります。ですから、移行プロセスが完了するまで、古い機種を処分しないことが重要です。この機能は現在、Android同士、iPhone同士といった同じオペレーティングシステム上のデバイス間でチャットを転送する場合にのみ利用出来るという点にはご注意下さい。


クラウドサービスは不要に


以前は、異なるデバイス間でチャットを転送するには、GoogleドライブまたはiCloudにバックアップを作成し、それを新しいデバイスに復元する必要がありました。しかし、今回の新機能では、その過程でAppleとGoogleのクラウドサービスをそれぞれ使用する必要が無くなります。

WhatsAppは、この新しいプロセスはサードパーティのアプリやクラウドプロバイダーを使用する場合と比べて高速かつ安全であると説明しています。データは2つのデバイス間でのみ共有され、転送中は完全に暗号化されます。さらに、これまでは大き過ぎて移行出来なかった大容量のメディアファイルや動画等の添付ファイルも転送出来るようになりました。

使い方


WhatsAppのデータを新しいデバイスに移行するには、両方のデバイスが位置情報サービスを有効にしてインターネットに接続されていることを確認して下さい。古いデバイスで[設定]→[チャット]の順に進み、チャット転送オプションを選択します。画面に表示されたQRコードを新しいデバイスでスキャンすれば、移行作業は完了します。

将来的には、WhatsAppが異なるオペレーティングシステム上のデバイス間でデータを転送するプロセスを整備することが期待されています。現時点では、2023年になってもAndroidスマートフォンからiPhoneにデータを転送するには別のアプリが必要であり、iPhoneからAndroidへの転送にはUSB-C to Lightningケーブルを使う必要があります。

WhatsAppは、今年初めにこの新たなチャット履歴移行ツールを導入しており、最初に発見されたのは1月でした。ベータテスターには、4月からこの機能へのアクセスが与えられています。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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