物理的な制約とコストによって、リアカメラシステムに詰め込める「カメラハードウェア」の量が制限されているため、一部のOEMメーカーはカメラのセールスポイントをセルフィーカメラに移しています。

新しい「Huawei Nova 10 Pro」は、60MPのメインカメラに加えて8MPの光学2倍ズームカメラを搭載するという、2眼構成のセルフィーカメラでも初めての組み合わせとなっています。通常、サブカメラには深度センサー付きのものが使用されますが、この8MPカメラは近距離で非常に興味深いディティールを撮影することが出来るはずです。

Huaweiは、センサーフュージョン(両方のカメラからのデータをブレンドする)を使用して、写真の精細さを強化しようとする可能性もあります。あくまで推測に過ぎませんが、実際にその可能性はあります。

このセルフィーカメラはディスプレイの左上部に配置され、P40 ProのようなHuaweiのかつてのハイエンドモデルを彷彿とさせます。

仕様上はVlogger待望のセルフィーカメラのように思えますが、その挙動や性能が実際にどの程度のものかを確認する必要があります。私達は、CAMERA HW(リアカメラが対象)のスコアを補完する新しいSELFIE HWスコアに取り組んでいるため、このスマートフォンはちょうど良いタイミングで登場しました。

リアカメラシステムには、Huaweiの従来のハイエンドモデルと同様のRYYBセンサー付き50MPのメインカメラに加え、8MP深度センサー、8MPのウルトラワイドとマクロカメラを搭載しています。これは優れた構成であり、一部のリソースがセルフィーカメラに移行されていることがわかるでしょう。

カメラは抜きにしても、同スマートフォンはミッドレンジとして十分な性能を備えています(Pixel 6aの競合とお考え下さい)。例えば、6.78インチ(2652×1200)のディスプレイは、リフレッシュレート120Hzとなっています。

また、演算処理プラットフォームには定評のある「Qualcomm Snapdragon 778 4G」を採用しており、その名称の通り5Gには対応していません。モデムと処理速度はさておき、シリーズの中で最も強力なSnapdragon 778 5Gと似た機能を備えています。

このことが、同デバイスの販売成績の妨げとなることはあるのでしょうか?多くの購入者が、ネットワーク機能を犠牲にして、これまで見た中で最高のセルフィーカメラを選択する可能性があるため、何とも言えません。

この価格帯では非常に珍しい100W急速充電に対応している点も、注目ポイントです。バッテリー容量が5000mAh以下しかない(4500mAh)というデメリットを、確実に補ってくれるはずです。

100Wという高速な充電速度によって、電源に接続出来る環境なら、おそらく3分以内に500mAh相当の充電が可能です。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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