噂のCANON EOS Rを借りてみた→使ってみた→驚嘆した!!

たかはしじゅんいちのカメラ試行錯誤

カメラを色々いじったり、性能を読んだり、使用説明を聞いても、どのくらい仕事で使えるかぱっとは分からない旧式カメラマン高橋です。カメラもレンズもあくまで道具で、目的や被写体に合わせて使い分けるのが私流(笑)。実際に仕事で使ってみないと、最終的には分からないことが多いので、この夏、CANONのミラーレスカメラ「EOS R」を借りて、今最も興味のある被写体「佐渡」へ持っていき、使って&撮ってみました。

5Dユーザーなら違和感なく使える

意気揚々と準備に取り掛かるも、いきなりトラブル発生(笑)。「EOS R」は、SD only (1枚しか入らないシングルスロット)の仕様でした。うっかり、他のCANON 1眼レフ同様でCF or ダブルスロット(CF&SD)だろうと、思い込んでいたため、佐渡入りする前日に機材チェックしてびっくり。SDのシングルスロットなのかー。さぁ困った。

amazonにて256GBのSDを緊急オーダー。さらには佐渡入りの船を遅らせることにもして(涙)、なんとか大容量のSDをゲットし、難を逃れました。思い込みは死を招きますね(学び)。

ただ、逆に言うと大きく困ったのはこれくらい。いつも仕事で「CANON 5Dmark4」を使っている自分としては、びっくりするほど使用感が5Dシリーズに近く、説明書をほとんど見ずにすみました。さらにはバッテリーも一緒(笑)。5Dと親和性が高いのです、「EOS R」は。

現地到着と共に、実験・撮影を開始。

一眼レフカメラに比べると、一回り小さいミラーレスは、取り回しが容易。このコンパクトさで何を撮るかといえば、「日常」が良いのではないだろうか。この仮説を元に、まずはスナップ撮影から始めます。

撮影してすぐに気づいたのは、画像の精度が驚くほどに高いこと。「1眼レフを超えているかも?」と思わせるくらいシャープに見えるのです。これはこれから更なるRawデータの解析やピントの細部チェックが必要になる話でありますが、24-70F2、35F1.8macroは驚くほどシャープに佐渡のランドスケープや日常を切り取ってくれました。レンズも大きく(Rボディ比)、CANONの本気を感じます。

なので早速宣言撤回。取り回しが容易なコンパクトなカメラという使い方ではなく、「精度の良い一眼カメラ」として、5Dシリーズと同じように同じ用途で使うことにしました。

シャープな仕上がり画像もそうですが、オートフォーカスのスピードも十分早く感じます。純正RFレンズは元より、マウントアダプターを使用して既存の1眼レフ用の70-200F2.8を付けての撮影でも、それほど違和感を感じません(…と言い切るには、舞台とかスポーツとかを撮影してのテストがさらに必要ですが)。

佐渡で風景の中に神様を感じつつ、ランドスケープよりも佐渡に住む人たち、生活の中に、鬼太鼓、能楽奉納、海神信仰など神を感じることとなりました。

ミラーレスのイメージが変わった!

今回の撮影で一番違和感があったのは、カメラのバランスです。撮影画像の精度を上げる大口径レンズの大きさ、一方で軽量になったミラーレスのボディ。レンズをつけたカメラのバランスが圧倒的に変化していて、どうしても違和感をぬぐえません。ここは使い込んでいっての慣れが必要だと思います。しかし、「最初っからこういうもんだ」と思えば、カメラの(というよりレンズの)ホールディングは工夫していけるでしょう。

結局、1週間の佐渡周りは、1眼レフ要らずでした。ただ、仕事として佐渡へ行った舞台撮影では、さすがに一眼レフを使用しました。理由その1、慣れてないから。理由その2、LEDライトによるフリッカー。理由その3、純正の望遠レンズがなかったから。こうした撮影で使うには、まだ怖さもありますね。

最後にですが、個人的に感じた「ちょっと便利そう」な機能を紹介しましょう。カメラの背面にある液晶モニターが自在に動くのはやはり便利ですね。ローアングル、ハイアングルの撮影を考えると、液晶モニターを見ながらのフレーミングが可能なのは助かります。

仕事で使うなら、「サイレントモードで動きの速い舞台を撮影する」というテストを一度したいなとも思います。サイレントモード時のカメラ反応と、撮影した瞬間のブラックアウトがどの程度になるかが知りたいのです。また、ボディとレンズ両方での手ぶれ補正や、画像のBluetooth転送、 Wi-Fiでの転送速度も試しておきたいですね。

ミラーレスカメラを使うとなった場合、多くのプロが気にするのは「ファインダーで見えているイメージは電子画像で、1眼レフのそれとは異なる」という部分にあるのではないでしょうか。

ファインダーを見るという作業(隅々まで視覚しなければいけない)に違和感を感じたのでは撮影に集中出来ないわけですが…。私は驚くほどに違和感を感じませんでした。電子画像の転送技術とファインダー内のモニター、その進化による恩恵でしょう。そして、その電子画像内で露出を“画像”として確認出来る感覚が面白いなとも思うのです。

ということで、35mmカメラ域の買い替えを検討中のたかはしでした(笑)。残る懸念点は、一部のLEDライトに対するフリッカーですかね…。カメラかLEDライトの対応を求む!

[撮影データ]
RF35mm F1.8 MACRO IS STM
RF28-70mm F2 L USM
マウントアダプター EF-EOS R

[撮影]
photo by Junichi Takahashi / Rei Takahashi

たかはしじゅんいち
写真家・立木義浩氏に師事。1989年よりニューヨークと東京を拠点に、広告・音楽・ファッション・アートの分野で活動。STOMPのオフィシャルフォトグラファーを10年以上担当し、2009年にはNews Week の「世界で尊敬される日本人100人」に選ばれる。現在は、アスリート、職人、日本酒作り、伝統芸能、芸術家が大好物な被写体。地域町おこし、障害、高齢者福祉などにも興味を持ち、フォトグラファーとしての関わり方を模索している。