プロにとって最高のオプションの1つとなる、高画質
良い点 | 悪い点 | 評価 |
2.2Kの高解像度、画面比率16:10 | 一般消費者にとっては高価 | 9.1/10 |
素晴らしい画質 | mini-HDMI/ mini-DPポート無し | 価格 |
シンプルなUSB-C接続 | 48,400円(500ドル) |
「Lenovo ThinkVision M14d」は、以前にレビューしたThinkVision M14の後継モデルとなります。これは、USB-C接続だけで画面入力と電源供給が可能な、高解像度の14インチポータブルモニターです。
この新型モニターの価格は500ドルで、前モデルが発売された時の249ドルを大幅に上回っています。Lenovoが適切な価格設定をしているかどうか判断する前に、技術仕様と実機テストをご覧下さい。
製品デザイン
Lenovoは、初代のThinkVision M14で成功したデザインを全体的に維持しており、遠くから見ると驚くほど似ています。新しいモデルは約600gとわずかに重くなっていますが(前モデルは570g)、違いは感じられないでしょう。仕様を確認していて、初めてそれに気付きました。
新しいM14dのアスペクト比は16:9ではなく16:10で、Lenovoが最近のラップトップで採用している画面比率と一致しています。16:10では、垂直方向のスペースが広くなり、生産性が向上し、外部ディスプレイがラップトップの画面比率と一致することで統一感が生まれます。
モニターは、テーブルの上に平らに置くことも、90度の角度で立てることも出来るため、通常のディスプレイや低めに置いたコントロールモニター、またはVESAマウントを使用したモニターとしても使用可能です。
最近では、筆者は常に2台のラップトップと外部モニターを持って出張に行っています。14インチまたは15.6インチのラップトップの画面で大量の編集やコーディングを行うのは非常に困難であり、モニターを追加することで生産性が向上します。欠点は、持ち運ばなければならないことです。そのため、ここではその軽さが非常に役立ちます。嬉しいことに、Lenovoは保護スリーブも同梱してくれています。
現時点では、スーツケースに入れるのが心配です。それでも、バッテリーを内蔵していないため規則上は可能であり、預入荷物で輸送してもおそらく航空会社は気にしないでしょう。ただ、航空輸送の荷物の扱いの粗さによって、ディスプレイが過度に変形してしまわないかが心配です。
VESA 100マウントと互換性がありますが、このディスプレイは一般的なデスクトップモニターよりも遥かに薄いため、短いネジを使用する必要があるかもしれません。実際にVESAアームに取り付けてみましたが、上手く行きました。
- 寸法: 314.35 x 215.28 x 14.05 mm
- 表示可能領域: 301.52 x 188.45 mm
ポートとインターフェース
モニタースタンドには、両側に1つずつ、計2つのUSB-C端子があります。DP 1.2 Alt Modeにも対応しており、プロトコルはUSB 2.0です。モニターはUSBハブとしても機能し、USB PD対応でパススルー充電も可能です。
ラップトップにUSB-Cポートが1つしか無い場合でも、モニターをコンピューターに接続することで、モニターの2つ目のUSB-Cポートに周辺機器を接続出来ます。ただ、ラップトップに2つのUSB-Cポートが搭載され、1つは電源用というのが理想的でしょう。
電源(65W)を接続して、モニターのUSB-Cポート経由でラップトップを充電出来ます。周辺機器(USBハブ、キーボード、マウス等)をUSB-Cに接続することも出来ます。ただし、モニターに接続されたUSBデバイスは、USB 2.0規格に従って2.5W(5V/0.5A)未満しか消費しませんのでご注意下さい。
ディスプレイの明るさを制御するためのボタンや、物理的なセキュリティのためにモニターを机に固定出来るKensingtonロックも搭載しています。
PC以外での使用
モニターをUSB-C電源(5V/1.5A)に接続すると、2番目のUSB-Cポートを使用して、スマートフォンやゲーム機、またはその他の互換性のあるデバイスを接続することが出来ます(USB-C DP Alt Mode)。これは、以前のThinkVision M14のレビューでも実証済みで、そこに関しては変更はありません。
サポートされている最小解像度は640×480(60/70Hz)で、最大解像度は2240×1440(60Hz)となっています。その間の標準的な解像度のほとんど全てがサポートされていますが、100%の保証が欲しい場合は、Lenovoのウェブサイトからユーザーズマニュアルをダウンロードしてご確認下さい。
ThinkVision M14dのサイズは多くのテレプロンプターと互換性があるため、このモニターを使用しながら、Lenovoは電子機器をもう少し追加して”ミラーモード”を実装するべきだと思いました。
唯一欠けているのが、ミラーモードです。これは、画像を水平に反転させ、テレプロンプターのミラーを見ることで原稿や台本を読むことが出来るというものです。Mac OSにはミラーモードがあるため、Macユーザーはこの機能を追加せずに進めることができますが、Windowsユーザーならミラーモードが追加される恩恵を受けるでしょう。
通常、その画質、デザイン、及び機能に満足するようなテレプロンプターディスプレイは無いので、Lenovoがこの単純な機能を追加すれば、最終的にテレプロンプターディスプレイ市場でもシェアを獲得することが出来るかもしれません。
ディスプレイ品質
画質は最高で、最大輝度は300ニト、sRGB色域をほぼ100%をカバーしています。ポータブルモニターでこのレベルの画質に到達するのは難しく、競合他社がsRGB色域を65%しかカバーしていないことも珍しくありません。
2240×1400の解像度は、前モデルの1080pより明らかに優れています。これほどのピクセル密度によりテキストが滑らかになり、あらゆるコンテンツの視聴がさらに快適になります。
まとめ
Lenovo ThinkVision M14dが、優れたポータブルモニターであることは間違いありません。信じられないほどのモバイル性で軽量であると同時に、プロフェッショナルな環境でも使用可能で、VESAマウントにも対応しています。
その画質は、プロにとって最高の選択肢の1つとなります。2.2Kの解像度は、小さなテキストや細かいディティールのグラフィックスを扱う場合に、目にとって非常に快適です。
しかし、499ドルという価格は、間違いなく抵抗感を生みます。特に、前モデルが250ドル以下で購入出来る場合にはなおさらです。Lenovoは、このことを理解しているでしょうし、公式サイトで直接販売されているのも確認しています。
価格が高すぎると思われる場合は、このモニターの実際の「実売価格」を確認してみると嬉しい驚きがあるかもしれません。実際、日本では48,400円で販売されています。もう少し大きいものが必要な場合は、15.6インチのサイズも用意されています。近い内に、ThinkVision 17も登場することに期待しています。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
原文はこちら