2020年、NVIDIAはARMを買収すると発表しました。しかし、Financial Timesの記事によると、規制当局だけでなく、テック業界の多くの企業からの圧力を受け、同社はこの取引を撤回することが明らかになりました。

今年1月には、NVIDIAが既に買収を断念しようとしていたことが伝えられましたが、今回それを決断したようです。ご存知無い方もいると思いますが、ARMは、QualcommやMediaTek、Huawei、Apple、Samsungといった企業が独自のチップセットを開発するために使うアーキテクチャを設計している会社です。

NVIDIAは否定していましたが、ARMを買収することで、これらの企業が特許やライセンスに関わる費用をさらに支払うことを余儀なくされる可能性があると懸念されていました。しかし、世界中の様々な政府からも懸念が提起され、最終的にNVIDIAは手を引くことになりました。

今後何が起こるかというと、ARMを保有しているSoftbankグループは、2022年終わりまでにARMを一般公開するためにIPOを行うことを計画しているようです。NVIDIAの撤退が、半導体業界で存在感を示したかった同社の計画に影響を与えることは間違いありませんが、規制当局からの様々な圧力を考えると、結果的にその計画が上手く行っていたかどうかはわかりません。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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