森の中で迷子になったり、湖に落ちて這い上がれない状態で周りに誰も助けを求める人がいなかったりしたら、どうするか想像してみて下さい。おそらく、ほとんどの人が誰かに声が届くことを祈って、助けを求めて叫ぶと思います。将来的には、その”誰か”が空を飛んでいるドローンになるかもしれません。

ドイツにある、Fraunhofer Institute for Communication, Information Processing and Ergonomicsの研究者達は、助けを求めて叫ぶ人々の声を聞くことが出来るドローンの訓練に取り組んでいます。これによって、救助隊員が緊急事態に陥っている人々を見つけるのに役立てられるかもしれない、という考えです。

これは、ずらりと並んだマイクをドローンに装着し、ビームフォーミング技術を利用して助けを求める叫び声や悲鳴を拾うことで実現されます。これによって、ドローンはどこから音が届いているかをより正確に特定することが可能になり、そこから救助隊員をその地域に誘導し、その人物を探すことが出来ます。

研究員のMacarena Varela氏は、Mashableに対して、そのアイデアは実際2016年に考案されたが、彼らが使用したマイクはドローンに取り付けるには大きくて重すぎたと語っています。ただ、彼女の同僚であるWulf-Dieter Wirth氏は、コンデンサーマイクの代わりにMEMSマイクを使用出来るのではないかと提案し、その結果システムは現在のような形となりました。これらのドローンが実用化されるにはまだ時間がかかるかもしれませんが、それは非常に興味深いコンセプトであり、いつの日か現実になることを願っています。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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