伸ばすな顔面! 伸びろ脚! スマホカメラの特性を上手に使いましょう

テレジア先生の部屋

ゴールデンウィークはいかがでしたか? 私はたびたび人前に出る機会や人と会う機会があったので、前回の記事について皆さんにお話を聞いてみました。その結果…、先にきちんと説明すべきだなと思ったことが。この連載は、“一眼レフを持っていて撮影に慣れている人たち”が気にする内容ではなくて、“スマホで無頓着に撮影して勝手にアップしちゃう方々”に向けた内容です! 撮影慣れしている皆さんが申し訳なく思う必要は全くありません(笑)。誤解させてしまった皆さんすいませんでした…。

とはいえ、うまく撮りたい気持ちは皆同じ。

というわけで引き続き、ちょっと気を付けるだけで写真の出来栄えがグッと変わるスマートフォンでの撮影テクニックを紹介します。前回は、同じシチュエーションでも角度を変えるだけで見え方が変わるよというお話をさせていただきましたが、今回は「角度をつけることで困ったことになってしまう」パターンの紹介と、その解決策です。

それは、レンズ特性をうまく生かした撮影方法のこと。スマートフォンのカメラって、いわゆる広角レンズと似た特性があるのです。

ただ、その特性を言葉で説明するのが難しくて…。望遠レンズや標準レンズに比べて、より広い範囲を撮影できるレンズ。狭い場所でも広さが感じられるように撮れるレンズ。遠近感が強調されるレンズ。ピントの合う範囲が広いレンズ。たくさん言葉を連ねてみましたけど、伝わったでしょうか?

一方で、例えば“魚眼レンズ”ってご存知ですか? 分かりやすいのは鼻デカワンちゃんの写真。「THE DOG」っていうシリーズありますよね。これは魚眼レンズで撮影されている代表的な例だと思いますが、「広角レンズの超々広角版が魚眼レンズ」だと思ってください。特性は同じベクトルにあります。

つまり、スマホのカメラレンズは広い空間を撮影できて広い範囲にピントを合わせられるのですが、同時に手前が大きく奥が小さく写るという特性、遠近感が強調される特性を持っているのです。

が、顔面が伸びた!?

休日のカフェで女性と2人。のんびりティータイム…と思いきや、「ここオシャレだからタグ付けしてインスタに載せたい! 私を入れてちょっと撮影してくれない?」という彼女のお願いが、風雲急を告げました(笑)。あなたの責任は重大です。

話題のカフェラテとかわゆいあの子(例題が私でスミマセン)、どちらも入れつつ撮影して…。

特に指示なしで撮影

こんな感じの写真を撮影できたとします。カフェラテとかわゆいあの子に距離があり、顔面は画面の右上に位置していますね。

続いて、顔とカフェラテを中央付近に近づけて撮ってみたのがこちら。

顔とカフェオレを近づける指示で撮影

2枚を見比べると、先に紹介した作例は向かって右側の顔が斜めに伸びていると感じませんか? そう、スマホのレンズはすみっこにむかって少しのびるように映ります。遠近感というか、意図せずパースがついてしまっている状態ですね。景色だとさほど気にならないのですが、顔面となれば話は別。気になるを超えて大問題です。

なので、かわゆいあの子が「インスタ映えする何かと一緒に私を撮影して」と懇願してきたら、“顔面とその何か”を中央付近で近づけてもらう必要があります。

その時、あなたはしのごのいわずに(まちがっても私の中途半端な知識を受け売りで説明したりせず)、「もう少しラテに顔を近づけて」とだけ言いましょう。あなたのその機転が、あの子の顔面を救います(笑)。

さらに、前回の記事でも触れた、「バストアップは上からのアングルで!」というTIPSを併用するとこうなります。

上から撮影

上から撮影することによって、目が大きくアゴが小さくなりました。ここまですれば、SNS用語でいうところの“盛れた”(実物よりも綺麗に撮れた状態)写真の出来上がり。「分かってる彼女」なら、「分かってるあなた」の好感度はうなぎのぼりでしょう。

ちなみに。この伸びる現象、顔の角度も多少影響します。頭頂部を角にむけると全体的に顔が長く伸びたように見えませんか?

頭頂部を角方向に傾けて撮影
頭頂部を角方向に傾け顔を中央に配置して撮影

こちらも顔が配置される場所を真ん中にすることで軽減します。

ただ、「どちらが良いか」は撮られる人の輪郭や好みによって変わるでしょう。丸顔の人は少し面長になったことで美人風になるかもしれません。一方で、私のように元々面長だと、見事にナスビ型となるので避けたいところです。顔の角度は本人のお好みでお任せしておきましょう(いざとなったら、あの子には美顔アプリもあるから大丈夫)。

“立ちポーズ”を撮るならどんなアングル?

スマホカメラの「すみっこにむかって少しのびる現象」ですが、わかりやすいのが立ちポーズです。

例えば、「お店の前でパシャ!」という場合、どのような角度で撮影しますか? 「テレジア先生が上から撮れって書いてたし…」と思った人は、手を伸ばして上の方から撮影するかもしれません。というわけで、実際に上から撮影してみたのが、この写真です。

撮影者頭上あたりの位置

顔面はたしかに盛れていますが、なんだか脚立にのぼって上から見下げているようです。全体としては、ちょっと違和感を覚えます。

次は、「何も考えずに眼の高さから撮った」作例です。

撮影者の顔あたりの位置

一番ありがちなアングルで一見普通に見えますが…、ちょっと短足に見えません? 見えますよね? あなたの! かわゆい! あの子は! 足が短いんですか!!!!? ハァハァ。取り乱しました。

あからさまに上から撮ったものは、それなりに動きもあって面白い写真です。床に特徴的な柄があるなど、場所によっては効果的な撮影方法でしょう。一方、「眼の高さからなんとなく撮った写真」は、コメントのしようがありません。普通すぎますし、短足に見えますし…。

というわけで、こういう場合はスマホを少し下げて、下からのアングルで撮影してみましょう。

撮影者胸あたりの位置

随分と雰囲気、変わりませんか? 全く同じシチュエーションで、高さを変えただけ。なのに、あなたのかわゆいあの子がまるで脚長スーパーモデルのよう! スマホカメラのレンズ特性、遠近感の強調をうまく生かして、パースをつけたわけです。

ポイントは、顔を中央付近に持ってくること。頭からつま先まで画面いっぱいに入れると、足だけでなく顔まで伸びてしまいます。そして、位置を下げすぎないことも大事。下げすぎると、被写体になったあの子は、なんだか女王様のように威圧感をまといます。いや、そちらが好きな方はそれでもいいのですが…。

というわけで、このシチュエーションであれば、「ちょっと下から撮影する」が、私的なオススメですね。というところで閑話休題。風景ではわかりづらい“すみっこの伸び”ですが、食器や形がはっきり決まっているものを撮影すると、この現象が良くわかります。

むかって右側の砂糖入れ。右上に引っ張られたような形になっています(=先の例でいう顔の伸び)。そして、ラテのはいっているグラスも、飲み口に対して底がなんだか小さく見えますね(=先の例でいう短足現象)。

このように、スマホのレンズは画面の場所や高さによって影響が出やすいものなのです。

女子に大事な“余白”とその理由

ここまでの作例をご覧いただいて、「ちょっと周り空きすぎじゃない?」と思った方も多いでしょう。しかし、これが大事なのです。この余白は、“かわゆいあの子”が後から加工するための余白。

この先の連載でも度々触れていくと思いますが、もし被写体の女性がその写真をSNSにアップするとしたら、いい具合に周りを切って加工するはずです。というわけで、私が加工するならば…、こういう感じですね。

iPhoneの写真アプリで色修正&トリミング後にUlikeで加工
iPhoneの写真アプリで色修正&トリミング後にUlikeで加工

iPhoneに最初から入っている写真アプリで色味を調整した後、「Ulike(iOS版 / Android版)」というビューティアプリでほうれい線を消して、目もはっきりさせました。

足を伸ばす機能もあるアプリですが、元の写真が脚長に写っていたのでそちらは“加工せず”です。そう、“加工せず”にできるだけ近づくための工夫は、撮影方法の時点で案外あるもの。「テレジア先生の部屋」では、今後もそんな工夫を紹介していければと思います。

テレジア先生への公開質問

[Q]SNSで、毎日熱心にかわゆいあの子へコメントしているのですが、一向に返信がありません…。なぜなのでしょうか。どうしたらお返事を貰えるのだろうと、日々悶々としています。(40代:男性)

[A]相談者さんは気になるあの子とどのような関係なのでしょうか。同じ学校、職場、趣味の集まり、ネットだけのつながり…。いろいろな人間関係はありますが、大事なのはずばり“距離感”です。この手の相談、逆の立場からも良く受けるんです、私。モデル仲間や後輩女子たち、つまり「返信して欲しいと思われている側」の子たちですね。というわけで、彼女たちの協力を得てSNS上で実際に行われているやり取りをチェックしながら、問題を紐解いていきたいと思います。

投稿が多い人をフォローして毎日覗いているうちに、その人の生活が垣間見えるようになって、なんとなく親近感が湧き、趣味思考も想像できるようになり、なんだか相手のことをたくさん知っているような気になっていく…というのが、SNSではありがちなパターン。これもまた、SNSにおける1つの楽しみ方だと思います。ただ、このパターンで親近感が湧いているのは、当然ですがフォロワーさんだけ。フォロー中の相手から見れば、フォロワーさんといえども普段やり取りがなければ、“知らない人”にすぎないのです。

私自身、「あっ、この人なんか嫌だな…」と思うと、その人が他の人に送っているコメントを確認してみるのですが、ほとんどの場合で返事をもらえていません。今回、改めて相談された女子たちのアカウントをいくつか覗きつつで観察してみたのですが、好意があるにも関わらずあまり返信をもらえていない人は、悪口をのぞくと(悪口を言って返事をもらいたい人は少数派なので除外)、5つのグループに分けられるなと思いました。

①タメ口
関係が浅い人とは、基本的に敬語で話すもの。現実世界でも親しさが増すにつれて呼び名は「〇〇さん」から「〇〇ちゃん、〇〇君」といった呼び捨てに変化したりしますよね。こうした親しくなる段階を飛び越えて、いきなりタメ口で(あまり知らない人から)話しかけられるのは、誰しも良い気持ちがしませんし、「関わりたくないな」と思われても仕方ありません。

②説教/③アドバイス
聞かれてもいないのに、何故か一方的に怒ったり意見したりする人がいます。わかりやすくいうと、「いまからアイスたべちゃお!」という投稿に対して、「太るよ!」と説教モードに入ったり、「冷たいものを食べると内臓に負担がかかって○□▽×◇☆※…」とアドバイスをしだす人たちです。巷では、「クソみたいなアドバイス」、略して“クソバイス”と呼ばれることもありますね。

その子が太ろうが風邪をひこうが、その子の自由。あなたとは関係がありません。もちろん、注意すべき投稿は注意した方がいいですよ? 「これから銀行強盗をします」という投稿を見たら私も注意します。というか通報しないわけにいきません。でも、「アイスを食べる」というごく一般的な行為に対してわざわざ水を差すようなコメントを返す「知らない人」とは、やはり関わりたくないなと、多くの人が思うでしょう。

④書いてあることと関係ない内容
“いわゆる空気を読めていない”というタイプですね。例えば、「新しいワンピ、かわいいでしょ!」という投稿に対して、「そういえばこの前の〇〇なんだけど」とか「〇〇ちゃんは昨日何食べたの?」など、ワンピに全く関係のない話題を返すパターン。

これでは、「新しいワンピを買って嬉しい」というその子の気持ちを無視しているも同然です(なお、「そのワンピがいかに似合ってないか」や、「別のものが俺は好みだ」なんていう内容だと②③のグループに入る)。

なぜ、相手の投稿を無視するのですか? 自分が分かる話題や、興味のある話題へと無理やりに誘導したいのでしょうか。SNSでの発言はもちろん自由です。でも、「返事がもらいたい」のであれば、投稿者さんが話している話題に参加する形でコメントするべきでしょう。

⑤わいせつな発言
これはもう説明不要すよね? 聞きたいですか? みなさんエッチな話好きですよねーという…。まあ私も嫌いじゃないですよ? でも、通りすがりの人に突然、

『今日のパンツ何色?』
『おっぱい大きいね!』
『俺の〇〇を君に××したい!』

などと話しかけられたらどう思いますか? びっくりするし、非常に不気味です。また、体に関することを無邪気に相手へ投げかけるのはとっても失礼。コンプレックスを刺激することに繋がるケースも多いと心得てください。たとえそれが褒め言葉のつもりだったとしても、相手がどう受け取るかはわかりません。これはセクハラの話でもありますね。

①~⑤はいずれも、相手と自分とで”人間関係の距離感”がズレていることに、その原因があるように思いました。親や恋人と「通りすがりの人」では、聞いて気持ちの良い発言、会話が成立するやり取りは、まるで変わってきます。「いまからアイスたべちゃお!」「あんまり内臓を冷やしちゃダメよ」は、母親との間なら普通の会話です。でも、通りすがりの知らない人に言われたら、「え!? 何この人…」となる。その差ですね。

また当然ですが、公開されたSNS上でのコメントは、他人の目にも触れます。答えにくい質問(居住地にかかわること、恋人がいるかどうか、親族やあまりにプライベートなこと、ハンドルネームを使用している場合に個人が特定できてしまうようなこと)であった場合、聞かれた相手は困惑するばかりです。あなた個人になら話して良さそうな内容でも、他の人には読まれたくないことだってあるでしょう。誰に見られてもお互いに困らない内容に留めることが、公開されたSNS上のやり取りでは無難と言えます。

リアルな世界でも他人と仲良くなるスピードはまちまちで、それがズレると仲良くなるタイミングを逃して、疎遠になったりしがちです。「どうせ、イケメンなら可!の世界でしょ」なんて思わないでください。ネット上で文字だけの世界であれば、外見は全く関係がありませんし、むしろ顔が良くても上記のような発言をすれば、相手に好かれることはまずありません。
「モテるのが当然!」という態度で不親切なイケメンよりも、気持ちをくんでくれて明るくマメに優しい反応をくれる人がモテるのです。

適した距離感で楽しいSNSライフを送ってくださいね!

※老若男女問わず、撮影に関する人間関係のお悩みを随時募集! 写真が好き、撮影会が好きな皆さん。ここはあなたの心の保健室。個人が特定できないように配慮いたしますので、私のTwitterアカウント(https://twitter.com/red_theresia)にDMで気軽に質問ください。

テレジア
京都市立芸術大学 デザイン科卒。モデル兼コスプレーヤー、レタッチャー、たまにウォーキング講師。元準ミス日本。デザイン・アートの造詣と、プロモデルとしての現場経験を兼ね備え、ライティングや人体構造、色彩設計などを考慮したレタッチを得意とする。高校美術工芸教職免許を持ち、非常勤講師経験あり。