春のような日差し…と思えば、冷たい風。三寒四温とはよく言ったもので、春まであともう少しの季節ですね。花粉症の方にはキツイ時期となりましたが、お花見シーズンも間近、かわゆいあのコをかわゆく撮る技術、今日もあなたにお届けします。
シャドウからのブリリアンス!
お花見…といいながら、真夏のような写真。はい、私は年明け、南国に行ってまいりました!! 南国なので太陽サンサン。光を浴びまくりな写真を撮りたい気持ちになりますが、「顔に直接光があたると、いろいろなアラが見えてしまって顔面の写りが悪くなる」というのは過去の記事でも述べました。そんなわけで、逆光で顔に影を作り、均一の明るさになるよう撮影したのがこちらです。
でも、「うーん、もう少し顔面が見たい」という気持ちになりませんか? こんなときは、iPhoneに元から入っている「写真アプリ」で明るさを加工しましょう。え? 何をどうすればいいかわからない? 落ち着いてください。まずは右上の編集ボタンを押すと画面が切り替わります。
顔が影になっているので素直に“シャドウ”を選んで明るくしましょう。指で調整できるのが簡単ですね!
そして、もう少しパッとしないかなーというときに使いたくなるのがこちら、“ブリリアンス”という加工。
ブリリアンス! ブリリアンス!!!! 名前がいいじゃないですか! いつもこの加工をするときは、「輝きが欲しい!!」と心の中で思いながら数値をいじっています(笑)。
しかし「ブリリアンス」とはいったい、何をしてくれている加工なのでしょう。ちょっと調べてみたんですが、グーグル先生に教えを乞うても、確定的な答えに至らず。
印象としては、光が反射しているところを中心に明るくしてくれているように見えます。なので、顔面に少しでもどこかの光が反射していれば効果があるような…。あくまで個人の意見ですけども。誰かわかりやすく説明してほしい。
良い感じになってきましたが、ここで私は自分のお腹がポヨついてるのが気になりました。サクッとトリミングすることにします(笑)。
画面を切り替えると、設定によっては写真の縦横を判断して勝手に角度を変えてくれるのもいいですね、iPhoneのトリミング加工は。この写真では、背景の海が斜めだったために、それを合わせてくれたみたい。手動でも細かく調整できますが、今回はこれでオッケー!
いかがでしょう。わずかな変化かもしれませんが、顔面を見やすくなったと思いませんか?
かわゆいあのコたちはビューティアプリで明るさ変更などをしていますが、iPhoneの写真アプリだけでも充分良い感じに加工できるのです。
そもそもどんな加工ができるの?
ここで、写真に加えられる加工の種類を見てみましょう。
①調整
②フィルタ
③(画面の)傾き
…と三種類あります。
②はInstagramなどでもある、アプリがいい感じに色調整をしてくれアレですね。こちらは説明を省きます。
大事なのは①の内容です。
自動(わかりにくいで、補正と入れました)/露出/ブリリアンス/ハイライト/シャドウ/コントラスト/明るさ/ブラックポイント/彩度/自然な彩度/暖かみ/色合い/シャープネス/精細度/ビネット、で合計15個ありました。続いて③。
こちらは、傾き/縦向き/横向きという3種類の加工がありました。
ここまで読んでいただいても、「はてさてなんのこっちゃ」とお思いになるでしょうが、だいたい“言葉のまま”な内容なので、いろいろ触って試してみてください。
それぞれにプラスマイナスがあり、指で目盛りを動かして調整できます。実はこれ、よく聞く写真を現像する、というプロカメラマンも使っている仕上げ加工とよく似ているのです。あと少しここがこうだったら…を叶えるツールでもありますね。
さぁ、ざっくりざっくりなアプリの説明、ご理解いただけましたか(笑)。ここからはどんどん加工していきます。
逆光ボディもしっかり見える
またもや水着!! でも、海に沈む夕日が強くてボディが暗い! 顔面もだけど、水着ボディが見たいんだー!!! というわけで、その願いを叶えます。
「シャドウ」→「ブリリアンス」→「明るさ」の順で手を加えました。これは動きのある斜めの構図。なのでトリミングは無しでこのままにします。
完成形がこちら。
「シャドウ」→「ブリリアンス」→「明るさ」の順で手を加えました。これは動きのある斜めの構図。なのでトリミングは無しでこのままにします。
「逆光だから手前が影だなー、シャドウだ!」
「顔面に反射してる太陽の光を拾って輝きを…ブリリアンス!!」
「うーん、全体もう少し明るくしたいなー…明るさ!」
みたいな感じで、単純&ノリで調整しているだけですが、それでここまでいい具合にまとめてくれるのですから、iPhoneの写真アプリって本当に優秀ですね。
しかし! メインを明るくしたいがために白飛びして無くなってしまった悲しい背景さんにも救いの手を差し伸べたいところです。そこで、救世主「ハイライト」をご紹介します。
こちらは先ほどの水着撮影後に服を着て、帰る間際で撮影したものです。なので、やはり逆光で顔面が暗い。
手順は同じで、「シャドウ」→「ブリリアンス」→「明るさ」→「ハイライト」という順に加工していきました。ハイライトはとくに明るい部分(おでこが脂で光ってるところを想像してもらうといいです)を暗くすることができる、スグレモノ。
白飛びしすぎて、写真の中でも情報がないときは白いままになってしまいますが、そうでないときはハイライトをマイナスにすることで写っていなかったものが現れたりします。
これで明るさによって色味が飛んでしまった海辺の背景が、少しですが蘇りました。
写真を倒す!
今度はよくある鏡の自撮り。背景が明るいので、やはり逆光ぎみになっています。
「シャドウ」→「ブリリアンス」→「明るさ」という基本加工セットのを行ったものの…。ちょっとこれ、短足に見えません? 実は、ここも写真アプリである程度は修正可能です。
ここでやっと③の登場。(画面の)傾きでしたね。これは、トリミングや画面の水平垂直を直すのによく使う機能なのですが、こちらも近年、縦横に倒す機能が追加されました。
Instagramでは早くからあった機能なのですが、ずっとこれを待っていたのです、私は。ありがとうiPhone、アイラブユーiPhone!
というわけで、まずは回転させて平行にします。続いて、その横にある「縦向き」を使用して倒していきましょう。
ここまで読んで「倒すって?」と思った方、多いでしょう。そう、この機能を使うと、画面上で画像を手前や奥に傾けることができるのです。
今回は上を奥に倒します。…すると、…顔が小さくなって足が長くなりました!! 最後は余分なところをトリミングして終わり。
さらにこの縦横の傾きを使用すると、一見ダメダメな写真も使える写真に生まれ変わったりします。
インスタ映えする背景…。しかし! 私の身長が大きすぎて画面ギリギリ。上の方、間抜けに空いてしまってます。はい! 最初の記事に戻ってやり直し! 画面ギリギリに顔面が来ると、スマホのカメラは伸びるんです。足は下ギリギリでも顔面はいけません。
それでも、被写体愛のある撮影方法で、下からのアングルで脚長に、顔面が伸びないように上をあけてくれてはいます。が、そのおかげでバックヤードの電気や天井が写ってしまい写真としての魅力はイマイチです。
しかも、このときは後ろにこれ以上下がれなかったので、真正面からではなく少しずれて撮影しています。うーんここからどうやって加工技術で持ち直すか。
まずは光の調整をしましょう。
「シャドウ」→「ブリリアンス」っと。続いて、傾きを修正します。
まずはわかりやすいところから。天井を水平に揃えると、左側から撮影しているために、背景が右奥に向かっているような状態に。
これを修正するのが「横向き」です。ここを調整すると、せっかく水平にしたところも斜めになったりしますが、焦らず上下のラインが並行になるところまで合わせます。これに関しては目合わせなので適当に。
そして再度傾きに戻り上下を水平に戻します。
そして小顔脚長効果のある『縦向き』を調整! 最後は余分なところをトリミングして水色の背景と人物だけが写るようになりました。
こういう縦横の歪みがわかる背景の補正に使えるのが③の機能だといえます。
ビューティアプリで無理やり顔を小さくして足を伸ばさなくても、こういう工夫をすれば自然なナイススタイルにすることもできるんですよ!
インフルエンサーに反転は大敵!
続いて、ビューティアプリによくある反転現象。人は鏡に映った自分の顔しか認識できないので、反転した姿のほうが自分的に落ち着くという人も多いようですね。ただ、困るのは「反対だとわかってしまうもの」が写ってしまったとき。
着物などで反転すると襟の合わせが逆になり、亡くなった方に着せる着物と同じ襟あわせになってしまいます…。見る人によっては嫌な気持ちになる可能性も。
あとは何かしら文字があるものを着たり持ったりしている場合ですね。「インフルエンサーとして商品をアピールしたい、しかし文字が反転している」だと、かなりもったいないことに。
そんなときは、③の機能を使いましょう。左上に画像の反転、回転機能がついています。
ビューティアプリ、B612を使って加工した写真を反転後にトリミングしました(これは私のオススメのヨーグルトです、宣伝は頼まれていません)。
余談ですが右上には正方形など規定の枠の比率に変えてくれる機能もありますよ。
あなたは何加工男?何加工女?
他の機能の説明はないのー?!と言われそうですが、ご自身でいろいろ使ってみてください。
私はブリリアンス大好き女ですが、あなたはシャドウ大好き男かもしれないし、露出大好き女かもしれません(最後は言葉だけ見ると問題ありますが)。お気に入りの加工、きっと見つかると思います。ちなみに、今回は人物でさまざまな加工を行いましたが、もちろん風景写真にも効果的です。
これからのお花見シーズン、かわゆく撮れたあの子と一緒に、その日一番の空やお花の写真もあげられるとSNSやブログに使えて喜ばれるかもしれませんね。
モデル協力:non @monhannoero
テレジア先生への公開質問
年輩の人と話が合いません。過去の昔話や自慢話、果てはピントがずれた説教まで。内容も古いし、今の時代のことがわかっていないと思います。どうしたらわかってもらえますか? (20代男性)
年輩っていったいいくつくらいからのことかしら…。おねーさんドキドキです。昔流にいえば、40は初老と言われる年齢ですからね。しかし現代は、過去と比べて「10年は心身ともに若い」と言われますし、実際に男女とも年齢不詳の人が増えているように思います。
しかし、相談者さんはピチピチの20代ですからね! なにかとぶつかることも多いのは想像がつきます。親くらいの世代と話して「気が合うー!」なんていう人は少ないでしょう。
というか私、同じような相談を何度も何度も何度も何度も、なーんども受けたことがあります。そう、若者からも年配の人からも!! お互い、そう思っているのですよね。そして板挟みになる私。挟まれまくりです。
「自分はこんな嫌な目にあったんだ! 向こうが悪い! 間違ってる!」と誰かに話したいだけであるならまだしも、「で、あなたはどっちの味方なの?」という本音が垣間見えると、もうしんどい。あぁしんどい。そこで、「どちらの味方でもなくて、どっちもどっちだと思うよ」なんて答えたら、双方から恨まれて良いことありません。
それでもあえて言いますが、基本的には「どちらが正しいということは無い」のがほとんどです。ルールや規則といった、“明確に従わなくてはいけないこと”以外、とくに個人の思想に関することで「正しい」「間違っている」という判断をするのは難しいことです。そして、そのやりとりの着地点に勝敗を持ってくると、さらにややこしくなります。
いまの時代に合っていないように感じるという、相談者さんの意見はその通りでしょう。
しかし、あなたが知らない時代をその先輩は生きてきたわけで、長く生きている分経験したことも多いと思います。
「年齢は関係ない」と言いたいところですが、0歳で生まれて仮に100歳まで皆生きるとした場合に、その先輩はあなたよりも過去の時間が長いのです。
そして、年齢が上がるにつれて学んだり、教えてもらったり、ましてや他人から注意されることがどんどん少なくなります。それと同時に、大人であることを求められる状況も、増えていく。相談者さんが「ピントずれてるな」と感じているお説教も、きっとあなたのためを思ってのことなのだと思います。
…と言いながら。若者と年配者の双方から相談を持ちかけられた場合、多くの場合、若者の味方になりますね、私は。ほぼほぼ中立、ほんのちょっとだけの若者側という程度の味方ですけど。
何故かと言えば、こうした「価値観が違うのは当然だよね」という話を、素直に聞いてくれるのは、基本的に若者だからです。全員ではないですよ。たまに、「もうこの人には何を言ってもダメだわ」っていう人、老若男女に関わらずいますよ(笑)。
しかし、なーんとなく話してみて、「そっか、そーゆー考え方もあるのか」となるのは、若者のほうが多いと感じます。一方、諸先輩方は…というと、彼らからすると「私も若輩者」なので、いかに若者たちが間違っているかを説明します。
いつも、「間違ってるとか正しいとかって話じゃないと思うんだけどなー」と思いながら、黙って聞かなきゃいけない雰囲気になるのは年輩の方が多いのです。
話を元に戻しましょう。
相談者さんの「どうしたらわかってもらえますか?」という質問ですが、「自分の気持ちをわかってほしい」のほかに、「自分のほうが正しいのに!」という怒りはありませんか?
「わかってもらえなくて悲しい」ならいいのですが、「自分の正しさを相手にわからせてやりたい」という気持ちなら、そもそもうまくいかないと思います。そこに、勝ち負けの感情が入っているからです。
相手が自分の意見を変えて、賛同してきたら勝ち。自分が折れたら負け。
そういう勝ち負けの感情は、無意識に相手に伝わり、もともと問題にしていたことよりも大きなポイントになりがちです。
逆に、他人と話し合いをするときに『正しい』『間違い』『勝ち』『負け』をはずしてみると、思いがけないことが見えてきたりします。
相手が最後まで話していて「勝った!」と思っていても、その価値観がこちらにないと、まったく悔しくありません。「ああ、はい、この話まとまらなかったですね」くらいの軽い気持ちになるわけです。
まだまだピチピチな相談者さんも、いつかは諸先輩方と同じ年齢になります。そのとき、あなたにぶつかる若者と、今よりもずっと経験を重ねたあなたとでは、見えるものが違うはずです。
「人はそもそもが違う」のだから、同じものを見ていたとしても、双方に自分とは違うものを受け入れる寛容さが必要だと私は思います。これは彼氏彼女、夫婦、親子など、あらゆる人間関係にも言えることです。
それと、先輩の話は聞いていて本当にダルいですが(笑)、実は意外なところで役に立つ場合もあるものです。私がファッションショーのウォーキングレッスンを受けていた時のこと。教えてくれていた先生は、事あるごとに「自分が輝いてた時代」の話をする方でした。
レッスンが終わってお茶するときも、ほぼ自分の話。「またかー」と内心思いつつも、「いかに失敗をエレガントに切り抜けたか」など、今から振り返ると印象的な話も多かったのです。
実際、私がショーの現場へ出るようになると、あの頃に聞いた先生の雑談がヒントになって、トラブルを回避できたこと、本当に多くありました。
今という時間はすぐ過去になります。
正誤、勝敗に加えて、考えに新しい古いを持ち出すと、話が決着しません。大切なのは、年齢関係なく、何歳であっても他人の意見を気持ちよく聞ける寛容さなのではないでしょうか。
そして、後輩が多い年齢の方々。今まで築き上げてきた信念や価値観はあると思いますが、過去は過去。経験してないが故の新しいアイデアを聞くと、これからももっと楽しい違う経験が増えていくかもしれません。だから、若者の話も柔軟に聞いてみてください。
脳みそ柔らかく、どうぞお手柔らかに。
※老若男女問わず、撮影に関する人間関係のお悩みを随時募集! 写真が好き、撮影会が好きな皆さん。ここはあなたの心の保健室。個人が特定できないように配慮いたしますので、私のTwitterアカウント(https://twitter.com/red_theresia)にDMで気軽に質問ください。