四月、新生活がはじまりましたね。初めましての方も前から知ってるよという方も…、みなさまごきげんいかがですか? テレジア先生の部屋へようこそ。

軽く自己紹介しますと、テレジアは趣味であるコスプレーヤーとしてのハンドルネームでして、本体(?)はフリーのモデルとして、雑誌/撮影会/ファッションショー/映像静止画問わずで、活動中です。

一方、Photoshopを中心にしたレタッチャーの仕事も、数多く手掛けてきました。デッサンや色彩構成など、美大で養った美術感覚に、モデルとして現場で照明機材を数多く見てきた『撮られる側』としての経験を合わせて、自然な修正から人工的な仕上げまで、幅広いレタッチを得意としています。

ところで皆さん。SNS楽しんでますか? SNSって“写真”の出来映えがとても大事ですよね。インスタグラムやツイッター、フェイスブックなど、利用するSNSによって多少の違いはありつつも、写真一つで「いいね」の数が大きく左右変わってくるのは、どのSNSでも同じだと思います。

…はい、前置きが長くなりました。単刀直入にいうと、女の子やちょっとエッチな写真がタイムラインに流れてくると、抜群に目を引くし記憶に残りますよね。よくわかります、私もそうです(笑)。美人さんやキュートな女の子の胸元、ミニスカート姿、ついつい目が行ってしまいます。

そして、自分の手元には高性能カメラを搭載したスマートフォンがある…となれば、「自分でも、きれいな女性の写真を撮ってみたいな」と思う人、多いのではないでしょうか。

「ただ撮っただけ」の顔写真をSNSに投稿するなんて…ありえない!

男女の出会いに写真は大きな役割を果たします。写真一つで、撮った女の子と連絡を取り合うきっかけになったりするからです。

そうした狙いもあって、お花見、歓送迎会、BBQ、忘年会に新年会といったイベント事では、率先して写真を撮っているという皆さん。写真に映っている人をタグ付けしまくって、自分のSNSに投稿しているという皆さん…。

ちょっと待って!
その写真、本当に大丈夫ですか?

『何が? 充分可愛く撮れてるよ、お気に入りの〇〇ちゃんなんか、最高にカワイイ』

そう思っているのはあなただけかもしれませんよ。お気に入りの〇〇ちゃんは、「タグ付け? はぁ? あのおっさん、マジでふざけんなよ」と思っている可能性、捨てきれません。SNSに投稿される“自分の顔面”は、理想の自分にきちんと仕上げてから投稿しているという女性が多いのです。

男性の皆さんは、女性に人気の写真加工アプリ、ご存知ですか? メイクアップ感覚で、写真に映る姿をきれいに加工できるアプリです。「写真を綺麗にレタッチする」ことは、プロのみに許された行為ではなくなっています。

ですから、スマートフォンにもともと入っているカメラアプリで、適切なアングルや光の状態を考えずに、“ただ撮っただけ”の写真をアップするなんて、写真映りを気にする女性からしたら、言語道断のありえない所業。「あの人…、勝手に下手くそ(実際の技術ではなく顔が綺麗に写っているかどうかで判断)な写真あげるから、嫌い」と、仲良くなるどころか嫌われる可能性すらあるわけです。

女性が写真うつりで気にするポイントは…

それでも「えーー可愛いもんは可愛いよ」と思っているあなた。あなたの気持ちはよくわかりました、私も同じです。かわゆい子はそのままでもかわゆい。他人から見ればそう思うものです。

しかし! どんなにかわゆい子でも、顔や体に関する人には言えないコンプレックスを抱えていること、結構あります。目が小さい、鼻が大きい、顎が大きい、足が短いetc. 言い出したらきりがありませんし、本人以外は気にしていない、“マニアック”とすらいえるコンプレックスだったりするのですが…。

それらを写真の中で手軽に解決できるのが、先ほど紹介したような人気の写真加工アプリなわけです。自分で自分が理想とする顔、体型になれる(写真上で)というのは、多くの女性にとって夢のような出来事。

SNSにアップする写真は、すべてアプリで加工済みのものだという人も少なくありません。それどころか、今や「アプリで加工した顔に合わせて整形をする」人(スナップチャット異形症)まで登場しているというから驚きです。

また話が長くなりました。とにかく、SNSに投稿される写真を気にする女性が、とっても多いという事実、ご理解いただけたでしょうか?

とは言え、「一人一人のコンプレックスを想像して気にかけながら写真を撮ってください」なんていう無謀なお願いは致しません。せめて、多くの女性が気にしている、“とあるポイント”だけでもケアできるようになれば、あなたのスマホ撮影は女性受け急上昇、間違いなし。

そのポイントとは、ずばり“老け”。日本人女性の多くは、老けてみられることを嫌います。

写真上で老けて見える主な原因は、ほうれい線・くま・シミ・シワ。私はレタッチャーとして、多くの女性をPhotoshopでお化粧してきましたが、必ずこの4つについて修正するよう、指示されます。

“女性の笑顔”はレタッチ済み写真が標準になってしまった現代

ほうれい線については、写真よりもイラストの方が分かりやすいですね。鼻から口の横にかけて、斜めに線を入れるだけで、イラストの人物は一気に年を取って見えます。「老けて見せたい」なら、ほうれい線は効果抜群というわけ。「若く見せたい」人にとっては、逆に大敵で、多くの女性が気にしているのがほうれい線の濃さだといえるでしょう。

現実的には、頬骨が出ていて筋肉が動く場所なので、笑うとこの箇所が盛り上がって、そこに影や線が出やすくなるわけですが…。雑誌などでほほ笑んでいる女性モデルさんにはほうれい線がありません。撮影時に下からレフを当てていたり、後からレタッチするなどしているからですね。

こうした写真がもはや普通というか、“女性が笑っている写真の標準”になってしまったため、加工なしで普通に撮った写真を見ると「なんだか私、老けて見えない?」と思うわけです。

修正された写真が正義で、シワなどが写っている自然な写真は悪という現状、個人的には「ちょっとやりすぎかな?」とも感じます。しかし、SNSで本人のイメージや印象、世界観が形作られてしまうのが現代ですから、そう考えると、写真は少しでも可愛く撮れている方が良いとも思うのです。

アングルが大事! 上から撮る&顔を上に向けるメリットは?

ここまで細かく説明してきましたが、百聞は一見に如かず。見た方が早いので実際に写真で説明します。よくあるシチュエーション、“居酒屋でのツーショット”を撮ってみました。まずはアングルでどう変わるのか見てみましょう。

①普通に向かい側の座席から撮ったもの
②同じ環境で少し上から撮ったもの

アプリを使用しなくても、これだけで印象が全然変わると思います。

上から…というのがポイント。この角度だと、クマやほうれい線の影が出にくく、目も大きく写って、顎が細く小さく見えるのです。

また、顔を上に向けることによって、天井からの灯り・照明が目に入りやすくなるため、いわゆる“アイキャッチ効果”が生まれます。白目と黒目のコントラストがついて、メリハリのある写りになるわけです。

観光地などのインスタ映えスポットでは、女性がインカメラでセルフィー(自分撮り)している姿、見かけますよね。どう撮影しているのか、チェックしてみてください(怪しまれない程度に)。明るい方を向く、もしくは逆光にしてカメラを上から構える人が多いのではと思います。上記のコツを知っている女性たちは、その場で体とカメラを回転させながら、光の方向を探っているわけです。

よくある光景
その結果

「綺麗に顔が写る=盛れる」という言葉がよく使われますが、カメラを自分のベストな角度に保ったまま、盛れる場所を探してウロウロしている女の子をよく見かけるのは、こうした理由があるからなのでした。だから…

おじさん『撮ってあげるよー!』
女性『いいです、自撮りします』

とばっさり拒否されても、しょげないでください(笑)。それは、自分たちで撮影した方が可愛く撮れることを知っているからなのです。自分が映るとなったら「背景と一緒に記念写真を撮りたい」と言うよりも、まずは自分の写真映りが気になる。これは仕方ありません。

実際、複数写真を添付できるSNSでは、顔面とそこの場所を別撮りし、思い出として複数枚アップする人が多いように思います。

アプリの中ならいくらでもお化粧できる

先ほども触れた通りで、いまは撮った写真をアプリで後からいくらでも修正出来る時代です。というわけで、アプリ「B612」を使って②の写真を後加工してみました。

アプリ「B612」を使って加工

ほうれい線を消し、目を大きく、鼻を小さく、眼球が明るくなるようカラコンを乗せ、顔の陰影を強くハーフっぽい感じにし、アイメイクを足してまつげも足し、唇も色味を強くリップを乗せてみたのですが…。いかがでしょうか。②の私たちはすっぴんで映っていたのに、後加工していた私たちはきっちりメイクアップ済みの顔面に! そう、アプリの中なら、いくらでもお化粧できるわけですね。

こうして、撮影テクニックとアプリ加工を駆使しつつ、その日の“ベスト顔面”を毎日SNSにアップしている女性たちの存在を知れば、①の写真(無加工、と表現される)を本人の了承なしにタグつけしてSNSに載せることの罪深さ、ご理解いただけるでしょう。

とはいえ、男性にアプリで勝手に後加工されるのはもちろん嫌です(笑)。

女性が男性に求める写真とは、「後加工しやすい写真」なのだと思います。そこで私の連載、「テレジア先生の部屋」では、女の子ウケが良くなるスマートフォン撮影術をご紹介できればと思います。

「集合写真撮るなら〇〇さんがいーよ!呼んでこよう!!」と、なればハッピーライフですね。

テレジア先生への公開質問

[Q]自分は良く撮影会に行くのですが、自分の体臭が心配になって撮影に集中出来ません…。特に暑い季節はかなり汗をかきます。そんな状態で近くに寄ったり、カメラを構えて脇をあげたりしたら、「臭っ」と思われないかなと真面目に悩んでいるのですが…。どうしたらよいでしょうか?

[A]信用のおける人に、「怒らないからどの部分がどのように臭いか正直に教えて」と聞いてみましょう。それが一番です。その内容が思ったより酷くても、絶対に怒ってはいけませんよ。まずはどこから臭うのか、その箇所と臭いの種類を突き止めることが大事。それさえ分かれば、対策を練られます。もし、信用のおける人が周りにいないというなら、私でよければ嗅ぎましょう(笑)。

対策は原因によって人それぞれですが、いくつか策を上げると…。

①歯医者で歯石をとる!
②古い衣類(インナーシャツやパンツ、靴下)は熱湯と漂白剤で洗う(できれば捨てて! 新しい服を買って! お願い!)
③汗腺に脂が詰まると臭いの元になるので、定期的にサウナや長風呂で汗をかく!
④脂っこい食べ物は毛穴に皮脂が増える元凶。健康的な食生活を。
⑤通勤電車などで汗をかいてしまうなら、着いた先で着替えればOK! だから着替えを持って行く!
⑥足の臭いが気になる方には“グランズレメディ”がオススメ(→検索して)

これでダメなら専門医へ。

※老若男女問わず、撮影に関する人間関係のお悩みを随時募集! 写真が好き、撮影会が好きな皆さん。ここはあなたの心の保健室。個人が特定できないように配慮いたしますので、私のTwitterアカウント(https://twitter.com/red_theresia)にDMで気軽に質問ください。

撮影協力:
フォトプラス撮影会
キシコ

テレジア
京都市立芸術大学 デザイン科卒。モデル兼コスプレーヤー、レタッチャー、たまにウォーキング講師。元準ミス日本。デザイン・アートの造詣と、プロモデルとしての現場経験を兼ね備え、ライティングや人体構造、色彩設計などを考慮したレタッチを得意とする。高校美術工芸教職免許を持ち、非常勤講師経験あり。