MWC 2019の以前から話があった通り、ファーウェイは同社初の折りたたみスマホ「Huawei Mate X」を発表しました。サムスンが折りたたみスマホ「Galaxy Fold」をサンフランシスコで発表した数日後のことです。

ファーウェイは、OLEDディスプレイを外側に、サムスンは内側に配置した点でまったく異なるアプローチを取っています。これには長所と短所があります。

Mate Xは、パネルが外側を向くことで、画面が埃や砂などのポケットの中にあるゴミと触れることを意味します。フレキシブルな箇所がガラスのように丈夫であるかどうかは明らかではなく、耐久性については慎重になる必要があります。

もう一つの欠点は、きれいに展開しても画面が完全に平らにならないことです。些細なポイントですが、これを嫌う人もいるでしょう。

しかし、この設計を採用した見返りとして、はるかに薄い筐体デザインを獲得しています。これは、ユーザーエクスペリエンスの観点から非常に重要なポイントです。厚さはわずか11mmで、通常のスマホと同じ感覚で使えそうです。このデザインの違いは、市場での成功に貢献するでしょう。

ファーウェイは、パネルを外側巻きにすることで、折り目がつくことを回避しています。折りたたみ箇所は11mmの厚さを確保でき、内側巻きを採用したサムスンが対処する必要のあった折り目の微妙な問題を避けることができました。 Huaweiは、QAラボで10万回の折りたたみテストを実施したと述べています。

側面からヒンジを見ると、Lenovoが一部のノートPCで採用しているWatchbandヒンジに少し似ています。せん断力に対して非常に堅い強固なデザインを実現しています。

開いているときは、右端にグリップエリアがあり、カメラや指紋スキャナーなど多くの電子部品が集まっています。機能と人間工学を融合させたスマートなデザインです。筆者は左手で自分のスマホを使っていますが、良いニュースは画面の反転に対応することです。両方の利き手で、8インチのディスプレイ全体を見渡すことができます。

Huawei Mate Xを開くと、Galaxy Foldと同様にアプリが自動的に大画面サイズに切り替わります。これはGoogleによって追加されたAndroidの機能の一つです。10月に開催されたサムスンのSDC開発者会議で開示されたものです。

本体を閉じると、背面にディスプレイがある、ほぼ普通のスマートフォンの見た目になることに気づくでしょう。背面に回り込んだディスプレイを使って、メインカメラで自撮りすることもできますし、もっとクールな使い方も出てくるでしょう。

カメラは4台(MWCの試作品は3台しかありませんでした)搭載されており、すでに世に出ているスマホとして最強にランク付けされるMate 20 Proと同じ性能を持ち、妥協されていません。

Mate Xには、Mate 20 Proから採用されているKirin 980プロセッサを搭載しており、8GBのRAMと512GBのストレージを搭載しています。

バッテリーは4500mAhで非常に印象的です。さらに、55Wの急速充電機能を備えており、30分で0%から80%まで充電できるのです。このスペックは、Ubergizmoのテストラボの急速充電記録を破りました。しかし、ワイヤレス充電機能はなさそうにみえます。

ボーナスとして、付属の充電器は互換性のあるデバイスなら充電することができ、65W対応のUSB-PD充電器としてノートPCも充電できてしまいます。HuaweiはノートPCの充電環境をスマートフォンの領域に持ち込んだことになります。

指紋センサーは電源ボタン上にあり、画面内に埋め込まれたものほど豪華ではありませんが、現在の技術的課題に対する実用的な解決策です。

そして、これはファーウェイ独自開発のモデムを搭載した5Gスマートフォンでもあるのです。

Huawei Mate Xは、機能的な背面ディスプレイを備えた、ほぼ普通サイズのスマートフォンでありながら、折りたたみ機能を内蔵し、8インチのスマートフォンにも拡張できる優れた工業デザインコンセプトにもとづいて開発された素晴らしい折りたたみ式スマートフォンです。

両方の利き手に対応し、自撮りカメラとして使えるメインカメラまで、ユーザーエクスペリエンスを慎重に検討しているように見えます。そして、ファーウェイのフラッグシップ端末と比較しても、パフォーマンスや機能に妥協はありません。

残されている課題は、実際にどれほど使い物になるのかということです。UbergizmoではMate Xについてテストにかけているところです。そこで、我々は最終的な見解とアドバイスを提案できるでしょう。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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