東京を拠点とするデザインスタジオMetal Goatが発表したテーブルランプ「Oogani(オオガニ)」は、折り紙の思想を現代的に再解釈した、彫刻性と実用性を兼ね備える照明プロダクトだ。カニを思わせるフォルムは、紙の折りをそのまま模倣するのではなく、シャープな稜線と簡潔な構造で“折り”の本質を抽出。空間に置かれたとき、照明であると同時にオブジェとしての存在感を放つ。

本作は、動物のシルエットを幾何学的に再構築する「Capsule Animals」シリーズの一つ。シリーズ共通の言語である角度の効いた面構成、無駄を削ぎ落としたプロポーション、素材の効率的な使い方が、照明という用途に最適化されている。Ooganiの本体には、ポリプロピレン製の厚手合成紙を採用。紙のように折れる可塑性を保ちながら、耐久性と形状保持力を高め、複雑な組み立てを避けたシンプルな構造を実現した。

光はやわらかく拡散する設計で、ベッドサイドや棚、コンパクトなワークスペースに適した落ち着いた明るさを提供する。白いアクリルシートによる支持構造は、軽快さと安定感を両立。さらに真鍮のディテールが接合部や“目”のようなアクセントとして配され、ミニマルな造形に愛嬌と上質感を添えている。

素材選択から構造、光の質に至るまで、過度な装飾を排しつつ、機能と美のバランスを追求したOoganiは、日本的ミニマリズムを現代プロダクトとして体現する一作。暮らしに寄り添う実用品でありながら、静かな彫刻として空間を引き締める――そんな二面性が、この小さな“カニ”に宿っている。