ニュース番組では時々、インターネットや送電網さえ焼き尽くしてしまう可能性のある「大規模な太陽フレア」が差し迫っているという警告が伝えられています。理論的にありえることですが、この悲観的な予測は視聴率集めだという見方もあります。

ただ、まず始めに、太陽フレアとは何かを見ていきたいと思います。太陽フレアとは、太陽から放射される電磁エネルギーの巨大な爆発または噴火のようなものです。NASAはそれについて、「1メガトンの核兵器10億個分と同じくらいのエネルギー量」だと話しています。

幸い、太陽は遠くに存在し、宇宙は広大です。その全てのエネルギーは、人類が関係する限られた空間に集中するわけではありません。代わりに、フレアは消散し、太陽嵐が数分後に地球に到達する可能性があります。

それによって、深刻な被害が発生することが予想されます。1859年に、電信線がそのエネルギーの一部を捕らえ、アメリカとヨーロッパのいくつかの場所で電信紙が発火しました。1972年には、AT&Tで通信の一部が停止し、太陽光に対処するためにインフラを再設計することになりました。

1989年には、太陽フレアが送電網の変圧器を溶かしたことによって、600万のカナダ人が9時間も停電の影響を受けました。これらの出来事は深刻ですが、一部で報告されているような終末論的な事態とは程遠いものです。

幸運なことに、地球の表面は電磁界と大気によって保護されています。到達するのは初期エネルギーのごく一部で、それが上記のような損害を引き起こします。これまで記録された中で最も重大な太陽フレアは2001年4月2日に発生しましたが、誰もその出来事を覚えてはいません。

現在、太陽フレアの影響は軌道上で発生する傾向があり、衛星は大気圏より上にあるので、より露出しています。その影響で衛星が損傷するという事例もいくつかありましたが、太陽フレアは地球上の一般人ではなく、宇宙機関に影響を与えます。

Ubergizmo本社があるサンフランシスコでは、太陽フレアよりも山火事や投機による停電が多く発生していました。ケーブルが通っている街路柱に車が衝突したことが原因で、インターネットが9時間使えなかったこともあります。

次回、太陽フレアによる大災害に関するニュースが流れても、それほど心配する必要は無いかもしれません。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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