モトローラ・モビリティ・ジャパンが、Androidスマートフォン「moto g PRO」、「moto g9 play」を10月30日に発売します。コストパフォーマンスの高さに定評がある「moto gシリーズ」の新モデルです。

2機種の中から今回は、日常的に使いやすい性能を備えつつ、ビジネスシーンにおける利便性を追求した「moto g PRO」をピックアップします。本体価格は35,800円(税込)で、6.4インチの大型ディスプレイや4,000mAhの大容量バッテリー、トリプルカメラを搭載。手書きメモや正確なタッチ操作に便利なスタイラスペンを内蔵するほか、セキュリティ更新が定期的に行われる点も大きな魅力です。実際に「moto g PRO」を使ってみたので、そのレビューをお届けしましょう。

サッとメモを取れる

手にフィットするデザイン
手にフィットするデザイン

「moto g PRO」の搭載OSはAndroid10.0、CPUにはクアルコムのSnapdragon 665を採用。メモリは4GB、内蔵ストレージは128GBです。

画面サイズは6.4型で、解像度はフルHD+(2,300×1,080)。サイズは高さ158.55×幅75.88×厚さ9.2mm(最薄部) 。本体側面はやや丸みがあり、手のひらにフィットしやすい形状になっています。本体重量は約192gです。

スタイラスペンが収納されている状態の本体底部。収納部分は一番右側
スタイラスペンが収納されている状態の本体底部。収納部分は一番右側

「moto g PRO」最大の特長は、本体底部にスタイラスペンが格納されていること。これを使えば、まるでノートに書くようにメモを手書きしたり、PDFにコメントやイラストを書き込んだりできます。

スタイラスペンを抜いた瞬間に「Motoメモ」が起動
スタイラスペンを抜いた瞬間に「Motoメモ」が起動

特に便利な点は、スタイラスペンを取り出すと専用アプリ「Motoメモ」がすぐに起動する機能でしょう。会議や打ち合わせ中にちょっとしたメモを取りたい場面で、大切な事柄をサッと記録できそうです。

「Motoメモ」では文字の色合い、太さなども自由に変更できる
「Motoメモ」では文字の色合い、太さなども自由に変更できる

実際にスタイラスペンを使ってみると、書き心地はかなり滑らか。反応が悪かったり、極端に遅延したりすることはなく、紙に文字を書いている感覚にかなり近くて驚きました。

「Motoメモ」の画面キャプチャ
「Motoメモ」の画面キャプチャ

「Motoメモ」の使いやすさもバッチリ。ノートのタイプを無地/方眼罫/横罫/ドット罫から選べたり、文字の太さやカラーを自由に変更できたりします。別のメモアプリを使いたい場合は、設定を変更すればOK。スタイラスペンを取り出すと、指定したアプリが起動します。

また、付属のスタイラスペンが使えるのはメモ書きのときだけではありません。すべてのタッチ操作を行えるので、タップミスを防ぎたいとき、写真に文字やイラストを書き込みたいときなど、さまざまな場面でご活用いただけますよ。

すっきりとした画面デザイン

画面左側にある点がフロントカメラ
画面左側にある点がフロントカメラ

「moto g PRO」のデザインや機能も詳しく見ていきましょう。フロントカメラは、画面上に小さな穴が1点ある“パンチホール式”。ディスプレイ上部を切り抜いた“ノッチ式”ではないため、画面がより広く感じられます。また、フロントカメラは画面左側のさりげない場所に位置しているので、そこまで存在を気にすることなく動画視聴などを楽しめます。

本体は青系の色合いに
本体は青系の色合いに

「moto g PRO」のカラーは、ミスティックインディゴ1種類。本体フロントや側面のカラーはブラックですが、背面はやや黒みがかったブルーに。上品な雰囲気があり、大人向けのデバイスといった印象を受けます。

背面左側にはトリプルカメラを配置。4眼あるようにも見えますが、上から広角ビデオ用Action Cam、4,800万画素のメインカメラ、接写で活躍するマクロカメラ、オートフォーカスセンサーです。カメラとセンサー部は、そこまで出っ張っておらず、本体を直接机に置いてもガタガタと不安定になることはありません。

背面の中央には、モトローラブランドを象徴する「M」のロゴマーク入り。こちらは、指紋センサーとなっています。「moto g PRO」は顔認証機能も備えていますが、最近はマスクをする機会が多くなったので、指紋認証で画面ロックを解除できるのは嬉しいポイントでしょう。指紋センサーは認証スピードも申し分なく、登録した指を置くと瞬時にロック解除できました。

左側側面にあるSIM/microSDカードスロット
左側側面にあるSIM/microSDカードスロット

本体右側側面には音量ボタンと電源ボタン、左側側面に2つのSIM/microSDカードスロットを搭載。これまでの「moto gシリーズ」と同じく、スマホ1台に2枚のSIMカードを差し込んで利用できます。お使いいただけるSIMはnanoSIMです。DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応しており、手動でSIMを切り替えなくても、どちらの電話番号宛の着信も受けられます。仕事とプライベートで電話番号を使い分けている方でも、2台持ちする必要はありません。

SIMを1枚だけ利用している状態なら、こちらのスロットにmicroSDカードも差し込めます。128GBの本体ストレージが足りなくなった場合は、microSDカードをお使いください。512GBのmicroSDカードまで対応しています。

また冒頭でも触れましたが、「moto g PRO」のバッテリー容量は4,000mAh。バッテリー持ちがよく長時間稼働するので、「仕事中に充電が……」という心配も少なそうです。

安心サポートでセキュリティ面も充実

「設定」アプリでアップデート情報を確認できる
「設定」アプリでアップデート情報を確認できる

仕事用としてスマホを使うには、しっかりとしたセキュリティも重要ですよね。その点もご安心ください。

「moto g PRO」は、Googleが提供するスマートフォン向けプラットフォーム「Android One」を採用した端末。Android 12までのOSアップデートや、3年間の月次セキュリティパッチ配布、購入から2年間の修理保証といったサービスを一定期間利用できるのです。ちなみに、国内で販売されるモトローラ端末が「Android One」を採用するのは今回が初めてなのだとか。セキュリティ面にこだわって、スマホを選びたい方にオススメです。

また「moto g PRO」は、企業向けの高い要件をクリアするとGoogleが認めた「Android Enterprise Recommended」に対応。ビジネス利用に向いていると、Googleからお墨付きを得た端末と言えます。ビジネスシーンでも、プライベートでも、安心してお使いいただけるでしょう。

カメラ機能も充実

低価格帯のスマホとはいえ、カメラ性能もなかなか充実しています。実際に「moto g PRO」を使って何枚か写真を撮ってみました。前述した通り、4,800万画素メインカメラ/200万画素マクロカメラ/1,600万画素の広角動画用Action Camのトリプルカメラを搭載。それに加えて、種類豊富な撮影モードによってバラエティ豊かな写真/動画を撮影できます。

編集部撮影例:「ポートレート」モードで撮影
編集部撮影例:「ポートレート」モードで撮影

例えば、人物を撮影するときには「ポートレート」モードが便利です。背景をボカして撮影できるので、被写体がグッと際立ちます。インカメラで撮影するときも背景をボカせるので、セルフィーでも活用できそうです。

ちなみにインカメラを使って複数人で写真を撮るとき、シャッターボタンを押すのが難しいこと、ありますよね。そんなときは、ジェスチャー機能をお使いください。なんと、ボタンを押さなくても手のひらを見せるだけで写真を撮れます。フレームに映っている全員が笑顔のときに自動で撮影する「自動スマイルキャプチャ」という機能も用意されていますよ。

編集部撮影例:通常モードで撮影
編集部撮影例:通常モードで撮影
 編集部撮影例:「ナイトビジョン」モードで撮影
編集部撮影例:「ナイトビジョン」モードで撮影

また、夜景を撮影に役立つ「ナイトビジョン」モードにもご注目を。作例上側は通常モード、下側は「ナイトビジョン」モードで撮影した写真です。見比べてみれば一目瞭然。通常モードで撮影した写真は明るい部分が飛んでいましたが、光量が自動調整され、ぐっと引き締まった夜景写真に仕上がりました。

編集部撮影例:「スポットカラー」モードで撮影。指定したカラー以外はモノクロに自動加工される
編集部撮影例:「スポットカラー」モードで撮影。指定したカラー以外はモノクロに自動加工される
編集部撮影例:「マクロ」モードで撮影。接写で撮影する際に便利
編集部撮影例:「マクロ」モードで撮影。接写で撮影する際に便利

このほかにも、指定した色以外はモノクロにできる「スポットカラー」や被写体にかなり近付いて撮影できる「マクロ」、といったモードも搭載。アート作品風の写真を撮りたいとき、花に近づいて撮影したいときなどに役立ちそうです。

地味に便利な「motoアクション」

ジェスチャーは「Moto」アプリでオン/オフ設定可能
ジェスチャーは「Moto」アプリでオン/オフ設定可能

もちろん、モトローラ製スマホでおなじみの機能「motoアクション」もお使いいただけます。こちらは、さまざまな機能を手軽に呼び出せるジェスチャー操作のこと。例えば、本体を持って手首を素早く2回ひねるとカメラが起動します。シャッターチャンスを逃さずに済みそうですね。このほかにも、端末を2回振り下ろすとライトをオン/オフできたり、画面を下向きにするとマナーモードが有効になったり、3本指で画面タップするとスクリーンショットが撮れたりetc. 地味に思えるかもしれませんが、使ってみると結構便利なんですよね。使いやすさにこだわった、モトローラならではの機能だと思います。

「moto g9 play」もあわせてチェック!

「moto g9 play」。写真はサファイアブルー
「moto g9 play」。写真はサファイアブルー

最後に、「moto g PRO」と同時発売された「moto g9 play」もご紹介しておきましょう。

こちらは、24,800円(税込)と低価格ながらも、充実した機能を備えたスマートフォンです。搭載OSはAndroid 10.0。カラーはサファイアブルー/フォレストグリーンの2種です。ディスプレイは6.5インチで、バッテリーはなんと5,000mAhと大容量。充電の減りを気にせずに、スマホをお使いいただけるでしょう。

また、4,800万画素のメインカメラ/深度カメラ/マクロカメラからなるトリプルカメラを搭載。「moto g PRO」のレビューでもご紹介したポートレートやナイトビジョン、スポットカラーといった撮影モードも利用でき、ハイクオリティな写真撮影も楽しめます。

さらには、指紋認証機能を備え、デュアルSIM対応にも対応。もちろん、ジェスチャーで機能を呼び出せる「motoアクション」もご利用いただけますよ。仕事でもスマホを使う場面が多い方は「moto g PRO」、スマホはプライベートで使うだけという方は「moto g9 play」を使ってみてはいかがでしょうか。

今回ご紹介した2機種は、モトローラ公式オンラインストアでご購入いただけます。デザインやスペックをもっと詳しく知りたい方は、ぜひ下記掲載のサイトにアクセスしてみてください。なお、Ubergizmo JAPANでは、「moto g9 play」の詳細なレビュー記事も掲載中です。こちらもあわせてご確認ください。