中国がAppleのiCloudサーバーにスパイチップを混入させたとBloombergが先週伝えた件で、Appleは複数回公の場で反論するのみならず、米国議会へも声明を出しています。これまでのところ、情報機関もAppleの声明を支持していますが、Bloombergも複数の情報筋から裏取りをしているとして報道を曲げていません。

しかし、少なくともBloombergがソースとする1人はこの報道を疑問視しているようです。ハードウェアセキュリティ専門家のJoe Fitzpatrick氏は最近ポッドキャストで、Bloombergの記事内に引用された自身のコメントは自身の意図に反したものだったと述べました。またBloombergのJordan Robertson氏が本件についてさらなる詳細をシェアしたときにも、Fitzpatrick氏は「それは道理に合わない」と返信しています。

「8月末、Jordanは私に攻撃者の何人かを初めて暴露しました。そのときにスパイチップの一部始終を聞きましたが、それは道理に合っていないように私は感じました。私は、「これ以上あなたに伝えられる情報はない」とも彼に言いました」とFitzpatrick氏はいいます。彼は、仮にこの報道が正しくてそれが自身のビジネスの利益になるとしても、やはり道理が合わないし、より簡単な攻撃方法が他にあるはずで、ハードウェアによるアプローチは論理的でないしスケールもしないと述べています。

とはいっても、Fitzpatrick氏はBloombergの報告自体には全く反論していません。同社の記事の技術的な側面に「混乱」があると同氏は指摘。Bloombergは必ずしも間違ってはいないかもしれませんが、彼が持つ疑問は本質的には理論的な部分のことのようです。

編集部が日本向けに翻訳編集したものです

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