TikTokは米国において、新機能「Local Feed(ローカルフィード)」を正式に導入した。これはユーザーの正確なGPS位置情報を活用し、現在地周辺で投稿された動画やコンテンツを表示する専用タブ機能で、アプリのホーム画面からアクセスできる。これにより、飲食店や小売店、美術館、地域イベントなど、近隣のスポットやビジネスに関連した投稿が優先的にレコメンドされる仕組みとなる。

本機能は、利用規約の改定を経て、より精緻な位置情報を活用できるようになったことを背景に実装された。ただしローカルフィードは初期状態では無効になっており、利用者が設定画面から有効化する必要がある。一方で、フィードを有効にしていなくても、アプリ自体が正確な位置情報を収集する可能性がある点は注目されている。

表示対象はあくまで商業施設や公開型コンテンツに限定されており、近隣住民など個人の情報が表示されることはない。ショッピング情報や飲食店の紹介、地元クリエイターによる投稿など、地域密着型の情報流通を強化する設計だ。

ビジネス面では、TikTokがローカル企業や広告主との関係を強化する戦略の一環とみられる。現在、米国内だけで約750万社の企業が同プラットフォームを活用しており、本機能は中小企業の集客や販促活動を後押しする可能性がある。ユーザーにとっては“検索する前に出会う”体験が強まり、地域経済にとっては新たなデジタル集客導線となる。

すでに英国、フランス、イタリア、ドイツなど欧州市場では類似機能が展開されており、今回の米国拡大を機に、今後さらに国際的な展開が進むとみられる。一方で、精密な位置情報の活用をめぐってはプライバシーへの懸念も指摘されており、利便性とデータ保護のバランスが今後の焦点となりそうだ。

TikTokは“エンタメ視聴アプリ”から“街とつながる発見プラットフォーム”へと進化を進めている。ローカルフィードは、その転換点を象徴する機能と言えるだろう。