韓国・大邱で開催された「Future Innovation Tech Expo 2025(FIX 2025)」において、Ubergizmo はグローバルメディアパートナーとして参加し、独自の視点で出展企業を評価した。AI、ロボティクス、モビリティ、バイオテックなど多様な領域から革新的な技術が集まる中、筆者には16社の審査が割り当てられ、最終的に「革新性」「世界へのインパクト」「産業化の可能性」の3軸からトップ3を選出。大規模メディア5社による総合アワードとは別に、メディア個別評価として独自性が高い結果となった。

まず1社目は、Aetech。AIとコンピュータビジョンを活用した廃棄物自動選別ロボット「Atron」や高効率リサイクルライン「Airo-MRF」など、現場導入を強く意識したモジュール型の廃棄物処理ソリューションを提供する。空間制約のある自治体や民間施設にも組み込みやすく、実運用前提のアプローチが評価された。環境負荷削減と産業効率化を両立し、循環型経済を現実的に推進する点で高いポテンシャルを示す。

2社目は、WEARCOM INC。水や溶剤を使わない“完全ドライ”のナノセルロース粉体製造技術を開発しており、これは業界でも極めて珍しい。高強度・ガスバリア性というセルロースの特性を活かし、医療パッチや食品包装の代替素材としてプラスチック削減を狙う。製造工程の省エネ・高速化も兼ね備え、巨大な持続可能素材市場に挑む姿勢が際立った。

3社目は、LCHP Tech Corp.。原子間力顕微鏡(AFM)と同じ光学原理を応用した、低コストかつ高精細な次世代LiDARを開発する希少なスタートアップだ。主要LiDARメーカーが採用していない方式を用いることで、圧倒的な高解像度を実現しつつコストを大幅に低減。自動運転や産業ロボットで長年課題だった“高性能化と低価格化の両立”に真正面から挑む、深い技術的独自性が高く評価された。

さらに、ハンドトラッキンググローブを開発する Quester、マルチモーダルAIでCCTV解析を刷新する Piaspace、マイクロ医療ロボットを開発する IMsystem など、トップ3に迫る有望企業も多数登場し、FIX 2025が産業の未来を象徴する場となったことが印象づけられた。