Mazda は、中国で新型 SUV「EZ-60」を公開し、2026年から “Mazda CX-6e” の名称でグローバル展開する計画を明らかにしました。電動車(EV)仕様とレンジエクステンダー付き電動車(EREV)仕様の二方式を採用し、性能・価格・技術バランスに挑むモデルとなっています。

⚡ 駆動方式と航続距離
EV仕様の EZ-60 は、190 kW モーター+77.94 kWh LFP バッテリーを搭載し、1回充電で 最大600 km(約373マイル) の航続距離を達成する見込みです。 
一方、EREV 仕様では同じ 190 kW モーターに加え、1.5リットルのガソリン発電用エンジンを組み合わせ、電動走行できる距離を約 200 km(124マイル)確保。合成レンジ(ガソリン併用時)は 約1,000 km(621マイル) に達すると説明されています。 
この併用戦略により、日常の電動利用と長距離ドライブ双方をカバーする狙いが見えてきます。

🖼 デザインと先進機能
外観は、Mazda の最新デザイン言語を反映し、閉じたフロントグリルと発光する Mazda ロゴを採用。未来感とアイデンティティの両立を図っています。 
車内には、26.45インチの 5K 中央ディスプレイを備え、インフォテインメントと乗員用表示を統合。さらに 100インチ相当の AR ヘッドアップディスプレイ (HUD) を搭載し、速度・歩行者・規制情報などを視界に投映します。運転支援機能は、複数カメラ・レーダーを組み合わせたレベル2自動運転を支える設計です。 
また、外部サイドミラーはオプションでカメラ式とし、効率と空力性も意識した仕様。荷室容量はリアチェア折りたたみ時で最大 2,036リットル、EVモデルには前部に フロントトランク 126リットル を備えるなど、実用性も確保しています。 

💰 価格と投入戦略
中国市場における初期価格は、最廉価モデルで 15,000ドル前後、上位モデルで 20,000ドル弱 とアグレッシブな設定が報じられています。海外では仕様調整や輸送コストが上乗せされる見込みですが、競合 EV に比べて手頃な価格帯を目指す姿勢は鮮明です。 
先行投入は中国国内からで、グローバルローンチは 2026年を視野に。Mazda と中国の Changan との合弁プロジェクト “Changan Mazda” による製造・流通体制が背景にあります。

✅ 総評:戦略的 EV 入門モデルへの挑戦
EZ-60(CX-6e)は、「電気化」トレンドの中で、コストパフォーマンス・航続性能・先端機能を併せ持とうとする挑戦的な企画です。EV/EREV のハイブリッド選択肢、巨大ディスプレイ・AR HUD・高度な車載支援といったスペックは、ガジェット好き・自動車好きの関心を引きそうです。
しかし、実際の性能(実測航続距離・発電効率・冷暖房消費など)、ソフトウェア最適化、地域ごとの安全規格適用、充電・整備インフラ対応などが成功のカギとなります。発表スペックだけでなく、実車レビューや長期耐久性検証が始まる段階で、本モデルの真価がより明確になるでしょう。