OpenAIは2025年8月7日、最新AIモデル「GPT‑5」を正式リリースしました。ChatGPTおよびAPI経由で利用可能となり、自由プランでも使える民主的な設計が注目されています。GPT‑5は数学、科学、法務、健康、コーディングなど幅広い領域でより正確かつ迅速な応答を提供し、「まるでPhDレベルの専門家が手元にいるようだ」とCEOのサム・アルトマンも称しています。
主な強化ポイント
•高度な推論・安全性の向上
応答の正確さ向上、妄想（hallucination）の抑制、指示への忠実な対応、安全性の高い応答（Safe Completions）といった機能改善が図られています。
•超長文対応とマルチモダル性
APIでは最大40万トークン（ChatGPTでは25.6万トークン）のコンテキストを扱えるようになり、文書や会話、コードなど長文への対応力が大幅に向上しました。また、画像・音声・動画にも対応する真のマルチモーダルAIです。
•ツール連携と自動ルーティング
高速応答と深い推論を用途に応じて自動選択するルータ機能を搭載し、複雑なタスクも複数のツール呼び出しをシームレスに処理可能です。
バージョンと活用の幅
GPT-5は以下の複数バージョンで展開：
•標準版／Mini／Nano：用途やリソースに応じた選択が可能。
•Pro版：拡張推論能力や無制限アクセスを備え、ビジネス活用に対応します。
実用事例とプラットフォーム統合
•MicrosoftやAppleとの連携：CopilotやApple Intelligence などへの統合が進行中。
•企業導入実績：AmgenやBBVA、Uberなど多数の企業が実業務にGPT‑5を展開し、生産性や品質の向上を報告しています。
初日の混乱とユーザー反応
•GPT‑4o の一時提供復活
GPT‑5導入直後、応答品質の低下や不具合に対するユーザーの不満が高まり、OpenAIは旧モデルGPT‑4oをPlusユーザー向けに暫定復活させました。
•一部では「進化ではなく改良」にとどまるとの声
MIT Tech Review はプロダクトとしての洗練を評価しつつ、AGIへの進化としては限定的との見方を示しています。
•セキュリティリスクの報告
ジェイルブレイクやIoTへの悪用につながる脆弱性が一部で指摘され、安全性には引き続き注意が必要です。
総括
GPT-5は「応答品質」「推論精度」「長文対応」「マルチモーダル性」など多方面で着実な進化を遂げ、実世界での実用性を強力に高めたAIモデルです。一方で、モデル整備やユーザー体験の設計改善、安全性の確保といった課題も露呈しており、今後の継続的なアップデートとエコシステム整備が鍵となります。
ガジェットファンにとって、GPT-5は“手のひらに収まる専門家”としての未来を体現し、AIと共に日々を拡張する新たな体験の幕開けを告げる存在です。
