中国・常州のスタートアップが開発した「Photon Matrix」は、LiDAR+レーザー技術を組み合わせた世界初の“蚊用エア・ディフェンス”装置として注目されています。

🛠 技術の肝は「高速検出+直撃レーザー」
この装置はLiDARモジュールを使い、飛行中の小さな虫の位置・サイズ・飛行角度をわずか3ミリ秒で解析。その後、蚊であると判別すれば即座にレーザーパルスを照射し、蚊だけを標的として仕留めます。サイズやスピードから蚊を特定し、ハエなどの速い虫や人・ペットなどの大型対象には反応しないよう安全策も搭載されています。

🚀 蚊撃退の性能とモデル別スペック
•処理速度:最大30匹/秒を処理可能。
•基本モデル:射程3m、90°スキャン、屋内・屋外使用向け防水構造。
•Proモデル:射程6m、同じく90°スキャン範囲。
•電源:モバイルバッテリやポータブル電源にも対応し、設置が簡単。

🔁 クラウドファンディングで先行展開、製品化へカウントダウン
Indiegogoで資金調達中で、既に初期目標はクリア。価格は基本モデルが約468ドル、Proモデルが約668ドル(ともに期間限定価格)。出荷は2025年10月を予定し、量産は2026年3月から開始予定です。

🌍 科学的・社会的意義も大きい
蚊は毎年数十万人をデング熱、マラリア、脳炎などの病気で殺すため、レーザーという“化学に頼らない新しい武器”は大きな社会的意義を持ちます 。未来の家電として、虫除け効果と健康保護の両面で注目されています。

🔍 課題と今後の展望
•射程・稼働範囲が限定的で、広い庭全体には適さない。
•レーザー・光学センサーによる雨天や環境条件への影響も今後検証が必要。
•価格面では量産によるコスト低下が期待されますが、現状で約5万円の本体は使用者の許容範囲かどうかが問われそうです。

✅ まとめ:SFチックな家電から現実的ソリューションへ
Photon Matrixは、AI・LiDAR・レーザーといった先端技術をスマートホーム製品として実用化し、「蚊」という古くて深刻な脅威に立ち向かおうとしています。技術的にはSFのようですが、効果次第では化学薬品に頼らない新たな虫除けデバイスとして普及の可能性を秘めています。まずは2025年10月の初回出荷を待ちつつ、その実際の効果と安全性を評価していきたいところです。