皆さんこんにちは。河上 純二 a.k.a JJです。

世界を変えるスタートアップ企業にフォーカスした最新レポートをお届けします。
第51回目は、1話3分のショートドラマ配信アプリ「BUMP」を提供し、先日開催されたB DASHCamp 2024 Sapporoピッチコンテンスト準優勝、
IVS Kyoto 2024 Launchpad第4位入賞を果たしたemole株式会社 代表取締役 澤村直道さんにお話を伺いました。


自分のやりたいことで生きていきたい

自分のやりたいことで生きていきたいということを、中学生の頃から思っていました。その後大学進学と同時に上京し、経営学部に入りました。一度は就職してから起業しようかなと思っていたのですが、その時入りたいと思える会社がなかったんです。

当時は起業したいけど何で起業したいかわからない、やりたいことやって生きていきたいのに、自分のやりたいことがわからない、という自己矛盾を抱えていて、それがめちゃくちゃ苦しいなと思っていました。

それでも自分の中の小さな興味に対して、何かしらアクションをしてみようと思い立ち、大学を卒業して独立してからは、様々なプロジェクトを立ち上げ、それを事業化してみようといろいろやってきました。
また、UI/UXデザイナーとして受託案件をやりながらお金を稼いで、そこで稼いだお金を自分のやりたいことだったミュージックビデオや短編映画の制作などに投下していくことをずっと続けていました。
いろいろやった結果、社会に出てからは、「自分のやりたいことをやって生きていく」ことがすごく難しい社会なのだと気づきました。

そんな社会自体を変えたい、それこそが自分のライフミッションだと思い始めてemole株式会社を始めました。


emoleは「Emotional」と「Puzzle」を組み合わせた造語

もともと「emole」はサービス名で、やりたいを実現する仲間と繋がるコミュニティプラットフォームでした。SNS上の繋がりの繋がりから共感ベースでプロジェクトに協力してくれる仲間を見つけられるサービスとして2018年頃に立ち上げました。
やりたいことをやろうとする人はかなり孤独だなと思っています。今あるコミュニティでやりたいことに共感してくれる仲間を見つけるのは難しいし、周囲に流されず、自分がやりたいことで、ゼロから何かを立ち上げて作っていくのは大変です。さらに、共通の目標なくして初対面の人と会ってすぐに意気投合することにも難しさがあります。

だからこそ既存のコミュニティを飛び出して「何かに挑戦したい」という想いに共感する仲間が集まれる場所を作りたいと思いました。

なぜならば、1つの目標に向かって何かをやっていく中で、一緒に壁を乗り越え、何かを達成したときの喜びを一緒に共有することで、本当に心の底から信頼し合える仲間ができていくからです。

個々で見ると人の心は1人1人の感情を表すピースのようなもので、ひとつひとつが全然違う形をしていると感じています。プロジェクトを進める中で共鳴し、それらピースが組み合わさることで1つの大きな絵ができるような瞬間が最高だと考えています。だからこそ僕たちが、バラバラに独立した感情のピースを僕らが繋ぎ合わせていきます!という意気込みで、自分の好きなことに仲間と一緒に挑戦していけるサービスをという想いで「emole」と名付けました。

今ではコミュニティサービスとしてはクローズしていますが、当時と変わらぬ思いが根底にあり、会社名として残っています。


BUMPは1話3分のショートドラマ配信アプリ


https://lp.bump.studio/

BUMPは1話1分〜3分のショートドラマを連続視聴できる、ドラマ配信型のアプリサービスです。

マンガアプリのように最初の数話は完全に無料で視聴することができます。その後は1日待つと無料で1話見られるチケットがもらえ、30秒程度のCM視聴をするとさらに数話無料で視聴できるケットがもらえます。そこから先は1話ずつ課金して視聴していただくサービスです

BUMPを始めたきっかけは、中国をはじめとしたショートドラマの盛り上がりを受けた市場トレンドから入ったものではありませんでした。

まず、ミュージックビデオや短編映画の制作や、コミュニティサービスなどでも、エンタメ領域に近いところで仕事をする仲間が多く、僕らのビジョンにも共感してもらえる人が多くいました。
短編映画の制作では、本当にいろんなスキルを持った人たちが何十人と集まり、純粋にお金よりもいいものを作って多くの人に届けたいというピュアな熱量を持って制作していく場所があって、それがすごく自分の思い描いていた世界観に近いというか、部活や文化祭を作り上げる感覚に近く、そんな場所で活躍していける人もっと増やしたい、自分自身それを作っていくことがすごい心の底から楽しいと感じていました。
しかし、映像業界で十分に稼げるのは、商業映画やテレビドラマなど一部のトップ層のクリエイターだったりするためその門戸は狭く、それが故にハラスメントや過重労働などが横行する悪習慣が存在する様子も目の当たりにしました。
若手でもいい作品を作れば、それが評価されて十分に稼げるプラットフォームがあればいいと思っていたのが、動機の一つです。

さらに、自分自身がいち消費者として、昔は映画やドラマをよく観ていたのですが、最近全然行けてないなとか、1時間何かを観るのに時間を確保するって結構しんどいなという感覚がありました。トイレに行っている間にYouTubeを観たり、ご飯食べながらアニメ観たりしていた中で、何かこのスキマ時間で観られるドラマがあったらいいなと感じていました。
マンガなどは電車の移動時間のスキマ時間で観られるし、自分だったらそのようなドラマコンテンツがあれば絶対に観るだろうなと思っていました。

クリエイターが小さく挑戦して稼げるという「作り手の視点」とタイパよくコンテンツを消費したいという「消費者の視点」それぞれを体現する場としてBUMPをゼロから立ち上げました。


TiktokなどSNSの切り抜き配信でDLが伸びた

2022年末のサービス開始当初は全くDLが伸びませんでした。
日々悩んでいると、コンテンツプランナーとして一緒に働く自分の妹から「切り抜きをやったら絶対伸びる」と言われて、Tiktokに切り抜き動画の配信を始めました。
その中でも100万再生を超えてきたものが出てきて、これはもう切り抜きまくろう!と決めて、それが突破口となってDL数やユーザー数が増えていきました。

ショートドラマって、地上波ドラマの下位互換的な感じで見られがちなのですが、それって今だけだなと思っていて、ショートドラマでもクオリティ高いものを作ることはできます。
僕らのプラットフォームにあるショートドラマは近い将来、エンタメの中でも一つのメインコンテンツになっていくと強く感じています。




「感情のピースを僕らが繋ぎ合わせていきます。」
emole株式会社
https://emole.co.jp/
代表取締役 澤村直道



■河上 純二 a.k.a JJプロフィール

ビジネスプロデューサー/パーソナリティ/モデレータ
河上 純二 a.k.a JJ
Facebook:https://www.facebook.com/junjikawakami
WEB:https://jylink.jp/kawakami/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCi4qhCZWA5I0jSxnseIQ_7A/