国防高等研究計画局(DARPA)は、Robotic Autonomy in Complex Environments with Resiliency vehicle(通称 RACER)の最初のテスト走行を成功裏に終えました。RACERの目標は、無人走行車に自然の障害物があるオフロード環境での操縦を学習させ、現実世界で人間が運転する速度に匹敵するようにすることです。
テストの中で、RACERの車両は約6〜18kmの範囲を最大時速約40kmの速度で、55回以上の走行を完了しました。車両には、360°の範囲の画像センシング、光検出と測距用の複数のレーダー、カラーカメラと赤外線カメラ、イベントセンサー、そしてその他の検出機器が多数装備されました。DARPAの最終的な目標は、危険な環境から人間を連れ出すことが出来る無人地上車両(UGV)を配備することです。
そうは言っても、ドローンはプログラミングと生身の人間に依存することで制限されているため、現実世界の状況で自律型無人車両を展開することは依然として課題のままです。最近の戦争では、ウクライナとロシアの両方が自律型無人車両を実験しましたが、それでもプログラミングによって制約を受けており、破壊された場合は兵士によって回収される必要があります(これは、人間を危険から救うという目的に反しています)。
その全ての制限があったとしても、RACERは米軍の革新における重要な発展であり、米陸軍と海兵隊の代表者が実験に参加し、RACERで開発された技術を将来の無人サービスやコンセプトに移行する手助けをしました。
戦場での自動戦闘ドローンの展開は、今後数年では実現しない可能性がありますが、RACER車両の可能性は確かに測り知れず、将来的に軍隊にとって非常に重要なツールとなる可能性があります。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
原文はこちら