第1世代のオーディオグラスを凌駕する優れた製品
良い点 | 悪い点 | 評価 |
高い音質 | イヤホンやヘッドオンよりも音質が悪い | 9.1/10 |
快適な着心地 | ノイズリダクションは改良の余地あり | |
折りたたみ可能な本体と交換可能なレンズ | 価格 | |
他社製の度入りレンズを装着可 | 19,900円 |
「Soundcore Frames」は、眼鏡を高品質のウェアラブルスピーカーに変える製品です。オーディオサングラスというカテゴリは新しいものではなく、Huawei Gentle Monster EyewearやBose Frames等の製品がこれまでに同様のコンセプトを模索し、ある程度の成功を収めています。ただし、Soundcore Framesは、これらの初期の経験から市場が学んだことを踏まえ、より実用的でコストパフォーマンスの良い製品を提供出来るよう設計されています。
デザイン
デザインの観点から見ると、Soundcore Framesは”フレームの交換が可能”という、ほとんどの競合他社よりも大きな利点を持っています。ユーザーは、サングラスとクリアレンズを切り替えたり、気分や服装に合わせてスタイルを変更したり出来ます。
「サイズ」はフレーム(フロント)の幅によって決まっており、使用可能な全てのフレームが同じというわけではありません。逆に、より多くの人が自分に合ったものを見つけることが出来るので、それは素晴らしいことです。その一方で、店舗で気軽にそれらを試す方法は、少なくとも今のところありません。
よく見てみると、眼鏡のテンプルが少し分厚いことがわかりますが、それはウェアラブルデバイスであることを示しています。バッテリーと電子機器がその部分に内蔵されており、これをさらに小さくするのは現在の技術では困難です。
サングラスとして、この製品は屋外でも問題無く機能し、製品にはある程度の耐久性があるので、プールやビーチ等の水にさらされる可能性のある場所でも快適に使用することが出来ます。透明なレンズを使用する場合、サードパーティ製の処方レンズを装着することが可能ですが、今回のレビューでは試しておりません。
交換用フレームを使用すると、自宅や職場での使用が可能になるため、Soundcore Framesの使用可能環境が大幅に拡大します。ほとんどのシチュエーションにおいて、ヘッドフォン、さらに重要なことはイヤフォンの代わりとして、Soundcore Framesを着用出来るようになります。
イヤフォンを1日中装着出来る人もいますが、長時間着用することで不快感やかゆみを感じる人も多くいます。Soundcore Framesは、耳を覆ったり耳に入れたりする必要が無いため、非常に快適です。
音質
小型スピーカーは、オフィスのような周囲の音が適度に聞こえる環境で、パワフルでクリアなサウンドを再生します。同時に、周りにいる人全員にあなたが再生しているオーディオが聞こえるほどの音量ではありませんが、誰かが近くにいて、音量が十分に大きい場合には多少の音が聞こえる可能性はあります。
車内での音声案内や仕事中のZoom通話でこのデバイスを使用してみましたが、このタイプの製品としては、品質が優れていることがわかりました。また、一般的なイヤフォンの代替品としても使用しましたが、あまりにも騒音が激しい環境を除いて、問題無く機能しました。
驚くことでは無いでしょうが、従来のヘッドフォンやイヤフォンは使用用途のためにより最適化されていますが、このようなオーディオデバイスは、最大限の音の没入感と忠実度を実現するようには設計されていません。ただし、耳の快適性や周囲の視認性という点においては、非常に最適だと言えます。
内蔵マイクは、電話やビデオ通話に関係の無い小さなノイズや遠くのノイズを拾ってしまう傾向があり、この点については大手メーカーのワイヤレスイヤフォンの方が優れています。マイク性能を比較するのは簡単ではありませんが、多くの人から周囲の雑音が聞こえたと教えてもらったことからも、十分にご理解頂けると思います。
仕事ではUSBマイクを使用しているので問題ありませんが、緊急の電話の場合は、環境音のノイズリダクションが改良されるとさらに良いでしょう。
ジェスチャーとコントロール
テンプルのジェスチャーを使用して、以下のようないくつかの機能を操作することが可能です。
再生/一時停止: ロゴ部分をタップ
音量調節/前後の曲送り: ロゴ部分をスワイプ
手動で電源オン/オフ: テンプルが湾曲している部分を長押し
他のスマートイヤフォンと同様に、音声コントロール機能にも対応しています。有効にするには、Soundcoreアプリのインストールが必要です。
バッテリー寿命
理論的には、フル充電で約5.5時間の再生が可能です。音量にもよりますが、これがメーカーの現実的な評価のようです。たくさんのビデオ会議がある日には日常的に数時間はバッテリーが持続していますが、実際にそれほど長く使用したことはありません。
10分間の充電で約90分使用することが出来ますので、バッテリー残量が少ない時は、会議の合間やちょっとした休憩の間にバッテリーの充電が可能です。オプションで充電ケースも用意されていますが、旅行は最低限の荷物しか持ちたくないので、ケーブルによるシンプルな充電方法が気に入っています。
Soundcoreアプリ
筆者も、最初はSoundcoreアプリをインストールせずにSoundcore Framesを使用していましたし、そうしたければアプリ無しでも使用可能です。ただし、ソフトウェアの更新やその他の改善はアプリを介して配信されるため、どこかのタイミングでインストールした方が便利に使えるかもしれません。
ただ、アプリを使用するには登録してアカウントを作成する必要がある、という点が少し気になります。アプリ内では、イコライザーのカスタマイズ、オープンサラウンドサウンドの有効化、ファームウェアの更新、コントロールの変更等が可能です。
まとめ
Soundcore Framesは、第1世代のオーディオグラスで直面していた課題を克服するように設計された優れた製品です。そのため、屋内と屋外の最も多くのユースケースで全体的に最高のユーザーエクスペリエンスを提供することが出来ます。
複数のサイズ展開により、より多くの人が好きなものを見つけることが出来る可能性が高いので、より広範なユーザー層に対応出来ます。さらに、不運にも破損してしまった場合でも、スタイルを変更したり、傷が付いたり破損したレンズを交換したりすることが容易に可能です。
このデバイスが耳の快適さに最適化されたオーディオデバイスで、オーディオの没入感を最大化するものでは無いことを理解していれば、好みのサイズとスタイルを見つけられた場合には非常に良い製品となるでしょう。Zoom等のオンライン会議でいっぱいの長い1日や、音声案内及びサングラスとして長距離運転に使用しているときに、このデバイスの素晴らしさを実感しました。これは、これまでに試してきたどの「骨伝導デバイス」よりも優れているでしょう。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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