ベースモデルにiPhone 13 Proのカメラ機能を一部導入

良い点 悪い点 評価
iPhone 13より高性能なカメラ ハードウェアはiPhone 13からマイナーアップデート 7.8/10
改良された冷却システム コストパフォーマンスは改善の余地あり 価格 119,800円〜
非常に高音質なスピーカー
衛星経由のSOS(対象地域限定)

新しいiPhone 14が、遂にやってきました。今回は新型のiPhone 14をレビューしていますが、同じ仕様でサイズが大きくなったiPhone 14 Plusも用意されている点にはご注意下さい。今年、iPhone 14で行われたのは段階的なマイナーアップデートとなっています。それでは、新機能について見ていきましょう。

新しい機能とは?
物理的に、新型のiPhone 14はiPhone 13と非常に似ています、アルミニウム製の本体は同じで(iPhone 13 とは完全な互換性があり)、ほぼ全ての部品が同じもので構成されています。本体カラーの違い以外で、iPhone 13か14の違いを見極めることは難しいでしょう。

カメラハードウェアはわずかに向上しており、これは最も重要なポイントです。それ以外の点では、ソフトウェアのアップデートとなっており、機能面での改良が見られます。ここでは、改良点の一部を確認していきます。

衝突検出: iPhone 14は自動車の衝突を検出し、緊急SMSを通じて、指定した緊急連絡先に電話をかけてくれます。

衛星通信SOS: 4G/5Gの通信ネットワークが圏外の状態でも、iPhone 14には最後の秘策があります。衛星経由で緊急SOSのメッセージを送信出来るようになるかもしれません。サービスが展開される11月に、これがどのように機能するかを確認出来るでしょう。

eSIMのみに対応: Appleは、物理SIMカードの使用を廃止しました。eSIMのみに対応したことで日々の生活が変わるわけではありませんが、新しいSIMカードが必要な際に、それが手元に届くのを待つ必要が無くなるので、手続きがより簡単になるかもしれません。

冷却性能の改善: iPhone 14の冷却性能が改善され、ゲームやAR、長距離のナビといった利用状況で持続的な性能を発揮するのに役立つ、とAppleは説明しています。

カメラ: 前面・背面のカメラシステムは、iPhone 13の設計よりも改良されています。これは、iPhone 14を入手するための、より重要な理由の1つです。

 

デザイン


前述したように、iPhone 14の筐体はiPhone 13と同じであり、対応するケースの幅広い選択肢が既に存在するというのは良いニュースです。

Appleはアルミニウムを採用しているので、iPhone 14は、ステンレス製のiPhone 14 Proより軽く(よりチープに)感じられます。私達の意見では、スチールは傷や衝撃に対する耐性が高いだけでなく、見た目も優れています。

iPhone 14では、従来と同様の位置に電源・音量ボタンが配置されており、使い慣れた操作性となっています。本体の前面と背面はフラットで強化ガラスで覆われており、背面カメラ部分のみが出っ張っています。

スピーカーシステムは、市場で最も高価なスマートフォンに匹敵する優れた音質を生み出すため、スピーカーを使うのが好きな場合には大きな強みとなります。ここ最近の多くのスマートフォンと比較してみましたが、その中でも最高の部類に入ります。

 

ディスプレイ


iPhone 14は6.1インチのディスプレイを搭載しており、iPhone 14 Plusに搭載されているのは6.7インチとなっています。これが、2つの機種の間の主な違いです。

ベゼルは細く、大きな”ノッチ”は未だに健在です。ノッチ内にはセルフィーカメラとAppleのFace ID機能に必要な赤外線センサーが収納されています。

Face IDは、他社の単一カメラによる顔認証機能よりも安全性が高いですが、巨大なノッチは視覚的な代償となっています。多くの人々は、Appleがそれを取り除くことが出来ないことに非常に批判的でした。競合のAndroid機種では、事実上目立たない”パンチホール式”や”画面埋込式”によってノッチを最小限に抑え、技術的な進歩を遂げてきました。

ディスプレイの画質は非常に良く、色精度も高くなっています。輝度は、手動設定では最大で595ニト、システムによる自動制御のピーク輝度は890ニトに達します。AppleのProMotion技術はiPhone 14 Proシリーズでしか利用出来ないので、残念ながら、リフレッシュレートは60Hzとなっています。

 

カメラ


新型iPhone 14のカメラシステムは、iPhone 13 Proと同様にメインカメラが26mmとなったおかげで、少し改善されています。それと同時に、iPhone 14の14mmウルトラワイドカメラは、iPhone 13からレンズは改善されていますが、iPhone 13 Proには及びません。Appleは、提供する製品の棲み分けを行っています。

Ubergizmoのカメラベンチマーク CAMERA HWでは、iPhone 14の背面カメラシステムのスコアは170で、iPhone 13(スコア 140)よりは明らかに優れていますが、iPhone 13 Pro(スコア 191)よりは低いままです。iPhone 14には77mmの望遠レンズが搭載されていないので、iPhone 13 Proのカメラの方が優れています。

Appleは低照度での撮影性能が49%改善されたと述べており、CAMERA HWのスコアとデータを見ても現実的な数字となっています。それによって、長時間露光の夜間撮影の待ち時間が短縮される可能性もあります。

さらに重要なことに、LiDARカメラは引き続きProシリーズ限定で、前Proシリーズで導入された3Dスキャン機能もiPhone 14では非対応となっています。

当然のことながら、26mmのメインカメラを使用したiPhone 14の写真は、iPhone 13 Proのものと同じように見えます。超広角カメラは、撮影シーン毎に異なる長時間露光に応じて、夜間では少し異なる見た目になるかもしれません。長時間露光は低照度の写真を撮影するための自然な方法ではなく、幻想的な画像になる可能性があります。

低照度の写真にデフォルトで1〜3秒の長時間露光を使用するというのは、同価格帯のほとんどのAndroidスマートフォンがそれを必要としない2022年においては、少し劣っていると言えます。

通常よりも動画はトリミングされてしまいますが、動画撮影を安定させる「アクションモード」という手ブレ補正機能も導入されています。トレードオフにはなりますが、動画ははるかに安定したものになるため、この機能名は適切でしょう。

セルフィーカメラは、被写体をあまり”美化”しようとしないため、これまでよりも自然な写真を撮影出来るようです。これらの新しい設定は、最終的にiOSのアップデートを通じて旧モデルにも提供されるかもしれません。また、今回のセルフィーカメラは、オートフォーカスにも対応しています。

 

パフォーマンス


Appleは素晴らしいCPU性能を提供しており、それはGeekbench等のベンチマークで証明されています。CPU速度は、機敏なアプリ利用、OSの応答性、及び毎日のパフォーマンスに反映されます。

グラフィックスと3Dゲームに関しては、iPhone 14も非常にまともな性能で、私達が調べたグラフィックステストではiPhone 13 Proと同様のパフォーマンスを示しました。

最近発売されたOnePlus 10T(ベンチマークをご覧下さい)のような、比較的お手頃価格なAndroid”ゲーミング”スマートフォンほどのスコアは出せていません。しかし、動画の圧縮・編集といった特定のタスクに対しては、Appleはそれ専用のハードウェアを用意しているので、iPhone 14はこれらのスマートフォンを凌駕する可能性があります。

 

バッテリー


Appleは何年にもわたってiPhoneのバッテリー容量を増やしてきましたが、これは非常に前向きな選択です。しかし、Samsung Galaxy S22+のようなAndroidの競合機種にはまだ遅れをとっています。同機種はバッテリー容量が大幅に多く、現在は799.99ドル(約115,000円)で販売されています。OnePlus 10T(649ドル)のような手頃な価格のスマートフォンは、さらに大容量で、5倍以上の速さで充電することが可能です。

mAh/Cubic-Inch(体積あたりのバッテリー容量)のグラフを見ると、iPhoneのProシリーズを含む他のスマートフォンのほうが、本体サイズに対してより多くのバッテリー容量を備えていることが示されています。

幸いなことに、60HzのリフレッシュレートとAppleのプラットフォームによる全体的な電力効率のおかげで、iPhone 14は”1日バッテリーが持つ”スマートフォンとなっており、通常の使用では、20%程度のバッテリー残量で帰宅出来る可能性があります。

 

まとめ


119,800円(799ドル)/128GB〜という価格で、iPhone 13 Proに搭載されている優れたカメラの一部を備えたiPhone 14ですが、望遠やLiDARといった”Pro仕様”の機能は搭載していません。それでも、iPhone 14のカメラはiPhone 13(107,800円/699ドル)よりも優れているため、予算がそれほど厳しくなければ、その価格差に納得出来るかもしれません。

私達の見解では、値引きされたiPhone 13 Proを購入することが出来る場合は、より良い選択となるでしょう。そして、iPhone 14とiPhone 14 Proの間で迷っているのであれば、間違いなく、iPhone 14 Proには価格差以上の価値があると言えます。

iPhone 13を使用しているなら、iPhone 14 Proにアップグレードするか、来年まで待つのが良さそうです。iPhone 12もしくはそれ以前の機種をお持ちの方は、iPhone 14(または上位モデル)への買い替えに満足出来るはずです。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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