何度も繰り返し述べてきましたが、ウェアラブルデバイスにおける1番の課題は、人々がそれを”着用”したくないと考えているということです。しかし、(少なくとも一部の)人々にそれを楽しんでもらうことが出来たらどうでしょうか?韓国の大田にある韓国科学技術院(KAIST)の研究チームが取り組んでいるのが正にそれで、彼らは電子タトゥーインクを開発しています。

遠目で見ると、一般的なグレーのインクに見えますが、それはカーボンナノチューブと液体金属で出来ており、本質的には生体電極です。韓国語ですが、こちらでより詳しい情報をご覧頂けます。

これにより、心拍数や汗のバイオマーカー、おそらくそれ以外にも多くの情報をモニタリングすることが可能になります。内部の金属が加熱されることで、理学療法効果が得られる可能性もあります(血管を拡張し、より多くの血液を運んで治療を促進します)。

このインクの長所は、パッチや外部センサーと比較して、皮膚に近いという点です。そのため、”着用する”のが最も快適であるだけでなく、精度の観点からもより魅力的である可能性があります。しかし、その点についての説明はされていません。

そのインクは人体に無害な材料から作られており、新しいデザインに変更したい場合やそれを消したい場合には石鹸で洗い流すことが出来る、と科学者達は説明しています。

正確には、近くで見ると”タトゥー”というより、肌に塗った絵の具に似ています。科学者は、タトゥーを彫る代わりに、肌の表面に電子回路を描いたのです。しかし、これはウェアラブルデバイスの着用を促す、より魅力的な謳い文句となるでしょう。

ここでの主な利点はユーザーの快適さであり、そこから臨床応用にも恩恵があるかもしれません。少なくとも、そうなれば良いと願っています。イスラエルアメリカ等、世界中の様々な研究チームが同様のコンセプトに取り組んでいます。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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