皆さんこんにちは。河上 純二 a.k.a JJです。
今回はIVS2022NAHAに参加したレポートを公開します。
オープニング・セッション「どうなる世界〜日本はどう生き残るのか?〜」
後半は、どこに投資が集まるのかという、どうやったら投資先に選んでもらいやすい状態になるのかというテーマ。今の市場感について最後にお三方に語っていただきました。
皆さんの見解としては、今までのスタートアップ業界・界隈が作り出した常識が通用しなくなってくるフェーズに入ってきているとの事。その方向性がどっちなのか、今の段階で分かっている人と、分かってない人で、明確にこの10年で差が出てくるという意見が印象的でした。
アメリカを含めた世界の流れ、そして自分より下の世代がどうなっているかに目向ける時期のようです。
テーマ:「ボトムライン注視経営」時代、どこに投資が集まるのか?
〜地に足のついたスタートアップとは?
キャシー松井さん
私たちの仮説は、昔はサステナビリティーあるいはESG投資で、世の中的に良い事をしているかなという事は、端的に言うとちょっと低めの期待値になっていましたが、逆に将来、明るい未来をつくるためにどういうビジネスモデル、どういう技術が必要なのか、どういう社会義務が必要なのかが重要。
こういうところって、自分の組織に参加しているメンバーの利益の尺度やものさしだけではなく、その組織が属しているコミュニティーとか、社会に与えているインパクトも同時に測らないと、もう成り立てないと思っています。
我々がなぜESG重視型のファンドを作ったかと言いますと、将来、何が一番伸びるかといいますと、若者世代の意識が全面的に変わっているなという気がします。
自分の娘が22歳になったんですけど、ずっととある服のブランドをEコマースで買っていたのが、ある日そのブランドの社長の発言、twitterのツイートだったと思うんですが、人種差別的な発言した途端に、彼女を含む全ての友達が、そのブランド(会社)から服を買わなくなりました。
こういう行為って、私とか千葉さんの世代から見ると、かなりキツイなと思うんですけど、これを今の世の中的に言うと、この傾向がますます強くなるかなと思っております。
すごく私はoptimist、つまり楽観者です。この世代は世の中変えていくと思いますし、いろんなソリューション、いろんな解決策も考えていくことをすごく楽しみしています。
千葉功太郎さん
原点回帰で、やっぱり本質的な何か社会、世界、地域、業界の課題を解決しようとしており、それがテクノロジーに裏打ちされたしっかりとしたプロダクト、ものづくり。
ものづくりと言っている表現もハードウエアもあれば、デジタルもあると思うんですけど、しっかりとテクノロジーで裏打ちされている事にこれをつくるんだと。これを創り切ることでその課題が解決されるんだという、ほんとに長期でやることっていうものに自分はやっぱり投資したいなと思って。
これちょっとふわっとした言い方をしているんですけど、僕が投資をするときに改めて最近思っているのが、その人は一生それをやってくれるか。それって言っているのはそのプロダクトじゃなくていいです。そのテーマを一生やってくれるかなって最近すごく良く見るようしていて、やっぱり長くかかるんですよ。ほんとにこういう時代って、思ったよりもたぶんそんな早くうまくいかないし、じっくりと腰を据えてやっていかなくちゃいけないし、あとピボットじゃないですけど、手を替え品を替えチャレンジしていかなくちゃいけない時代の中で、もがくために、あちこち全然自分の領域じゃないところを手出しするよりも、自分が一生やりたい何か、自分の生まれ持った背景から来る情熱をぶつけられるものというのを取り組んでいる方というのは、やっぱりどんな状況でも強いなって改めて思っています。
そういう人たちは諦めないので、見た目違うプロダクトやっているけど、実は、根っこは自分の起業家のポリシーを貫いているし、ものづくりに対する情熱も深いものだと思っているので、ここに深いと書いてありますけど、やっぱり地に足がついているというところを逆に良く見るようにしています。
佐藤航陽さん
今までは、業界の覇者にお金が集まっていたのが、今後は完全に新しい価値観、考え方、新しい取り組みをしているところにお金が集まるんじゃないかなと思いましたね。
コロナの影響もあったのですが、スタートアップ経営は必要最低限のスモールで実現出来るようになってきています。。
本当にキレイなオフィスは必要なのか?タワービルに入る必要があるのか?ピカピカの経歴でメンバーを固める必要があるのか?
いまの時代に最適化された、経営が出来る時代になりました。
本当に今やっていることが必要なのか?を見直すとボトムライン注視経営になっていくんだと思います。
今まで自分が信じた価値観を見直して精査していく事が出来る会社が、今後は成功していくんだろうと思います。