Samsungは、お手頃な価格帯をターゲットにした超高精細カメラセンサーを発表し続けています。同社は、2億画素という非常に小さなセンシングピクセルを備えた「Samsung ISOCELL HP3」を発表しました。ここで重要なのは、ピクセルが小さいほど写真を撮影することが難しくなるので、必ずしも良いとは限らないということです。
各ピクセルは0.56μmと非常に小さいため、4個のピクセルを1つとした50MP(1.12μmピクセル)、16個のピクセルを1つとした12.5MP(2.24μmピクセル)のピクセルビニング技術に対応しています。
このセンサーは、4相の位相検出オートフォーカスを備えていることも非常に印象的です。
2×2の隣接する4つのピクセルを使用して、非常に小さなマイクロレンズが位相差を検出します。
Samsungは、先程紹介したピクセルビニング機能を「Tetra pixel」と呼んでいますが、その原理は従来の技術と同じです。センサーメーカー毎に実装方法は異なり、おそらく知的財産またはマーケティングが理由で、それぞれのブランドとなっています。
16個の0.56μmピクセルを1つにまとめた仮想2.24μmピクセルは、物理的に1つの2.24μmピクセルとは同じではないことを理解することが重要です。これは、それぞれの0.56μmピクセルが電子機器を必要としており、それによってチップの検出領域の一部が失われる可能性があるからです。ピクセル数が多いほど、配線が増え、それによってセンサー領域を消費してしまう可能性があります。
追加の電子部品によって、センサーの性能に影響を与える可能性のある電子ノイズが発生する確率が上昇します。より小さなピクセルは、センサーのダイナミックレンジにも影響を与える可能性がありますが、幸いなことに、焦点合成を使ってより多くのHDRフレームを捕らえることで相殺されます。
過去には、0.7 μmピクセルのセンサーのいくつかで性能低下が見られたので、Samsungの新型センサーも同様の問題にぶつかるのではないかと思います。
この今までにない小ささのピクセルによって、スマートフォンメーカーは超高精細なカメラを備えたスマートフォンを安価で投入することが出来るようになります。とは言え、特に低照度の場合に、同様の画質向上が見られるかどうかは、まだわかりません。
それでも、使用場所によっては、このセンサーは同じ価格帯の従来のセンサーよりも良い可能性があります。例えば、これまでは実現出来なかった廉価スマートフォンでの8K(もしくは4Kスローモーション)撮影が可能になります。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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