皆さんこんにちは。河上 純二 a.k.a JJです。

世界を変えるスタートアップ企業にフォーカスした最新レポートをお届けします。第22回目は製造業のDX「スマートファクトリー」で新しい価値・ビジネスを創造し日本が再び世界をリードする日を実現させる「Team Cross FA」プロデュース統括である天野 眞也さんにお話を伺います。


第4次産業革命=インダストリー4.0は日本の勝機

歴史をひも解いてみると、産業革命でイニシアチブをとった国がその後の世界の経済を牽引しているという事実があります。現在、「第4次産業革命」の動きが急速に広まっています。

第4次産業革命=インダストリー4.0」とは、「IoT(Internet of Things)」、「ビッグデータ」、「人工知能(AI)」、「ロボット」等による技術革新によって、産業構造を転換しようとする取り組みのことです。私達の日本はそんな時代の中、どこで何をしていくのでしょうか?

日本の生産技術と製造技術は世界でもトップレベルです。そしてデジタル(データ)とフィジカル(製造現場)のすり合わせの技術も強みです。さらに、自動車、バイク、複合機といった部品点数が多く複雑なもの、技術力が求められることに日本は強いです。

グローバルで価格競争が激化している分野ですが、産業用ロボット分野では日本は世界的シェアが高い状況です。
太陽光技術も日本はトップクラスで、再生エネルギーの分野も強いです。全体サイクルもふくめたスマートファクトリー化において、日本は勝機があると強く感じています。


製造業を取り巻く環境の変化について

現在の日本の製造業を取り巻く環境について少しお話しましょう。

リーマンショック以後の経済、そして地球温暖化による自然災害の影響で不安定な経済状態が続いています。不確実性が高まり先が見通せない状況が続いています。

その中で日本の製造業の設備投資額は伸びているのですが、この投資は古い機器の保守メンテに使われていて、新しい設備の導入には至っていないというデータがあります。このままでは製造業は悪循環に突入しています。

設計開発のリードタイムは技術の進歩とともにどんどん早まってはいますが、実はデジタル化がなかなか進んでおらず、さらには慢性的な人手不足でもあります。人がいなくて製造ラインを止めたりしている工場もあります。

こういった世界情勢、市場に対応して企業にもとめられていることは、ダイナミックケーパビリティ=臨機応変に変革していく力です。そのためにはDX(デジタルトランスフォーメーション)推進は必要不可欠です。

そんな我々の「Team Cross FA」は製造業DXを実現する企業コンソーシアムです。モノじゃなくてスマートファクトリーを世界に輸出し、世界を日本がリードする存在になり、そして製造業に憧れる人を増やすために2019年設立されました。


ノウハウを言語化しましょう。それが「DX」

これからは、生産性余剰ではなく消費者余剰を狙っていかないといけません。エンドユーザーは工場の生産性なんなんて気にしないんですよね。ユーザーは常に自分のために作られた製品が欲しいのです。

ドイツなんかを見ると、どういうポジショニングをとるか?というのが明確な工場になっていてとても興味深いです。例えばBMWなんかは、車のボディカラーリング工場がありそこで様々な車体のカラーを選び塗装を行い納車もそこで行います。工場がそのままショウケースにもなっていて顧客との接点をつくっています。BMW=高級車というブランディングに成功しています。
DXをつかってどう成功するのか?というのがまず一番大切になります。

同じモノを大量に作る時代はよかったけど、いまはそうではないです。人間は何でもできるので、人間の作業に近いラインを作り、そこで何でもできる製造ラインを実現することが理想です。
となると、データが主導して制御できるようにするというのがポイントになります。

まず、我々は言語化されていないところ、例えば工程設計などをすべて言語化するところから始めます。
例えば、「ネジを締める」 という作業工程を「32回転して、止まったところからトルク15キロの力で10.5度回してください。」というように、細かく言語化します。

全て言語化することで、工程のデジタル化ができ、シュミレーションできるようになります。そうすると、実際に工場や製品を作る前の製品設計、生産設計、生産設備を全てデジタル空間上でシュミレーションすることが出来るようになります。


*実際のロボットの作業を見学。カメラで画像処理して部品を見分けている。どんな種類のものがきても、プログラムの変更でロボットが処理対応できるようになっている。


*ロボット、カメラ、AI、ARを駆使してロボットが作業工程を実施。従来のコンベヤ方式にくらべて非常にフレキシブルに稼働している。


*事前の生産シミュレーションの様子


DXで製造業をカッコいい世界にしたい

DX化することで生産効率があがるのはもちろんなんですが、もう1つ、もっと面白くしていきたいという想いがあります。
それは「製造業ってカッコいい!」という人を増やしたいです。

そもそもなんで製造業って人気無くなっちゃったのでしょう?なんで面白く無くなっちゃったんでしょうか?
それは、自分のやっている仕事が、社会のなんの役に立っているか?どういった製品になるのか?さらには、これを続けていて自分が金持ちになるかどうか?すらもよくわからないのが今の状況です。これをなんとか変えていきたいです。

デジタル技術になることで、部品設計をしているときにどういう工程でどういう工場でつくるのかがわかります。
デジタルは今までつながらなかった人やモノをつなげてくれるのです。デジタルファクトリーデザイナーが年収1億円プレイヤーとなる世界を作りたいです。

そして我々は福島県南相馬町に、スマートファクトリーを2021年5月完成予定です。
ここを見てもらえれば私達が実現したいことの全てがわかりますし、実際の生産ラインの状態を可視化して見る事ができます。

これで世の中が一気にかわっていく可能性があると感じています。




「エネルギーとスマートファクトリーの両軸を実現したサステイナブルなスマートファクトリー技術で、日本が再び世界を牽引していきます。」
Team Cross FA
プロデュース統括 天野 眞也
https://connected-engineering.com/



■河上 純二 a.k.a JJプロフィール

ビジネスプロデューサー/パーソナリティ/モデレータ
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