皆さんこんにちは。河上 純二 a.k.a JJです。

世界を変えるスタートアップ企業にフォーカスした最新レポートをお届けします。第18回目は、アパレル業界を生産からマーケティングまでテクノロジーで変える、株式会社GOOD VIBES ONLY代表取締役である野田 貴司(のだ たかし)さんにお話を伺います。


アパレル業界で新しいカルチャーを創造したい

2006年の時、前職の会社でD2C (Direct to Consumer)型のアパレルブランドを、まだ無名のSHOP店員を起用して立ち上げた経験がありました。
まだ当時はInstagramなどのSNSもメインストリームではなかったので、かなり無謀な挑戦だったと思います。

ありがたいことにゼロから30億規模までにブランドは成長したのですが、売上が大きくなればなるほど、ブランドのバリュエーション(価値)が下がるという事態が発生しました。
ブランドの売上を生むために在庫がどんどん積み上がっていき、在庫リスクがどんどん増えていったのです。

ある意味本末転倒というか、なにか仕組みを根底から変えないといけないと強く思い今の会社を始めました。

社名は「Good Vibes Only
アパレル業界は見えない背景が非常に多いと感じていたので、それを透明化したい。そしてなにより、楽しむことを忘れずに、アパレル業界のDXを推進することを目標としています。
Good Vibes」な世界に、「Only」という僕らの価値をつけ、若い人の耳に残りやすい、若い子向けに盛り上がっているイメージを与え続けたいという想いがあります。


サステイナブルなアパレル業界を創る

私たちの事業は
・衣料のロスをなくす。
・無駄な生産をなくす。

というアパレル業界で普通に起きている2つの問題を解決するところから入りました。

今の時代、SNSでお客様とブランドが直接コミュニケーションを取ることができるので、お客様に購入数を決めてもらうという発想をしました。これは受注予測となり不要な在庫が増えることも改善されると考えました。
また、廃棄につながる不要なサンプルを作らなくて良い方法はないか?と考えた結果、洋服は本物である必要がないのではという結論に行き着き、SNSやWEBのバーチャル空間で見ることができるように、CGアパレルを作りました。

この2つのソリューションを組み合わせることで、1枚もサンプルをあげることなく、そして受注予測をもとに販売まで実現しています。
これにより、受注生産、受注予測でのリードタイムの短縮もさることながら、ファイナンス的にもキャッシュ・コンバージョン・サイクルをかなり短くすることも実現できます。


ブランド名:Elenore
パターンのデータサンプル


ブランド名:Elenore
パターンデータから作られたCGサンプル


D2C(Direct to Consumer)で大切にしている事

D2Cブランドを始めるときは、まずインフルエンサーをしっかり育てるフェーズからはいっていきます。彼女のフォロワーをどうしたら伸ばせるか?を徹底的に考えて実行します。

ある程度フォロワーが集まった段階で、このインフルエンサーから洋服が何着売れか?をあらかじめ予測できる数値ロジックをも作りました。
そこから、月商400万、年商5,000万くらいの売上規模のブランドであれば、その後は確実に黒字化できることも実証しました。最低限このラインを目指してビジネスを推進しています。

でも、実際にはP2C(Person to Consumer)の状態で、人に依存している状態ではブランドはスケールしません。
そこで、人からブランド、P2CからD2Cへの移行を2年の間にやることが重要と考えています。

たとえば、最初は彼女たちを「インフルエンサー」として見せていくのですが、その課程で「ファッションデザイナー」や「ファッションブランド経営者」といったようなブランドの裏側の要素を持ってきて、ブランディングをかけていきます。


D2C&Co.株式会社(丸井グループ子会社)と資本業務提携

来春にはリアル(体験)な場所として、AR、CGを組み込んだ体験型店舗の出店を行なう予定です。

今までの店舗の在り方を再定義する仕組みや、アパレル生産工程の開示、コスト公開など、今までお洋服を購入する上で体験できなかった事を、体験できる場所として活用する予定です。

それに合わせて僕らのCGや、デジタルでつくられたバーチャルアパレルなどを見てもらいながら、アパレル業界を知り、未来のアパレル業界がどうなっていくのかを伝えようと考えています。

そして同時に店舗在り方の再定義はショップ店員(労働者)も同じです。
オンライン接客を軸としたLIVEコマース事業を展開しており、今後は店舗に出勤する事なくオンライン上で出勤、接客をする事を可能にする仕組み作りも行なっていく予定です。

この取り組みはコロナ情勢による人員削減等で働く事が難しくなったショップ店員の新しい働き方を生み出す事も目的としており、更に出産や子育て等の理由により長時間の出勤が難しい方に対しても自宅にいながら働く事ができる新しい雇用の仕組みを作り出します。




「人のファンをブランドデザインのファンに変えていく。これがD2Cブランドを進めるうえで大事な事です。」
株式会社 GOOD VIBES ONLY
代表取締役 野田 貴司

https://goodvibesonly.jp/



■河上 純二 a.k.a JJプロフィール

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