Galaxy Note 10はSamsungの2019年最もパワフルな端末で、購入を検討するユーザーはカメラ性能に最も期待しています。われわれはGalaxy S10+のカメラとiPhone XS Max、Huawei P30Proなどで性能を比較してみました。

IQ(画像品質)スコア:178点

主なカメラスペック

Galaxy Note 10のリアカメラのハードウェアシステムは、Galaxy S10のカメラシステムとほぼ同じですが、ズームカメラにはわずかな違いがあり、Samsungのカメラチームはカメラのチューニングをわずかに変更しています。

Note 10+の特徴は、通常のNote 10にはない深度センサーが搭載されていることです。しかし、ボケはUbergizmoのスコア要因としてはカウントしていないので、スコアには反映していません。

Galaxy Note 10/Note 10+の3眼リアカメラ

・メインレンズ:26mm, f/1.5, 1200万画素, OIS, デュアルピクセル像面位相差AF
・ズームレンズ:52mm, f/2.1, 1200万画素, OIS
・超広角レンズ:13mm, f/2.2, 1600万画素
・深度センサー:(Note 10+のみ)

画像品質の解析

注:本記事中で使う用語についての説明です。
・イメージプロセッシング:画像データ品質を向上するソフトウェア処理
・イメージフィルタリング:写真の美的スタイルを変えるソフトウェア処理
・コンテキストフォト:われわれが肉眼で見ているイメージ
実際のシーンはどれほど暗いかなど
写真の「文脈性」のみを評価=品質のベンチマークではありません

Ubergizmoのカメラ品質ベンチマークについての注意事項:このカメラスコアシステムは、日中、夜間、ズーム、超広角の写真という4つの柱に基づいて評価しています。

日中の写真

コンテキストフォト

ノイズリダクションのイメージフィルタリングが追加された副産物として、Galaxy Note 10はS10+よりも全体的にノイズがわずかに少ないですが、比較すべきところを知らないとその差はとても微妙です。人によってはNote 10の写真の方がエアブラシっぽさを感じるかもしれません。トリミングした等倍写真を見てみましょう。

Note 10+
S10+

当然のことながら、Note 10の性能は、すでに素晴らしい性能であるS10+とほぼ同等です。きれいな色でシャープな写真を撮影できています。細かく見ていくと、Note 10ではコントラストと彩度がより強めになっており、S10+に比べてイメージフィルタリングを強化していることが分かります。

P30Pro

上の写真:Huawei P30Proは色合いは良いですが解像度が低いため、テクスチャやディティールに影響しています。例えば、カーテンと家の玄関ドアを見るとディティールが失われています。

iPhone XS

上の写真:iPhone XSは木の葉といったテクスチャの描写がきれいで、より自然な写真になっています。その代わり、ノイズも増えています。

Galaxy Note 10、Galaxy S10+、Huawei P30Pro、iPhone XSのカメラの違いはあまり大きくはありません。というのも、これらのスマートフォンは日中の撮影で最高のパフォーマンスを発揮できるからで、違いと言えばカラーフィルターとイメージフィルターのチューニングといった違い程度。

やや廉価なZTE Axon 10 ProとNote 10を比較すると、廉価帯のスマホがハイエンドモデルと競争するのが容易ではないことがわかります。

Axon 10 Pro

見れば分かる通り、約550ドルのAxon 10 Proでは暗所のディティールをうまく捉えられていません。これはHDR性能がその他のハイエンドスマホに匹敵していないということです。

コンテキストフォト

イメージフィルタの「スタイル」の違いを見るため、上の写真を考えてみます。日没の少し前に撮影されたもので、微妙な光のグラデーションに混ざり合った植物、土、岩の色が魅力的に映ります。下の写真では、スマートフォンのイメージフィルタリングとアグレッシブなHDRが、写真の雰囲気をどのように変化させるかを見ることができます。

iPhone XS

上の写真:iPhone XSは光をやや均等化しているので、光のグラデーションの一部が除去されています。

Note 10
P30Pro

しかし、Galaxy Note 10もHuawei P30Proも、全く異なるレベルに写真を引き上げ、昼間に撮影したかのように、暖かい日光の色を取り除き、影をほぼなかったかのようにしています。画像自体は満足のいくものかもしれませんが、シーンの「ムード」を写し取ることが目的の場合は、うまく撮れているとはいえません。

ノイズやディティールはもちろんほとんど問題ありませんが、どのスマホメーカーもどんどんフィルタリングを適用している以上は、どの写真スタイルが自分の好みかということになるでしょう。

夜の撮影

夜間の撮影では、Galaxy Note 10のカメラの進化はさらに明白になります。例えばこのシーンでは、Galaxy Note 10とS10との違いが分かります。まず、このシーンが実際にはどのように見えているかコンテキストフォトを示します:

コンテキストフォト
Note 10
S10

上の写真:一見したところ、Galaxy Note 10のスタイルは露光を上げて明るくすることで、街灯の暖色を犠牲にしているように見えます。その点で、S10の写真を好む人もいるでしょう。

P30Pro

上の写真:Huawei P30Proは人工的に明るさを上げるイメージフィルタリングを使用しており(より明るいことがより良いわけではありませんが)、一方でサムスンは相対的にそれほどフィルタを適用していないことが分かります。GoogleのPixel 3もかなりのフィルタリングをかけていますが、また異なったスタイルで、どんなものかはPixel 3のカメラレビューページで見てみてください。

iPhone XS

iPhoneユーザーにとっては悲しいことに、XSは発色やディティールをうまく表現できていません。くすんだ色や道路の質感からそれが分かります。

下の写真は、P30ProとNote 10のノイズとディティールの違いを見ることができます。車のフロントや玄関右側の番地などを見てみてください。

コンテキストフォト

見比べてみると違いは明白です。ハローのような人工的なコントラストが玄関前上部の木の柵に見られます。この白いハローは「リンギング」と呼ばれ、コントラストが高いように目を錯覚させるためのものです。

Note 10
S10

過剰なリンギングは実際の画像データを壊し、写真を劣化させる恐れがあります。

P30Pro

上記のような通常の暗いシーンでは、Galaxy Note 10はHuawei P30Proよりも低いISO(1200 vs. 3200)とやや高い解像度(16MP vs. 10MP)を使用するため、ディティールがきれいになり、ノイズも少なくなります。繰り返しになりますが、P30Proの10MPの解像度では、細かいディティールで多少不利です。ドアの右側や車のヘッドライトでそれが見て取れます。

iPhone XS

逆に、iPhone XSはフィルタリングは少ないですが、光の感度が低く、結果としてノイジーでディティールやテクスチャが欠けた写真になっています。iPhone 11と比較するとまた結果は変わってくるかもしれません。

0.1Lux程度の超低輝度では、Galaxy Note 10、S10+ともにかなり持ちこたえていますが、S10+の方がわずかに良い色を出しています。

コンテキストフォト
Note 10
S10

Huawei P30Proは全体的な発色が良い感じですが、全体的に明るくしようとしているのも感じられ、ノイズ除去に相当のフィルタが使われているのが分かります。

P30Pro

サムスンのチューニングはある程度のノイズを残しながら、より自然な写真を作る方向性です。最後に、iPhone XSを見ると、ノイジーで元の発色も残っていません。

iPhone XS

照度を計測できないほどの暗闇では、Huawei P30Proは「ナイトビジョン」モードに切り替わり、超高感度ISOと優れたノイズリダクション機能を利用します(色が紫がかってしまうとしても)。この点では他に勝るスマホはなく、技術的には素晴らしいものです。ただ、それほどの暗闇の状況で写真を撮る人がどれほどいるのかは分かりませんが。

ともあれ、以下はP30ProとS10の比較です。Note 10もS10とほぼ同様の結果です。

P30Pro
S10

超広角写真

コンテキストフォト

日中、Galaxy Note 10はS10と同様に、超広角で素晴らしい品質の写真を撮影できます。

Note 10
S10

さらにサムスンは彩度を上げるチューニングを施していますが、コントラストのレベルはほぼ同じのため、あまり変化は見られません。全体として、Galaxy Note 10の超広角カメラはHuawei P30ProやMate 20 Pro(これらには周辺に色収差が見られる)といった比較対象よりも色や光学性能で高い品質があるといえます。

P30Pro
Honor 20 Pro

iPhone XSやPixel 3は超広角レンズを搭載していないので、LG G8(おそらくはLG V50も)は超広角レンズの比較でのライバルになるでしょう(レビュー当時iPhone 11は発表されていませんでした)。サムスンの超広角写真は優れた色再現で、レンズの歪みが問題となる周辺も鮮明に写しています。

ファーウェイはP30Pro以来、超広角写真を改善しており、Honor 20 Proにもその努力を見ることができます。

夜間の超広角撮影では、Note 10がP30Proに勝っています。より広角であるにもかかわらず、良い品質の撮影だといえます。

コンテキストフォト

S10+と比べると、Note 10の超広角カメラは、シーンを自然に見せるチューニングの恩恵を受けているといえます。このアップデートはS9+からNote 9への改善にとてもよく似ています。

Note 10
P30Pro
S10

ズーム性能

コンテキストフォト
コンテキストフォト(等倍)

Note 10のズーム性能はびっくりするようなものではありません。

S10+と比べると、繰り返しになりますが、イメージフィルタリングで彩度やシャープネスを上げているのが分かりますが、画像品質はそれによって目に見えて上がっているようには見えません。このフィルタはあくまで「スタイル」なのでしょう。

Note 10
S10

アルゴリズムでがんばっても、光学ズームに勝てる道理はありません。P30Proと比べるのはいうまでもありませんが、より廉価なHonor 20 Proでもすでに2倍ズームで勝っているのが分かります。

Honor 20 Pro

まとめとカメラ品質スコア

最も優れた超広角カメラ
IQ(画像品質)スコア:178点
各項目のスコア

画質の点では、Galaxy Note 10はS10+にとても近く、どちらも優れたスマートフォンカメラで、ハイエンド帯で非常に競争力があるといえます。

イメージフィルタリングの変更は、ユーザーによって好みが分かれそうです。もしあまりフィルタリングがない方がいいのであれば、S10+の方が魅力的に写るでしょう。ここまで見てきた中で特にNote 10が優れているといえるのは、夜間の超広角撮影です。

フィルタリングを好まないのなら、日中の写真ではiPhone XSがベスト。しかし、夜間や超広角では他に劣っています。iPhone 11で比べるとまた別の結果になるかもしれません。

イメージフィルタリングをかなり掛けていることは置いておいても、サムスンは発色の面でいい仕事をしており、Huaweiのような予期しない発色はしません。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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