2026年のCESで、Hisenseは次世代レーザープロジェクター「Laser Home Cinema」シリーズを発表し、大画面ディスプレイ市場への本気度を強く印象づけた。2014年にレーザープロジェクター事業へ参入して以来、同社は色再現性と没入感を重視した製品開発を進めており、その中核となるのが2019年に導入した独自の「TriChroma(トリクロマ)レーザー技術」だ。

今回のCESでは、そのトリクロマ技術を進化させた2モデル「XR10」と「PX4-PRO」が披露された。いずれも65〜最大300インチという幅広い投写サイズに対応し、専用ホームシアターから一般的なリビングまで、柔軟な設置環境を想定している。
上位モデルとなるXR10は、純RGBのトリプルレーザー光源と新世代の「LPU 3.0 デジタルレーザーエンジン」を搭載。最大6000ANSIルーメンという高輝度を実現し、明るい部屋でも映画館のような映像体験を可能にする。16枚構成のオールガラスレンズや、周囲光に応じて露出を制御する新しいIRISシステムにより、最大6000:1のコントラストと安定した画質を両立した点も特徴だ。また、完全密閉型の液冷システムを採用することで、長時間使用時の熱問題にも配慮されている。
一方のPX4-PROは、よりカジュアルなホームシアター向けの超短焦点モデル。最大200インチ、4K解像度、3500ANSIルーメンの明るさを備え、省スペースで設置できる設計が特徴だ。IMAX Enhanced認証や低遅延設計により、映画鑑賞だけでなくゲーム用途も視野に入れている。
ハイセンスは今回の展示を通じて、レーザー投写とマルチプライマリーカラーを差別化軸とし、「テレビの延長」ではない新しい大画面体験を提案している。高級志向からリビング向けまでを網羅する製品展開は、レーザーホームシネマの本格的な普及を見据えた戦略と言えそうだ。























