中国のEV市場に、驚異的な価格と革新的な技術を兼ね備えた新モデル「Aion UT Super」が登場した。GAC Group、CATL、そしてJD.comが共同で開発した本モデルは、約5,400ドル(約50万円台)という破格の車両価格と、わずか99秒で完了するバッテリー交換機能を最大の武器に、低コストかつスマートな都市型モビリティを再定義する存在となっている。

販売はJD.com限定で行われ、ユーザーは車体のみを購入し、バッテリーを**月額50ユーロ(約54ドル)**でレンタルする方式と、車体+バッテリーを合わせて約10,800ドルで購入する方式を選択できる。この“所有の柔軟性”は、初期費用の壁が高いEV導入を後押しする仕組みとして注目される。

デザインは2020年モデル「Aion UT」を踏襲したコンパクトハッチバックで、4.2mの全長と2.7mのホイールベースにより、外観以上の室内空間を確保。フロントには四点式LEDヘッドライトや斜めのエアインテークを配置し、若年層を意識したスポーティな印象を与える。ボディカラーは「モネパープル」と「シャンゼリゼベージュ」の2色を展開。

インテリアは最新のデジタル体験に寄せた“ミニマル×テック”仕様。8.8インチのデジタルメーターと14.6インチの大型タッチスクリーンを搭載し、Huawei Cloudと連携した音声AIや、HarmonyOS・Apple・Androidの各OSとの高い互換性を備える。シートは180度リクライニング、540°パノラマカメラ、駐車センサーなど、価格以上の快適装備も魅力だ。

パワートレインは100kW(134hp)のモーターとCATL製LFPバッテリーを組み合わせ、CLTC基準で500kmの航続距離を確保。とはいえ、本モデルの最重要ポイントは、やはり99秒バッテリースワップである。これにより“充電待ちゼロ”を実現し、EV最大の不満点である「充電時間」を根本から解決するアプローチとして、国際的に大きな注目を集めている。
超低価格・優れた実用性・革新的なスワップ技術を兼ね備えたAion UT Superは、中国が次のEV競争を主導する上で象徴的な存在になりつつある。






















