Google は 2025年9月、クリエイティブなアイデア発展を支援する実験的ツール Mixboard を発表しました。現在は米国限定でパブリックベータとして提供中で、Google Labs を通じてアクセス可能です。Mixboard はムードボード(ビジュアルアイデア集)と AI を組み合わせた構成で、従来の Pinterest や Canva 的な使い方に、創造性と対話的要素を加えたものとして位置づけられています。

🧩 どう動く?:プロンプト → 画像・配置・配色の自動生成
•Mixboard では、出発点としてテキストプロンプト(例:「コージーなミニマルワークスペース」「秋テーマの部屋」など)を入力すると、AI によって 画像・配色パレット・テキスト要素 が自動生成されます。プロンプト例をもとに、イメージ・レイアウト案・補助テキストが並ぶ “板(ボード)” が仕立てられます。 
•また、ユーザーは自前の画像をアップロードし、AI による拡張やスタイル統一を加えることも可能です。ボード上の要素を選んで「これをもっと明るく」「この二つを組み合わせて」など自然文で命令を出すと、自動で調整されます。 
•さらに、ワンクリックで “再生成 (Regenerate)” や “もっとこういう感じ (More Like This)” といった選択肢が提示され、異なるバリエーションを瞬時に試せる設計です。 

🛠 技術基盤:Gemini + Nano Banana
•Mixboard の AI モデルには Gemini 2.5 Flash が採用され、画像生成・編集基盤として、Google 独自の “Nano Banana” エンジンを組み合わせています。Nano Banana は、テキスト命令での微調整やスタイル変換に強みを持つ設計です。 
•これにより、ユーザーは「要素間の統合・補正・変形」を直感的に行いつつ、全体のイメージを構築できるようになっており、静的なムードボードにとどまらない “共創的” プロセスが可能となります。 

✨ 他ツールとの違い・狙いどころ
•Mixboard が競合と異なるのは、AI が “発想段階” に介入する点です。多くのデザインツールは生成後の編集支援に重きを置きますが、Mixboard は最初のアイデア出しから AI を活用する設計です。 
•したがって、あくまで「構想段階用ツール」として位置づけられており、Photoshop や Illustrator のような詳細作業や最終デザインには向かないと開発側も言及しています。 
•現在は米国限定ベータ提供中ですが、将来的には他国展開や、より高度な編集機能・コラボレーション機能拡張などが見込まれています。 

✅ 総評:AI 創造支援の入口としての可能性
Google Mixboard は、「思いつき → 視覚イメージ化 → 発展」へのフローを滑らかにする AI ツールです。ムードボード作成という発想プロセスに、対話型 AI を融合させた点が革新的です。
ただし、現時点では実験段階であり、画像クオリティやスタイル整合性、他国対応や編集の柔軟性など、改善の余地も大きく残っています。とはいえ、ガジェット・創作系読者にとって、創造体験の未来を垣間見るツールとして強く注目に値する存在です。今後のアップデート・ユーザーフィードバック対応に期待したいところです。