韓国のスタートアップ LINSOL が開発した「Acoustic Eye」は、カメラやレーダーが苦手とする“小型ドローン”や“微小な音の発生源”を、音を「聴いて」検知し、リアルタイム警告・対処する革新デバイスです。カメラの死角やレーダーの混雑下でも動作し、都市や住宅などでのセキュリティ補強に特化しています。
🔍 見えなくても「音」で察知する仕組み
•超音波と可聴域のマルチチャネルセンサーで、小型のドローンのプロペラ音や工場内の異音も、最大約500ヤード（約457m）先から検出します。
•AIビームフォーミングによって、背景の雑音から目的の音のみを分離し、高精度で識別。
•META構造を利用した音増幅技術により、従来のマイクの最大8倍まで微弱音を増幅でき、小型ステルスドローンも見逃しません。
🔧 ユーザー導入のハードルを下げる設計
•窓ガラスに強力磁石で貼るだけ, 工具不要の簡単設置。
•設置後すぐに動作可能で、ガラスを傷つけず住宅へのダメージなし。
•通信や設定も不要で、アプリ経由でリアルタイムアラートが受け取れる仕様です。
📱 通知と妨害機能を一体設計
•異常音を検知すると、スマホアプリや屋内ディスプレイに即通知されます。
•必要に応じてジャミング（妨害）機能をオンにし、周波数帯で不正ドローンの侵入を阻止することも可能。
🏗️ 従来技術との明確な差別化
•レーダーは小さなドローンと鳥などを識別できず、誤検知・見逃しが起こりがち。
•RF（無線電波）分析は、電波を発さない自律型ドローンには無力。
•映像カメラは視界や照明に依存し、霧・夜間・建物の陰では機能制限されます。
•Acoustic Eyeは音をベースに全天候・24時間体制で稼働し、既存技術の“漏れ”を補完します。
🚀 背景と今後の展開
•LINSOLは、韓国の防衛大手 Hanwha Aerospace 発のベンチャー企業としてスタート、現在は独立企業として展開。
•すでに工場安全や都市モビリティへの応用製品（例：KARANG-F、Sky Shield など）を製品化済み。
•CES 2026での正式展示が予定され、民間用途から産業・スマートシティへの連携展開が期待されています。
✅ まとめ：「聞くセキュリティ」が導く新しい守り方
•Acoustic Eye は、「見えない危険」＝音を通して検知・対応する防御プラットフォームです。
•カメラやレーダーの死角に対抗できる点、設置の簡便さ、高感度検知の融合により、家庭や施設への導入が現実的。
•防衛グレードの聴覚技術を、いま必要な都市・産業・住宅のセキュリティに落とし込んだモデルとして、音とAIによる可視化されない危険の先手を提供すると言えます。
