東京工業大学とスイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究者が共同で、光を当てると電流が流れるガラスを開発した。東京工業大学とスイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究者は、フェムト秒レーザーを用いてガラス表面に回路をエッチングし、予想外の半導体結晶を作り出した。
この画期的な成果は、1月に米国の科学雑誌『Physical Review Applied』に掲載され、ガラスが半導体のように電流を流すことのできる活性物質に変化することを可能にした。

スイス校の准教授であり、ガラテア研究所の所長であるイヴ・ベルアール氏は、添加物を加えることなく材料を改質できるこの技術を「驚くべき革新的な技術」と評価した。この共同プロジェクトでは、日本の研究所から提供された、光ファイバーの製造に通常使用されるテルライトガラスを使用した。

Bellouardの研究室の学生であるGoezden Torunは、テルライトガラスにフェムト秒レーザーを照射する実験中に、意図せずにこの半導体結晶を作り出した。そして、ガラス表面にレーザーで刻まれた回路が、紫外線と可視光に反応して電流の発生を促したのである。

東京工業大学の岸哲夫准教授は、ガラスを単に光を通すだけの受動的な材料から、半導体のような性質を持つ能動的な材料に変えるという、この技術の変革の可能性を強調した。岸准教授は、実用性を高めるためにガラスの組成を変更し、より軽く、より薄くする可能性を示唆した。

課題は残るものの、研究者たちは、フェムト秒レーザーで変化させたテルライトガラスで部分的に覆われた窓が、クリーンエネルギーの供給源として機能し、化石燃料への依存を減らす可能性があるような、将来の応用を思い描いている。
実用化にはさらなる改良が必要かもしれないが、この開発は持続可能なエネルギー解決に向けた有望な一歩である。