睡眠検出技術で睡眠を解明し、新たな医療を創造するACCELStars【#accelstars】【#アクセルスターズ】

2023.8.14

皆さんこんにちは。河上純二 a.k.a JJです。

世界を変えるスタートアップ企業にフォーカスした最新レポートをお届けします。第45回目は、睡眠検出技術で睡眠を解明し、新たな医療を創造する株式会社ACCLEStars（アクセルスターズ）代表取締役CEOの宮原　禎さん、執行役員の浅野雅之さんにお話を伺いました。

医療寄りのスリープテック企業「ACCELStars」

睡眠を検知し解析、把握することで病気の診断・予防・治療に繋がります。私たちは睡眠検出のサービスとウェアラブル機器を開発提供する会社です。

本来、睡眠は脳波で計測します。
それだと、計測するのも大変ですし、費用も高かく非常にハードルが高いです。もっと簡単に睡眠障害を検知できないか？というところから、わたしたちのビジネスは始まりました。2015年から研究をはじめて、2020年にスタートしたスタートアップです。

執行役員　浅野雅之さん

社名の由来は、寝ているか起きているかを計測するために、ウェアラブルディバイスに搭載されている加速度センサーの「加速度＝Accelerometer」の「ACCEL」から取りました。
そして、様々な職種の中でも「スター」が集まる会社にしたいという思いから「Stars」をいれ、それを組み合わせて社名にしました。

■「創業者／CTOの上田と、代表取締役社長を務める宮原による特別対談」
https://www.accelstars.com/vision/index.html#special

睡眠障害による日本の経済損失は年間15兆円

GDPランク上位国で一番寝れていないのが「日本人」とも言われています。

代表取締役宮原禎さん

私たちの調査によると、睡眠時無呼吸症候群とされる人たちは、日本でも600万人もいて、実際には50万人しか診断されていないという実態がわかりました。
また、何らかの睡眠障害を持っている人は、日本でも2,000万人くらいいる事がわかっています。
私たちが提供している「スリープコンパス」（https://www.accelstars.com/services/）というサービスは、デバイスとソフトウェアからなります。

これを使い、睡眠の計測、症状の把握、服薬の管理、生活習慣の見直しなどを行うために、まずはこのディバイスを睡眠におけるデジタルバイオマーカーにしたいと考えています。
普通は採血したり脳波を測ったりして病気を検知するのと同じように、わたしたちの睡眠計測技術もそのように使いたいと考えています。
現在はまだ医療機器ではないのですが、今後はデータをためて解析し、認証機関に申請して、正式に医療機器として認められるように進めています。

睡眠と生活習慣は密接に繋がっている

睡眠は生活習慣に紐づいています。それこそ睡眠と体内時計は弊社CTOでもある上田教授の専門研究分野です。
睡眠のデータに、生活習慣情報に紐付け分析することで、投薬ではなく生活習慣を改めることで治療が出来ると考えています。

生活習慣と睡眠の関連について、代表的な例をいくつかご紹介します。

まず、アルコール（飲酒）です。アルコールは入眠効果があるのですが、中途覚醒する作用もあります。なので、寝る前の飲酒（寝酒）は禁物です。カロリーや量を適正に接種して夕食の時に飲むと睡眠には効果的です。
あと、日本人には素晴らしい生活習慣があって、それは「入浴」です。
入浴によって体温が上がり、その後体温が下がると睡眠が促進されます。
あとは光も重要です。わたしたちは太陽の光に支配されています。同時に光がわたしたちの体内時計を支配しています。
体内時計には中枢時計（脳）と抹消時計（体全体）の2つがあります。
中枢時計は脳をコントロールしているので、朝日を浴びで体が起き、朝ごはんを食べて、胃や腸に働きかけるといったメカニズムがあります。
なので、一定の光の量を浴びることがとても重要です。本当に朝日は私たちの健康の源です。
食事の時間も重要です。抹消時計は食事に関連しています。夜遅くまで起きていると体が起きてしまい、さらに夜遅くの食事は体を目覚めさせることになり、睡眠には悪影響となります。
もちろん適度な運動も重要ですし、夜寝るときの気持ちも大事です。マインドフルネスをやるとわかるのですが、夜のベッドに入る時の気持ちの持ちようで睡眠の質が変わります。