先日、ソウルで開催されたUnpackedイベントで、Samsungは新型デバイス「Galaxy Z Fold 5」を「Galaxy Z Flip 5」と共に発表しました。これは、市場で最高の折りたたみ式スマートフォンの体験を提供するように設計された、同社の折りたたみ式スマートフォンの最新フラッグシップ製品です。
昨年レビューしたGalaxy Z Fold 4の後継機種であるこの新型デバイスは、隙間の無い新しい「フレックスヒンジ」、より大きくなったベイパーチャンバー、41%薄くなったSペン、より明るい内側のメインディスプレイ、Qualcommの最新プロセッサ「Snapdragon 8 Gen 2」を除けば、前モデルと同様のハードウェア構成となっています。
ユーザーエクスペリエンスの面では、Samsungは「フレックスモード」を強化し、ユーザーがデバイスを半分に折りたたんだ状態で動画を観たり、Google Hangoutで通話したりする際に、より優れたマルチタスクを提供します。
価格と発売時期
Samsungの常として、製品デザインは素晴らしく、しっかりした作りとなっています。再設計されたヒンジのおかげで、このスマートフォンは3月にデビューしたライバル機「Honor Magic Vs」と同様に、折りたたんだ時に隙間がなく、さらに薄くなりました。
Samsung Galaxy Z Fold 5は8月11日にIcy Blue、Phantom Black、Creamの3色で発売予定で、価格は1799.99ドルからとなっています。また、Sペン Fold Editionを使用したい場合には、合わせてSlim S Pen Caseも購入する必要があるでしょう。
予約注文は既に開始されており、対象デバイスを下取りに出すことで1,000ドルの割引とSamsung Care+の30%割引を受けることが出来ます。購入者は、Galaxy Z Fold 5をTab S9シリーズ及びGalaxy Watch 6シリーズとセットで購入することで、最大540ドルも節約可能になります。
ライバル機との比較
6月27日に発売された1,799ドルの「Google Pixel Fold」は、一部のユーザーにとってより適している可能性がある、小型のフォームファクターが特徴です。Z Fold 5に対して、Pixel Foldが持つ最も重要な利点は、5倍光学ズーム(Z Fold 5は3倍)を備えたメインカメラシステムです。一方、Pixel Foldはベゼルが大きく、品質のやや劣る内側メインディスプレイを備えていますが、表示性能は素晴らしいです。
ヒンジの再設計のおかげで、製品デザインの観点では新しいSamsung Galaxy Z Fold 5とHonor Magic Vsは同等に並びました。Z Fold 5のカメラハードウェアはZ Fold 4と全く同じであり、どちらのデバイスもSoCにSnapdragon 8 Gen 2を採用しているため、Magic Vsはカメラにおいて多少有利となっています。
Honor Magic VsのCAMERA HWスコアは161ですが、対するGalaxy Z Fold 4のスコアは155で、Galaxy Z Fold 5も同じく155を記録しています。また、Google Pixel Foldのスコアは166となっています。
UbergizmoのCAMERA HWスコアはリアカメラシステムのみを評価したもので、セルフィーカメラはスコアに影響しませんのでご注意下さい。
Honor Magic Vsは1,599ユーロ(約1,700ドル)で価格競争に勝利しており、66W 急速充電器(40ドル相当)も同梱されているため、デバイスの優位性を高めています。
理論上、Z Fold 5はより明るいメインディスプレイ(1200対800ニト)と、より高いリフレッシュレート(120Hz対90Hz)を実現します。Honor Magic Vsには耐水性の認定がありませんが、これはFold 5のIPX8規格(水深最大1.5mで最大30分間水中に放置しても使用可能)に比べて顕著な弱点と言えます。
新しいフレックスヒンジ設計により折り畳んだ時にスマートフォンがフラットに
Samsungは、スマートフォンを折り畳んだ時の隙間を無くすためにヒンジの設計を全面的に改良し、同じ新機構をGalaxy Z Flip 5にも導入しました。デバイスの薄さは15.8mmから14.98mmに、重さは263gから253gにそれぞれ減少しています。
ディスプレイ
1750ニトのピーク輝度を備えた豪華な7.6インチの折りたたみ式「Infinity Flex Display」は、以前のモデル(1600ニト)よりも明るくなっています。それ以外は、2176×1812の解像度、Dynamic AMOLED 2Xテクノロジー、1〜120Hzの可変リフレッシュレートといった同じ仕様となっています。
同様に、6.2インチのカバースクリーンは、Z Fold 4のものと同じ2316×904の解像度と120Hzのアダプティブリフレッシュレート(1〜120Hz)という仕様です。ただし、本体外側をカバーするGorilla Glass Victus 2は、旧バージョンのVictus+よりも強力で、特にアスファルトやコンクリートへの落下に対する耐性が強化されます。
フレックスモードとマルチタスクの強化
Samsungは、特にマルチタスクとフレックスモードに関して、ユーザーエクスペリエンスという面でその限界を押し上げて来ました。フレックスモードでは、新しいデジタルボタンを備えた新インターフェースにより、ユーザーは上半分で映画を視聴している時に、画面の下半分でコントロールパネルとビデオリストを切り替えることが可能です(画像をご覧下さい)。
さらに、ユーザーは内側のメインディスプレイの下半分を仮想トラックパッドに切り替え、トラックパッドを2回タップすることでビデオ上に表示されるポインターを使用して10秒早送りすることも出来ます。
改良されたタスクバー、強化された両手ドラッグアンドドロップ、友人とのチャットとビデオを並行して行うポップアップ機能等、マルチタスクのユーザーエクスペリエンスを次のレベルに引き上げた新しいUI機能が他にも多数あります。
3眼リアカメラとダブルセルフィーカメラ
背面カメラシステムにはGalaxy Z Fold 4と同じハードウェアが搭載されており、50MPの広角センサー、12MPの超広角センサー、10MPの3倍光学ズームセンサーを備えています。
Z Fold 4と同様に、カバーディスプレイには10MPのセルフィーカメラが搭載されており、7.6インチの折りたたみ式ディスプレイにもう1台の4MPセルフィーカメラが内蔵されているので、合計5つのカメラモジュールが組み込まれています。
前モデルと同じカメラハードウェアを搭載していますが、新しいSnapdragonプロセッサによって、写真機能全般をより便利にする多くの画像フィルタオプションを提供するのに十分なパワーをもたらすはずです。画質の観点から見ると、ソフトウェアによってノイズリダクションが多少改善される可能性は十分にあります。実際の写真撮影テストで、それを確認するのが楽しみです。
SoC、強化されたゲームパフォーマンス、バッテリー
ヒンジ以外の最も重要なアップグレードは内部にあり、強力なSnapdragon 8 Gen 2、12GB RAM、256GB/512GB/1TB ストレージ、冷却効果を高めるための大型ベイパーチャンバーが搭載されています。2023年に発売されているほとんど全てのハイエンドスマートフォンに搭載されている「Snapdragon 8 Gen 2」についての詳細は、こちらの記事をご覧下さい。
バッテリーのサイズは4,400mAhのままですが、筐体には既に非常に多くのものが詰め込まれており、ベイパーチャンバーがさらに大型化しているため、これはそれほど驚くべきことではありません。Samsungは、デバイスに最適化されたいくつかのゲームを、Z Fold 5上で実行しながら紹介しました。新しいSoCと大型冷却チャンバーの組み合わせは、ゲームパフォーマンスをより高いまま持続させるための重要な要素となっています。
一般に、この構成ではバッテリー持ちが良好であることが確認されています。さらに、新しいSnapdragonは電力効率が高いため、バッテリー寿命は同等でありながら、より高いパフォーマンスが得られると予想されます。
充電速度とワイヤレス充電
残念ながら、Samsungは現在も充電器を同梱しておらず、30分で50%の充電をするには、25W 充電アダプタを別途購入する必要があります。バッテリーは15Wのワイヤレス充電と4.5Wの逆充電をそれぞれサポートしています。Wireless PowerShareは、WPC Qiワイヤレス充電を備えたSamsungまたは他社ブランドのスマートフォンでしか利用出来ません。互換性のあるデバイスのリストについては、公式サイトをご参照下さい。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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