受賞歴もある建築スタジオNic Brunsdonとデザイン集団ENESSは、夢の詰まった作品「(This is) Air」を共同で制作し、名高いNGVトリエンナーレで発表します。重要な”Architecture Commission”として披露されたこの膨張可能で記念碑のような球体は、14mを超える高さでそびえ立ち、空気の本質と、絶え間なく流れる時間の潮流との複雑な関係を深く掘り下げながら、未来に対する希望のオーラを放っています。
2023年12月3日から2024年6月までメルボルンのNGV International(ビクトリア美術館)で開催される予定のNGV Triennial 2023では、この感動的な建築作品が展示され、その刺激的で瞑想的な挑戦で観客を魅了する準備が整っています。
「(This is) Air」は、我々が住む地球上の生命の構造を維持する元素でありながら、見落とされがちな資源である”空気”の重要性に光を当てます。空気を明白な建築材料として巧みに利用しており、それは一日を通じてリズミカルに膨張し、吐息を繰り返す、まるで呼吸そのものを模倣しています。
このインスタレーションの魅惑的な吐息は、幻想的な雲のような形を作り出しますが、その後、空気をはらみながら踊るように再び穏やかに膨らんでいきます。BrundsonとENESSは、空気を知覚可能で可聴、そして具体的に表現することによって、この有限かつますます危険にさらされている生命維持資源と人間との大きな繋がりに対する深い反省を喚起します。
この画期的なプロジェクトのインスピレーションの種は、大気の質が急務の課題として浮上した世界的なパンデミックの最中に、Brundson氏の心の中で芽生えました。膨張可能な球体のリズミカルな呼吸は、汚染されていない空気の重要性に目覚めた世界の集合意識を反映しています。
ビクトリア美術館の上級キュレーターを務めるEwan McEoin氏は、地理的背景や人間の影響に基づく空気の純粋さの違いを認識しながら、空気の普遍性を強調しています。
NGVトリエンナーレの建築委員会は、現代の世界に関する示唆に富んだインスタレーションのプラットフォームを常に提供してきました。物質というテーマの柱を受け入れ、「(This is) Air」は自然、物質性、職人技と見事に交錯し、私たちの存在の中で生物学、地質学、物理学の複雑な相互作用を深く思い起こさせる存在となっています。
Brundsonの建築のすごさは、自然の秩序と我々人類の共生関係、そして私たちが共有する環境を大切にし、守るという喫緊の必要性を、時代を超えて具体化している点です。
展示の中で「(This is) Air」は、NGV Gardenの魅惑的な空間内で様々なプログラムやパフォーマンスを主催しながら、訪問者をその象徴性とそれが持つ意味を考えるよう促します。そして、芸術的な創意と環境への配慮の証として、この幻想的で膨張可能な球体が空気の神秘的な本質を喜びに満ちて讃え、我々に地球というデリケートな惑星の管理者としての役割を省察させるのです。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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