Honor Magic Vsには素晴らしいテクノロジーが詰まっています
| 良い点 | 悪い点 | 評価 |
| 美しい折りたたみディスプレイ | 防水性能は無し | 9.8/10 |
| 優れたビルドクオリティと薄型設計 | 美しい大型ディスプレイに対して、音質は改善の余地あり | |
| バッテリー持ちが良く、66W充電アダプタ同梱 | 価格 | |
| Z Fold4よりもわずかに良いカメラ | 1599ユーロ | |
| より大きなカバーディスプレイ |
11月下旬に中国で発売された、Honor初となる折りたたみスマートフォン「Honor Magic Vs」が、グローバル展開されることがMWC 2023で発表された際には非常に盛り上がりました。Honor Magic Vsは、「Samsung Galaxy Z Fold4」と同様のビルドクオリティとシステムハードウェアを備えた、やや薄くて軽いフォームファクターを提供する、Z Fold4の真の競合機としてふさわしい初のデバイスになっています。ディスプレイとカメラも同じレベルですが、バッテリーに関してはより大きく66W急速充電アダプターも同梱されています。
Honor Magic VsはBlackとCyanの2色展開で、欧州では12GB/512GBモデルが1599ユーロで販売されます。Samsung Galaxy Z Fold4発売時の価格は、1799ドルとなっていました。
Z Fold4が1799ドルで発売された米国での発売予定はありませんが、米ドルに換算すると約1700ドル(1599ユーロ)となるので、Z Fold4よりも約100ドル安いということになります。
Magic Vsは防水には対応しておらず、IPX8規格に準拠するZ Fold4には劣ります。
デザイン
製造品質は非常に高く、背面カバーには光沢のあるエレガントな仕上げが施されています。
MWCにおける講演では、Magic Vsは折りたたむと隙間の無い12.9mmという厚さになり、ライバルであるZ Fold4(15.8mm)よりもスリムであることが、HonorのCEOであるGeorge Zhao氏によって明かされました。重量も261gとなっており、Z Fold4(263g)よりもMagic Vsの方が軽量です。
背面カバーは側面が湾曲しており、競合機となるZ Fold4のフラットな背面と比較すると、より滑らかな感触となっています。
”競合機と比較すると、より滑らかな触り心地”
航空宇宙レベルのポリマー素材で作られ、前モデルよりも大幅に部品が削減されているヒンジについての説明は、同社CEOのプレゼンテーションの中でも重要な部分でした。94個あったパーツは4個となり、5000mAhのより大きなバッテリーを搭載するための空間が生まれました。
Honorは、新しいヒンジがGalaxy Z Fold4の2倍となる、最大40万回の開閉に耐えることが出来ると説明しています。
折りたたみ設計
折りたたみ式デザインは、典型的なスマートフォンと異なる体験を特徴としていますが、Smasungの足跡をたどったHonorは、大型の7.9インチメインディスプレイに加えて、閉じた状態では完全に本体を覆う6.45インチのカバーディスプレイも搭載しています。
120度程度の角度に折り曲げてテーブルに垂直に配置した状態だと、動画を観ながら、もう半分の画面で別のアプリを開いたりメールを確認するといった使い方がスタンド不要で出来ます。これは非常に便利で、三脚が内蔵されているようなものです。
Z Fold4とは異なり、90度の状態で固定するにはカメラが搭載されている側を下にしてテーブルに置く必要があり、反対向きだと後ろに倒れてしまいます。これは、より軽くなり耐久性が上がったヒンジとのトレードオフです。
ディスプレイ
どちらのディスプレイも、画質、応答性、快適さ共に素晴らしく、様々なコンテンツを楽しむための優れた視聴体験を提供してくれます。
7.9インチのOLEDディスプレイは、10.3:9のアスペクト比(382 PPI)で解像度は2272×1984です。リフレッシュレートは90Hz止まりで、Galaxy Z Fold4、Mix Fold 2、Oppo Find N2の120Hzを下回っています。
”驚くべき画質”
おそらく「タブレットモード」よりも通常のスマートフォンモードの操作を強化するために、Honorは、120Hzのリフレッシュレート、2560×1080の解像度(431 PPI)を外側の6.45インチディスプレイに備えることを決定したのでしょう。
最大輝度1200ニトは、Z Fold4の輝度に近いものですが、その主張を確かめるためには実際に計測する必要がありそうです。
折り目は、Galaxy Z Fold4やZ Flip4といった、これまで見てきた折りたたみ式スマートフォンと同じくらい視認出来ますが、ディスプレイの品質がとても高いのでそれほど気になりません。
音質
オーディオ品質は非常に良く、内蔵されているステレオデュアルスピーカーは最大音量でもパワフルで鮮明な音を響かせます。ただし、Galaxy S23 UltraやiPhone 14 Pro Maxとほぼ同等の優れたサウンド性能を備えるGalaxy S22 Ultraと比較すると、Magic Vsはわずかに低音が不足していると感じました。
カメラ
Honor Magic Vsは、Galaxy S23 PlusおよびS23に近いカメラ性能を備え、Z Fold4に搭載されているものよりわずかに優れています。
背面には3つのカメラモジュールが搭載されています。
- プライマリカメラ (広角)
27mm 54MP IMX800 メインカメラ (f/1.9)
動画：最大2160×3840ピクセル
写真：最大6144×8768ピクセル - 超広角＆マクロカメラ
13mm 50MP f/2 - 望遠カメラ
94mm 8MP f/2.4 3倍光学ズーム + OIS
内側のディスプレイには自撮りカメラがあります。 - 自撮り
25mm 16MP f/2.45
Ubergizmoのアルゴリズム、CAMERA HWのスコアは、Honor Magic Vs(161)がGalaxy Z Fold4(155)よりもわずかに上となり、ハイエンドの部類でもカメラ性能が高いと評価されているGalaxy S23+及びS23(166)に近い結果となっています。
私達のアルゴリズムによると、メインの広角カメラにはGalaxy Z Fold4に搭載されているものと同等の大型54MP IMX800センサーが搭載されています。
超広角レンズと望遠レンズのどちらも、Z Fold4のレンズより少し優れています。Magic Vsの光学「3倍」ズームは、Z Fold4の62mmよりも長い94mmの焦点レンズを備えているため、より優れています。
どちらのスマートフォンも、メインカメラに超高解像度センサーを備えています。ただし、Samsungのデバイスとは異なり、高解像度の写真撮影はAutoモードでは利用出来ません。Magic Vsで使うには、詳しい設定を確認する必要があります(カメラモードメニュー>詳細>高解像度)。
システム性能
Samsung Galaxy Z Fold4と同じSnapdragon 8+ Gen 1を搭載しているため、そのパフォーマンスも非常に拮抗しています。今回行ったテストでは、Geekbench 5のCPUベンチマークでZ Fold4がわずかに優れていることが示されましたが、実際にユーザーが気付くことはほとんどないでしょう。実際、私達も実感は出来ませんでした。
グラフィックス/ゲームの観点からは、測定されたパフォーマンスはほとんど同じですが、これも想像されていたことです。いずれにせよ、Honor Magic Vsが、大型ハイエンドの折りたたみ式スマートフォンに期待される通りの性能を発揮するという結論に至りました。
バッテリー
新設計のヒンジのおかげで、Magic Vsは折りたたみスマートフォン市場で最大の5000mAhバッテリーを備えています。これは、折りたたみ式では無いS23 UltraやOnePlus 11といったフラッグシップスマートフォンと同じ容量です。5000mAhが実用的な最大容量と見なされることがよくありますが、折りたたみ式の設計では特に困難です。
さらに、バッテリーを充電する必要がある場合、Magic Vsは最大66Wの急速充電を利用出来ます。これは、今までに見てきたどの競合他社よりも速いです。飛行機に乗る前や次の目的地に向かう前に高速に充電出来るため、頻繁に旅行する人にとっては大きな利点となります。
結論
Honor Magic Vsは、宿敵であるSamsung Galaxy Z Fold4と同じレベルのシステムパフォーマンス、優れたデザイン性、ディスプレイ品質、及びカメラ性能を備えた素晴らしいテクノロジーの塊です。
”素晴らしいテクノロジーの塊”
今回、1500ドル以上のデバイスにおいて重要な防水性能を備えていないこと、Samsungデバイスに見られる生産性とマルチタスクに関する優れたユーザーエクスペリエンス(Samsung Dex)等の点が評価のマイナスに繋がりました。
Honor Magic Vsは確かにZ Fold4よりも薄く、手に持つのが快適で、カメラも優れているのに200ユーロも安価な価格となっています。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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