Z Flip 3ユーザーも予算に余裕があるなら買い換える価値あり!

良い点 悪い点 評価
素晴らしい折りたたみ設計 音量ボタンが使いづらい 8.8/10
Galaxy S22並に強化されたカメラ性能 時には両手操作が必要
1日使えるバッテリー持ちに改良 細身のボトムスには厚みが気になる可能性
ピークパフォーマンス向上

Samsung Galaxy Z Flipシリーズは、これまでで最も成功した折りたたみ式スマートフォンであり、最新の「Galaxy Z Flip 4」は、Samsungを競合他社よりも優位に立たせる方程式の完成を目指しています。このコンセプトに慣れていない人もいるかもしれませんが、Z Flip 4は半分に折りたたんで非常にコンパクトなスマートフォンにすることが出来ます。開いた状態では、一般的な6.7インチのAndroidスマートフォンとして全ての機能を使用出来ます。

折りたたみ可能ということは、途中まで折り曲げた状態でも使用可能だということです。つまり、本体半分を”自然な三脚”として写真撮影やビデオ通話に活用することが出来ます。動画を撮影する際に、従来のビデオカメラの様に構えて使うことも出来ます。

この第4世代では、バッテリーの大型化と電池持ちの向上、カメラシステムの改善、新しいコンピューティングプラットフォーム等、見逃すことが出来ない改善点がいくつかあります。3つ全て(またはそれ以上)のアップデートによって、この新モデルは前機種のGalaxy Z Flip 3よりも大幅に改善されています。

今回レビューに使用しているGalaxy Z Flip 4は、AT&Tのネットワークに対応し、分割の場合には月額27.78ドルとなっています。他のモデルと比較して、アンテナ構成と4G/5G帯域が若干違う可能性があります。とは言え、Sub-6とミリ波の両方のテクノロジーがサポートされており、データローミングを行う可能性のある旅行者向けには、世界中で優れた互換性を提供します。

また、このデバイスにはAT&Tのアカウントマネージャーといった独自のソフトウェアがプリインストールされています。また、公共スペースで簡単で安全に通信を行うことが出来るAT&T Smart WiFiや、トレーニングを受けたサポートスタッフがユーザーの許可を得てスマートフォンにアクセスすることが出来るAT&T Remote Support等のアプリもインストールされています。Galaxy Z Flip 4はパワーユーザー向けではないので、これら2つのアプリはほとんどの人にとって便利です。

 

製品デザイン


新しいZ Flip 4は、前機種と同様の設計を基に作り上げられています。ただし、ヒンジは改良されており、アルミフレームはより高級感があるものになっています。さらに、その金属部分には指紋が付きません。背面のガラス部は少し耐久性が上がりましたが(Gorilla Glass Victus Plus)、落下にはお気をつけ下さい。

閉じた状態では、スマートフォンは84.9 x 71.9 x 15.9 mmとコンパクトで、展開すると165.2 x 71.9 x 6.9mmになります。187gという重量は、同じサイズのスマートフォンとそれほど変わりませんが、金属とガラスという素材によって、プラスチック部分の多いデバイスよりも多少重くなっているかもしれません。

本体は閉じた状態の剛性が高く、”頑丈”だと言うのもこの設計の利点の1つです。スマートフォンを落としてメインディスプレイを割ってしまっては大変です。折りたたまれた本体の間にディスプレイが挟まれているだけでなく、柔軟な素材と柔らかい保護層で作られています。また、Samsungは防水(IPx8)対応の折りたたみデバイスを製造しており、この製品も同様です。

ヒンジはしっかりした作りで、様々な使い方に対応出来るよう、ほぼ全ての角度で所定の位置に固定出来るようになっています。ただ、開くのに両手を使う必要があるというのが難点です。片手で開けないというわけではありませんが、少し難しいかもしれません。

Z Flip 4は非常に持ちやすいですが、音量ボタンが右側の非常に高い位置にあるため、音量を変更するのにおそらく両手を使うことになるでしょう。Samsungは、エッジパネルハンドルにウィジェットを追加したいと考えているかもしれません。

音質
オーディオ品質は、大きく向上しています。Z Flip 4のスピーカー音質は際立っており、iPhone 13 Proを含む他のハイエンドスマートフォンに匹敵します。

 

携帯性


スマートフォンのコンパクトさは、男性女性に関わらず、ボトムスの前ポケットに入れておくことが出来るほどです。ただ、タイトなスタイルのボトムスやポケットの場合は、厚みが気になる可能性もあります。

Flex mode(完全に開閉されていない状態)は非常に実用的で、主に動画視聴やビデオ通話で利用することが出来ます。前述の通り、それは三脚のように使用可能で、あるタスクをこなしながら、もう半分の画面で別のタスク(メモをとる等)を行うことも可能です。

Samsungは、全てのアプリにFlex modeによる操作を導入しており、どのアプリでも画面の上半分だけを使用して、下半分は別の制御で、スクリーンショットや輝度を調整したり、トラックパッドとして使用することも出来ます。以下の画像で、Flex modeを有効にするアプリを選択する方法をご覧頂けます。詳細については、Samsungのウェブサイトをご確認下さい。

フォトギャラリーのFlex modeでの使用例。画面の下半分に編集用アイコンとトラックパッドが表示されている

スマートフォンを閉じると、1.9インチの小さなカバースクリーンがあり、通知を確認するのに便利ですが、基本設定(明るさ、Bluetooth、懐中電灯等)を制御するウィジェットを介して素早く操作することも出来ます。

Samsungは多数のウィジェット(天気、タイマー、ボイスレコーダー等)を用意していますが、個人的に気に入ったカバーディスプレイの使い方はセルフィー撮影です。カバーディスプレイのオプションを調べて、あなただけの使い方を見つけてみてはいかがでしょうか?

以下の動画では、カバーディスプレイについて詳しく説明されています。

 

ディスプレイ



Galaxy Z Flip 4の有機ELディスプレイは、状況に応じて1Hzから120Hzまでのリフレッシュレートに対応します。全て自動的に行われますが、それによってバッテリー寿命が長くなるという恩恵を受けることが出来ます。Samsungは小型の有機ELディスプレイ市場をリードしていることから、その画質は申し分のないものとなっています。

折りたたみ式ディスプレイには、Z Flip 3と同じ様に相変わらず折り目が入っています。筆者の経験では、大抵の人はすぐに気にならなくなるでしょう。

結局、全てのスマートフォンのディスプレイは大部分が反射するため、実際にはそれほどの違いはありません。確信が持てない方は、店頭で実際に確かめて頂くのが良いでしょう。自身で納得するためには、それが1番の方法です。

ディスプレイには柔軟なガラスのような薄い層がありますが、その上にはさらにプラスチックの層があり、画面を保護しています。素晴らしい作りですが、セルフィーカメラ周辺ではその柔らかい層が見えるので、多くの人がそれを剥がそうとするようですが、決して剥がさないで下さい。

最初は画面が薄暗く感じましたが、設定に移動して”Extra brightness”(さらに明るくする)オプションを有効にすることで、他のハイエンドスマートフォンと同程度に明るくすることが出来ます。バッテリー最適化の為だったと思われますが、明るい方が個人的には使いやすいと感じました、

 

カメラ


Samsungは、Galaxy Z Flip 4のリアカメラを改良しています。UbergizmoのCAMERA HWスコアは148となっており(Z Flip 3のスコアは117)、それぞれのレビューでも評価されると思われる大幅なアップデートとなっています。

Samsungは、センサー面積が63%大型化し、1.8ミクロンの大きなピクセルを備えた、より優れたメインセンサーを使用しています。レンズは光学的に安定しており、あらゆる状況で最大限の明瞭さで撮影することが可能となっています。

Z Flip 4の148というCAMERA HWスコアは、Galaxy Z Fold 4の155、Galaxy S22+の166よりわずかに低くなっています。専用の望遠レンズが無いことがその差を生んでおり、ソフトウェアのアップデートだけではその差を十分に補うことは出来ません。

前面には、Sony IMX-374センサーとf値2.4のレンズを採用した10MPのセルフィーカメラが搭載されています。薄暗い環境でも画質は非常に良好で、ビデオ通話にも最適です。より高性能なカメラを備えたスマートフォンも存在しますが、Z Flipなら前面・背面どちらのカメラでも自撮りを撮影することが可能です。

昨年のGalaxy Z Flip 3ではカメラが弱点でしたが、Z Flip 4ではそれが強化され、Galaxy S22と同程度の優れたカメラ性能を備えていることは大いに歓迎されます。

 

システム性能


「Snapdragon 8+ Gen 1」のおかげで、Z Flip 4は日々の使用で卓越したパフォーマンスを発揮することが出来ます。このプロセッサは、数秒間性能を発揮してタスクを完了すると、低電力状態に戻ります。

このデバイスの本体は冷却性能が低いため、Qualcommのプラットフォームの最大性能は制限されています。簡単に言えば、日常使いではSnapdragon 8+ Gen 1の性能を最大限に引き出すことが出来ますが、ゲーム用には設計されていませんので、ゲームや重いアプリで必要とされるような持続的な速度は得られないということです。

それほど長時間は使用されていませんが、ベンチマークではそのことが明確に示されています。Galaxy Z Fold 4は同じプロセッサを搭載していますが、より高いパフォーマンスを発揮しています。2つのデバイス間の1番の違いは、冷却性能です。時間の経過とともに、より速いペースでZ Flip 4に熱が蓄積され、パフォーマンスが制限されます。

とは言え、そのサイズに対して非常に優れた性能であることに違いはありません。今後の記事では、Qualcomm製の同じプロセッサを搭載するMotorolaの新モデル「razr(2022)」と比較する必要がありそうです。

 

バッテリー寿命


Z Flip 4のバッテリー性能は、3つの要因により著しく改善されています。1つ目はバッテリーの13%大型化(3300mAh→3700mAh)ですが、容量の増加分以上にバッテリー持ちは改善されています。

2つ目は、1Hz〜120Hzの可変リフレッシュレートによって電力消費が抑えられているという点です。30FPSの映画を視聴している時には、ディスプレイはそれに適応します。静止画を見ている時には、リフレッシュレートは1Hzまで制限される場合もあります。常に60Hzまたは120Hzで動作する場合に比べて、電力を大幅に節約出来る可能性があります。

最後に、Snapdragon 8+ Gen 1は、Z Flip 3に搭載されていたSnapdragon 888と比較して大幅に電力効率が向上しています。同じ量の作業を実行する場合、消費するエネルギーは少なくなります。その結果、Z Flip 4という1日中ストレス無く使用出来るデバイスが完成しました。

充電が必要な場合には、従来の15Wよりも高速化された25Wで有線充電することが出来ます。最速には程遠いですが(OnePlus 10Tの充電速度はこちらをご覧下さい)、Z Flip 3よりはるかに改善されています。

 

まとめ


Samsung Galaxy Z Flip 4は、前機種から大幅にアップデートされています。システムや機能の中枢が改善され、より優れたデザイン、パフォーマンス、バッテリー性能、カメラが詰め込まれています。

Z Flip 3ユーザーは買い換える必要があるでしょうか?
→金銭的な余裕があれば、絶対に買い替えて下さい!

予算が厳しい場合には、Samsungが実施している下取りサービス等を公式サイトでご確認下さい。Samsungは、人々に最新のデバイスを購入してもらえるよう様々な取り組みを実施しています。

Galaxy Z Flip 4は、2022年で最も人気の折りたたみ式スマートフォンとなる可能性があり、おそらく今後はメインで使用するスマートフォンとなって行くでしょう。ただ、その使用感は”一般的な”スマートフォンとは異なり、同じ予算ならより性能の高いGalaxy S22+やその他のデバイスを購入することも出来るという点は忘れないで下さい。

それでも、多くの人が自分の好きな機種を選択し、Galaxy Z Flipシリーズをメインのスマートフォンとして使用することはわかっています。新しいGalaxy Z Flip 4は、そういったユーザーをさらに増やして行くことになるでしょう。

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この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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