Qualcommは、次世代のハイエンドルーターとアクセスポイント向けのWi-Fi 7対応プラットフォーム「Networking Pro」シリーズの第3世代を発表しました。

このプラットフォームは、最大33Gbpsと非常に高いピークアグリゲーション容量(16ストリーム、4バンド)で遅延も少ないと謳っていますが、実際の速度はまだ確認出来ていません。個々のデバイス間の接続では、内部ネットワークでも5〜10Gbpsの速度が出るとも言われており、多くの有線接続よりもはるかに高速となります。

QualcommのMLO(マルチリンクオペレーション)では、3つの帯域(2.4/5/6Ghz)全てで同時にデータの送信が行えるという点が気に入っています。そのルーターは、都度変化するネットワークの状態に動的に対応し、様々な帯域でネットワークを最適に利用出来るようスマートに作られています。これは、Qualcommの”企業秘密”で、詳細はほとんど明らかになっていません。

法人向けから一般家庭用途までの幅広い層をカバーするために、Qualcommはサポートされているストリームとバンドの数を拡大出来るようにしました。同時に接続するクライアントが多い場合には、ストリーム数を増やすのが最適です。

利用可能な帯域の数を増やすことで、無線の混雑を回避するのに役立ち、異なる帯域がそれぞれの対象に届くので、電波のカバー率も向上します。これまでの経験では、家庭向けでも、このシリーズが提供するエントリーレベルの6ストリーム+トライバンドの恩恵を受けることが出来るでしょう。

今のところ、ラップトップやスマートフォンといったネットワーククライアントは、このような新型ルーターの性能に遅れを取ることになるかもしれません。しかし、Wi-Fiメッシュネットワークはアクセスポイント間の通信にこの新技術を使用することで、すぐに効果を得られるでしょう。

また、このプラットフォームは、以前のものよりも無線の輻輳や干渉をより効率的に管理出来るようになっています。これにより、モバイルデバイスをアップグレードしなくても、平均的なネットワーク状況が改善されるはずです。

Wi-Fiインフラストラクチャーは、設置後も長期間使用される傾向があるため、余裕を持って最高のテクノロジーを利用することをお勧めします。多くの人々が未だに54Mbpsルーターを利用しており、最近の標準的なWi-Fi機器にアップグレードした場合、改良された性能に衝撃を受けることは間違いありません。

プロユーザーにとって、このレベルのWi−Fiの性能や機能は、考えるまでもなく利用するべきものです。なぜなら、特に大容量のデータを扱う環境(クリエイティブ用途、ワークステーション、大容量のデータ送信)においては、従業員の継続的な生産性向上によって簡単に初期費用を回収することが出来るからです。

メッシュWi-Fiの革新を含め、Wi-Fiは過去数年の間に大きな変化があり、その進歩のペースは目覚ましいままです。そのため、ルーターを交換する時には少し不安があるかもしれませんが、後悔することはないでしょう。現時点では、Qualcommは同プラットフォームを顧客であるOEMメーカーに対してテストしているので、製品が店頭に並ぶまでには1年程度かかるかもしれませんが、それまでには、ハイエンドスマートフォンの対応が進んでいるでしょう。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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