多くの緊急事態または極限の状態では、飲料水の確保が生死を左右します。未だにそれは解決が難しい問題であるため、優れたロジスティクスとインフラを整備することが依然として最良の給水ソリューションのままとなっています。

しかし、MITの最新の研究によってそれが変わるかもしれません。Jongyoon Han氏とその共著者は、”ボタン1つで”海水を飲料水に変換出来る、10kgの携帯型淡水化装置を組み立てるための技術と材料について説明しています。

研究者らによると、その装置はほとんど電力を使用せず、50ドル程度で購入可能な小型のポータブルソーラーパネルから電力を供給することが出来るそうです。TechXploreは、この装置は「世界保健機関(WHO)の品質基準を大幅に超える」と推定しており、これは素晴らしいことです。

これほどの低電力消費を実現するために、この脱塩プロセスでは、水を高圧でフィルターに押し込む必要がある従来のシステムを使用していません。この昔ながらの技術は、機械全体の小型化も妨げています。

それに代わって、この装置では電解を使用して塩の粒子(バクテリアやウイルスを含む)をはじき、後で廃棄される水の中にそれらを分離します。この手法を使うことで、20Wの電力で1時間に0.3リットルの飲料水を生成することが可能になります。

現時点では、これは商品化されていませんが、そのプロトタイプは意図した通りに機能しており、今後の最適化のための基盤と概念実証を確立しています。

この装置が汚水でどれほど機能するのか、どのようなメンテナンスが必要になるか、いくつか疑問は残っています。そして最後に、コストの問題があり、これが入手しやすい価格で大量生産されるためには、さらなる研究が必要となります。

やがて、それがインフラやロジスティクスの問題を緩和し、探検家や救急隊員、さらには軍隊にとって大きな変化をもたらす可能性があります。

編集部が日本向けに翻訳編集したものです

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