MicrosoftがWindowsのライセンスを一般消費者やパソコンメーカーに提供しているのとは異なり、AppleのmacOSは自社コンピューター専用となっています。しかし、ある時期、Appleは実際にMac OSプラットフォームのライセンスを提供したいと考えており、検討されていた企業の1つがDellでした。

これは、今週発売された、Dellの創業者兼CEOであるMichael Dell氏の回顧録”Play Nice But Win”の内容を引用したCNETの記事によるものです。その著書によると、ある時Appleの共同創設者であるSteve Jobs氏が、DellにMac OSのライセンスを提供する提案を持ちかけてきたとDell氏は語っています。

当時のJobs氏によれば、これはDell製コンピューターを購入した際に、Mac OSとWindowsのどちらのソフトウェアをインストールするかを顧客が選択出来るようにするというものでした。これはJobs氏がAppleに復帰し、MacのソフトウェアをIntelのx86アーキテクチャに移植することに成功した時期でした。

Dell氏は、そのアイデアを歓迎してMac OSのライセンスを取得し、それを搭載したコンピューターが販売された分のライセンス料をAppleへ支払う用意があったと述べていますが、Jobs氏は別の考えだったようです。どうやらJobs氏が提案したのは、ユーザーがMacとWindowsのどちらを選ぶかに関わらず、Dellは全てのPCにMac OSをプリインストールし、販売されたPC全てに対してAppleへライセンス料を支払うという話だったようです。

この取引はAppleに大きな利益をもたらすことになったでしょうが、Dellにとっては単純にコストが高過ぎたので、最終的にこのアイデアが実現するには至りませんでした。皆さんが考えるように、もしこの取引が成立していれば、Appleは現在よりもさらに大規模な企業になっていたかもしれません。しかし、それと同時に、全く別の方向へ進むことになった可能性もあるでしょう。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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