昨年、NVIDIAがARMを買収すると発表されました。ARMの技術が、基本的にほぼ全てのスマートフォンに搭載されているチップセットに利用されていることから、これは非常に大きな取引となります。したがって、NVIDIAが同社を保有することは、スマートフォン市場全体の中核を担うことになるような大規模なことです。

これは、2つ以上の企業が合併する場合や、買収により一方の企業が閉業したりその独自性を失う懸念がある場合に、英国を拠点とする施設の買収を政府が一時停止出来るという2002年の企業法42項に基づいています。

基本的には、NVIDIAがARMを買収することで結果的にARMとしての事業が終了するか、NVIDIAに取り込まれてその存在が無くなることを英国政府が懸念しているようです。以前NVIDIAは、今回の買収がARMの現行のオープンライセンスモデルや顧客の中立性には影響を与えないと述べていましたが、英国政府にとっては不十分だったようです。また、NVIDIAは同社の本拠地をケンブリッジに維持するとも説明していました。

興味深いことに、反対しているのは英国政府だけではありません。初めに買収の発表がされた際には、他の大手IT企業らも反対の声を上げていました。とはいえ、CNBCに対する声明の中で、NVIDIAの広報担当が次のように述べていることから、これで終わりでは無さそうです。
「我々は、この取引が国家安全保障上の問題を引き起こすとは考えていません。今回の取引の発表以来行ってきたように、我々は今後も英国当局と緊密に協力し続けます。」

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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