2019年10月3日、インスタグラムの初代日本事業代表責任者、日本ロレアルで初のCDO等を務めた長瀬次英氏が、柴田陽子氏が2013年に立ち上げた「BORDERS at BALCONY」のCEO就任を発表した。

今回、2019年10月29日に新しいコンセプトの会社で、PENCIL & PAPER.COM株式会社、Visionary Solutions株式会社の2社の設立を発表した。代表取締役社長は、共に長瀬氏が務める。取締役副社長でChief Media Officerには、株式会社メディアインキュベートの代表取締役社長・浜崎正己が就任する。

長瀬氏は、日本初のCDOとしてCDO of The Year 2017を受賞、アドテック東京で2年連続スピーカー賞、Forbes JAPANの「カリスマCxO」で特集されるなどしてきた。現在も、「BORDERS at BALCONY」のCEO、ブランディング・カンパニー「柴田陽子事務所(通称:シバジム)」のChief Strategic Officerも兼務している。

新設したPENCIL&PAPER.com株式会社は、「ナレッジシェアリング&Network」を目的としており、学生や社会人向けの『悩み相談と解決・実践の場』を提供するとのこと。Visionary Solutions株式会社は、「CDO/CEO/CMO オンデマンド」を行い、経営層に向けてコンサルティングを提供するとのことだ。ブランドの構築も視野に入れる。

2社を設立したのも双方でシナジーを意図しており、コミュニティとコンサルティングの連携をうまく作っていくようだ。長瀬氏は“パラレルキャリア”のロールモデルを作っていくとのことで、今回の新会社でも「アドバイザリーボード制」を取っており、プロフェッショナルの方に就任いただくようだ。順次発表していくとのことで、個人のパラレルキャリアの形成も支援する。

PENCIL&PAPER.com、Visionary Solutions共に提携先も増やしていくとのこと。教育・研修事業を行なっている企業や、デジタルトランスフォーメーション・マーケティングなど、企業の経営課題の解決に尽力している企業との連携も増やす。

PENCIL&PAPER.comの第一弾の取り組みとして、「長瀬サロン」を11月13日に行う。少人数で、長瀬氏に質疑、講習を受けられる場となるようだ。コミュニティとコンサルティングの連携、アドバイザリーボードの組成など、パラレルキャリアの形成支援を、自身がモデルとして社会に浸透させていくとのこと。

これまでにキャリアを積み重ねてきた長瀬氏ならではの思いが、本事業にはあるようだ。長瀬氏は、ユニリーバ、インスタグラム、日本ロレアル、LDHなど、マーケターの中でもブランドビジネスに深い知見がある。

P&Gやロート製薬などを経てスマートニュース マーケティング戦略顧問の西口一希氏や、Supershipやスマートニュースの成長に圧倒的に寄与したMoonshotの菅原健一氏など、ブランドに理解のあるトップマーケターが、ベンチャーを支援する事例も増えてきた。ブランディングは、商品開発、新規事業の構築にも欠かせない。

D2Cビジネスを行うスタートアップも増えてきている中で、本質的価値を作り上げながらサービス成長をさせていくためには、ブランドや製造工程など、バリューチェーン全般に深い理解のあるプロフェッショナルの力が、より必要になってきているのではないだろうか。