ジメジメした日が続いています。体調&メンタルを崩している人も多いのではないでしょうか。でもそれが普通です。梅雨ってそんな、パッとしない時期なんですよね。逆に「ピンピン元気だよ!」という人は、気を張って頑張りすぎているかも。いつもより少し休憩多めで乗り切りましょう! 夏は目前です。

そう、夏。夏といえば浴衣に水着、谷間に太もも、うなじに背中…。ワクワクしますか?私はワクワクします!! 私も人の谷間を見るの大好きです(笑)。
いつもと違うかわゆいあの子が見られる大チャンス。来るべき機会に備えて、今回はまず、今までのおさらいから始めたいと思います。

作例を比較すると一目瞭然なスマホレンズの特徴

さて、スマホレンズの特徴、みなさんご理解いただけましたか?

①画面のはしっこ、すみっこが伸びる
②手前のものが大きく写る

ざっくりいうと以上2点です。①に関しては、伸びによる変形を防ぐため、真ん中に顔面、足を端近くに配置しましょう。こうすることでスタイルアップ効果が生まれます。

②は、ちょっと応用的な使い方を紹介しました。斜めからのアングルで撮影することによって遠近感がつき、手前にあるものがさらに大きく写ります(はい、よくわかってない人は前回までの記事3ヶ月分読んでからここに戻ってくること)。

百聞は一見にしかずというわけで、例題写真を見てみましょう。

…といいながらいきなり話それますが、この連載を始めてから、複数人に同じことを指摘されました。「テレジア先生身長高いし、元々スタイルいいじゃん? 小顔じゃん? 撮る人も上手だから、作例載せても正直参考にならないと思う」と。

私が実際どうかはさておいて、「そんなことはない」と思うのです。どんな外見の人でも、特性を把握せずに撮ると、結果に大きな差が出てしまう。それがスマホカメラなのだと。

実際この連載で撮影してくれている若者は、カメラの機材や構造に対する基本知識がありません。「スマホで写真っすか? 仕事でたまに撮る事(しかも人間以外)あるかなあ」くらいの子です。いつも申し訳ないなと思いつつ、傍から見たら「あの長身女の奴隷かな?」と思われるだろう勢いで、物凄い枚数の写真を撮らされています。

今回のコラム撮影も、彼にお願いしました。いざ撮影開始となり、細かく指示を出したのですが…。ぼーっとしていたのか、すごい近距離から私の全身を撮影してくれています。

私もまあまあモデル歴が長いので、カメラマンと自分の距離や角度から考えて、どういう映り方になっているかは分かるんですよね。で、結果説教モードに。

私「あのさあ、今何撮ってんの?(ちょっと“怒”)」
撮「え? 上からっすよ?」
テ「それ顔面真ん中じゃないよね?(かなり“怒”)」
撮「あ…」
テ「前回までおぬしは何を聞いておったんじゃぁ!!!!」(激怒)

はい、それがこの写真。

画面ギリギリに人物を配置の作例
画面ギリギリに人物を配置

どうですか?

前回の記事で紹介した下半身を前に出したポーズ(手前のものが大きく写るのでそれを利用し足長効果に見せる)をしていても、スマホレンズの特徴として挙げた①②が悪い方向で作用しています。

ぼんやり無意識に、こんなひどいスタイルで撮影されたことを怒りつつ「でも普通は画面いっぱいに人体入れたいから近づくよね…。うんうん、多分厚意だよね」と、思い直し、世の中でよく見る残念な写真ってこういう感じで増えるんだなと少し優しい気持ちにすらなりました。

だがしかし。そんなキモチは写真に写りません。ただイケてない顔面とスタイルが残るだけ。私だってこんな写真、公開したくない! ううう、あなたは! あなたのかわゆいあの子が!! 他の人から「この子イマイチだなぁ(笑)」と思われてもいいのですかぁああ?!?!

ハアハア、すみません。また取り乱してしまいました。

そんなわけで前回までの記事の流れに沿って撮影し直しました。

画面真ん中に顔を配置の作例
画面真ん中に顔を配置

はい、小顔になり足が伸びています。

しかし、建物や背景を一緒に写すのが目的ではなく、人体そのものをメインにしたいのであれば、ちょっと余白が多すぎると感じます。そういう時こそトリミングです。

いまはスマホのデフォルト写真アプリに、色調整やトリミング機能がたくさんついているので、今回はそれ(iPhoneの写真)を使ってみました。

画面真ん中に顔を配置した写真をトリミングした作例
画面真ん中に顔を配置した写真をトリミング

画面いっぱいに人体が写るバランスでトリミング。一番初めの、ぼんやりした撮影者が撮った、何も考えていない、まぬけな、目の当てようがない写真と比べてみてください。スタイルの違いが明確です。

分かりやすくするために、2つの写真を重ねてGifアニメにしてみました。

2つの写真は、場所/ポーズが同じです。私は一切動いていません。撮影する人の位置と角度を変えただけ。同じ被写体、環境でも、ちょっとした変化で大きく結果が左右されると分かってもらえたでしょうか。

女は上から撮れ!?

座り写真でも同じ事が起こります、並べて見てみましょう。

画面ギリギリに人物を配置した座り写真の作例
画面ギリギリに人物を配置した座り写真
画面真ん中に顔を配置した座り写真の作例
画面真ん中に顔を配置した座り写真
画面真ん中に顔を配置した座り写真をトリミングした作例
画面真ん中に顔を配置した座り写真をトリミング

画面ギリギリの人体配置だと、顔面位置が右にずれたため、右上に引っ張られてゆがんでいるのがわかると思います。

こちらも分かりやすくするために、画面ギリギリの撮影写真と「余白撮影→トリミング」の写真を重ねてGifアニメにします。

違いは一目瞭然ですよね。顔面の大きさも足の長さも雲泥の差です。
同じくバストアップも見てみましょう。

画面ギリギリに人物を配置したバストアップ写真の作例
画面ギリギリに人物を配置したバストアップ写真
画面真ん中に顔を配置したバストアップ写真の作例
画面真ん中に顔を配置したバストアップ写真
画面真ん中に顔を配置したバストアップ写真をトリミングした作例
画面真ん中に顔を配置したバストアップ写真をトリミング

こちらの画面ギリギリ配置はそんなに悪くないと思いますが、やはり顔面を真ん中に配置し、上から撮影したものに比べると、盛れ感がイマイチに感じます。

いいですか皆さん。女を撮るにはとにかく上から! 年齢関係なく上から! です!

男女問わずですが、長く生きていると、顎の下とか“顔面の下半身”に問題が出てくるわけですよ、それをカバーするのが「上からアングル」なのです。

一度自分でも自分の顔を撮ってみればわかると思います。おそらく上からの方が、アラが隠れて若々しく写るはず。自撮りをしている女子たちが、スマホを上から構えながら、盛れる光を探してくるくる動いている理由、分かってもらえるでしょうか。

こちらも重ねてGifアニメにします。

前の2つに比べると「美的感覚の問題」という程度に感じるかもしれません。でもその美的感覚に優れているのが女子というもの。あごのラインが! 目の大きさが! 若々しく見える! と、その差を敏感に受け取ります。

ちなみに。新型iPhoneにあるポートレートモードは、自動的に端っこがカットされるため(普通モードから切り替えると被写体が近づくように感じる)顔面の伸びがほぼありません。

画面ギリギリに人物を配置してポートレートモードで撮影したバストアップ写真の作例
画面ギリギリに人物を配置してポートレートモードで撮影したバストアップ写真

こちらの写真は、先程のバストアップで「顔面を真ん中に配置、上からのアングル」ままポートレートモードを使い撮影したもの。トリミングしなくてもこの大きさで撮れます。

2つのカメラで前後を判断してどうにかしているため(私には難しい)、被写体の後ろがボケてなんともいい感じになるのですが、背景と前景の境界がわかりにくい場合、後ろのボケ認識が間違って、おかしなことになるケースも。ただ、ここは日々進化していますからね。実際どんどん改善されているそうなので、今後にも期待です。

「ベストなアングルを探す」ことは信頼に繋がる

いかがでしたか? 今回までで、スマホカメラの「端っこが伸びる特性」については、一旦授業終了となります。

普段から「カメラが趣味」という方にとっては、少し物足りないコラムだったかもしれません。使う機械の特性やいろいろな知識、さらにいえば機材を増やしていくのは大事なことですし、カメラが趣味な方にとってはそれこそが醍醐味だったりするのだとも思います。

でも、私が何を言いたかったのかというと…。「まず落ち着いて、色々動いて位置を変えて、画面をしっかり見ながら、かわゆいあの子のベストを写してあげてほしい!」という話。撮られる側からの想いとして、ベストなアングルを探すことの重要さを訴えたかったのでした。

少しでもスマホの高さ、角度、配置が変わるだけで、被写体のルックスが良くも悪くもなる。であれば、撮影者と被写体の関係において、その配慮、努力、労力を費やしてくれるかどうかは、信頼が揺らぐ問題だとさえいえるのです。

「○○さーーん、写真撮ってーーー!」と毎回頼まれるようになり、会話の機会も増え、かわゆいあの子の特別な存在になれたら…。この夏はハッピーライフ。ぜひ、この連載を今一度読み直して、スマホカメラで上手に人物撮影できるようになってくださいね。

テレジア先生への公開質問

[Q]かわゆいあの子にたくさんお金を使っているのにまだ付き合えません。どうすれば彼氏になれますか? (30代・男性)

…あああ。ついにきてしまったこの相談。お金と愛の関係はなかなか難しい問題です。

「お金を使っている」という説明だけでは、状況がさっぱりわからないのですが、世の中、赤の他人の時間を拘束する場合には、ほとんどのケースで金銭が発生します。「あの子に」という質問者さんのケースでも、想定できるパターンが無数に存在するのですが…。相手の職業が何であれ、あなたはその子の時間を買っているのではないでしょうか?

わかりやすく言うと、相談者さんは“お友達”でなく“お客様”の可能性があります。ただ何かプレゼントしたりご飯をご馳走したりしている「お店ではない関係」なのかもしれませんが、それでもなお“お客様”の可能性があります。あります(大事なことなので2回いました)。

そういっても、「あの子は俺のことを好きと言ってる! でも事情があって状況が変わるまでは付き合えないと言っているんだ!!」とおっしゃるかもしれません。なるほど、確かにそういう場合もあるでしょう。

あなたのお財布の使い道を第三者がとやかく言うことはないと思いつつ、ここでちょっと整理してみましょう。

①あなたはかわゆいあの子に関わること、お金を使うことで、どんな気持ちになりますか?
②そのお金の使い方が、あなたの生活そのものや気持ちを圧迫していませんか?

私はお節介なので、相談者さんのことがとっても心配です。①の答えが、「幸せな気持ちになる」であれば構いません。いまはクラウドファンディングや課金制サイトなど、誰かの頑張りたい何かを、金銭的に応援しやすい時代であり、そうした行為が肯定されている時代です。

「相手の笑顔が見たいから。頑張っている姿が自分への刺激になるから。たくさんいる応援者の中で、自分という個人を相手に認識してもらいたいから」など、理由は何でも構いません。結果的にあなたがお金を使うことでハッピーな気持ちになれるのなら、クラウドファンディング的な関わり方は、むしろいいことなのではと思います。

問題は②です。

毎日カップラーメンしか食べられない、穴が空いた靴下も新調できない、借金をしている…。いや、それでも①の気持ちになれる、自分の生活を頑張れて未来に希望が持てているのなら、そのままでもいいのかもしれません。

しかし、相談者さんの場合は違いますよね。お金を使うことの対価が「異性としてかわゆいあの子を独占すること」になっています。そして、関係が進まないことに苛立ちを覚えているようです。

さて、ここでお金と愛の話。

男と女の本能、その差について書かれたいくつかの本では、古代から「肉体が強く食料を採ってこれるオス」はモテていたと言います。現代においては、言うまでもなく経済力がこれに当たるわけです。

もし相談者さんがとても裕福ならば、お金を使って女性からモテることは間違いありません。確実なモテ方です。お金を使うことで、色々な便利が生まれる。その便利さに惹かれる女性は多く、これは至極当然の話だと思います。

「いや!! あの子はそんなお金目当てで男性を判断するようなゲスじゃない!!」とおっしゃる…。ふむふむなるほど、そうかもしれません。でも、「お金で判断すること=ゲス」でもないと思うのです。

相談者さんが「付き合いたい」と真剣に思うのなら、将来結婚して子供を育てるようになるかもしれません。子どもを育てるにあたって、財力はとても大事なポイントです。女性としての身の振り方を考えたとき、相手の財力を気にするのは、そんなに汚いことなのでしょうか。女性自身が高収入であったとしても、子育てや親の老後、自身の老後などさまざまなことを考えたときに、借金持ちや浪費癖のある相手を選びたいとは思わないでしょう。

あなたも薄々感じているはず。あなたがお金を使っているその子にとって、あなたはお財布かATMです。

人間関係を構築するにあたって、どちらか一方だけに金銭を支払う義務があった場合、そこには「お金を介さないのであれば、あなたとは接触したくない」というメッセージが含まれています。

もちろん、ファンや顧客と特別な関係になる場合もあるでしょう。恋人になるといったことだけでなく、気軽に食事へ行ったり(もちろんワリカンで)、気楽に連絡を取り合ったりと、いわゆる知り合い/お友達になることも含まれます。

お金を介して人間関係を構築するうちに、何か別の共通点や魅力があって関係が変わっていくパターンですよね。仕事を通じて、友達関係になるといったことも、ここに含まれるでしょう。

ですので、自分が何を目的にお金を使っているのか見直した方がいいかもしれません。

好かれる(愛情を得る)ためだけに、自分の気持ちを圧迫するほどお金を使うのはつらいいことです。お金ばかりか自信も無くなります。

もしかしたら相談者さんがすべきなのは、お金を使って会いに行くことよりも、ご自身を磨くことかもしれません。それが身なりなのか人間性なのかはわかりませんが、あなたが自分を磨いてるうちに、きっと金銭を目的としない“別のかわゆいあの子”と、いつの間にか親しくなっているかもしれません。

相談者さんに限らずいつも思うことですが…。お金は気持ちよく使えるといいですよね。あなたが働いて得た大切なお金です。もし、支払ったことのリターンよりも辛さの方が上回ったのなら、その対象からは身を引くことをオススメします。その判断は、あなたの人生を幸せに、平穏に導く近道だと思えるのです。

※老若男女問わず、撮影に関する人間関係のお悩みを随時募集! 写真が好き、撮影会が好きな皆さん。ここはあなたの心の保健室。個人が特定できないように配慮いたしますので、私のTwitterアカウント(https://twitter.com/red_theresia)にDMで気軽に質問ください。

テレジア
京都市立芸術大学 デザイン科卒。モデル兼コスプレーヤー、レタッチャー、たまにウォーキング講師。元準ミス日本。デザイン・アートの造詣と、プロモデルとしての現場経験を兼ね備え、ライティングや人体構造、色彩設計などを考慮したレタッチを得意とする。高校美術工芸教職免許を持ち、非常勤講師経験あり。