大手新聞社や出版社は、ネットの収益化に広告モデルではなく、購買モデルを採用しています。もちろん、ニュースサイトは人を集める必要がありますから、例えば「会員登録したら月10本無料」「今月は3本まで無料」といった形で無料記事をうまく利用しています。
しかし、1ヶ月あたりの公開記事は限られます。そこで、ユーザーがこの敷居をくぐりぬける方法として、Google Chromeで「シークレットモードを使用する」という方法があります。しかし、開発者はサイト訪問者がシークレットモードを使用しているかどうかを確認できる方法を用意しました。しかしGoogleは「シークレットモード」をより完璧なものとすべく、この対策を塞ぐ次期Chromeで、この制限を回避しやすくなります。
New York TimesやBloombergのような出版社にとっては、ユーザーがシークレットモードになっていない状態で制限をかけることは簡単です。訪問者が読んだ記事の数をカウントする”Cookie”のデータを保存して、1ヶ月の上限に達したらシャットアウトすればいいだけですから。
しかし、Google Chromeのシークレットモードは、Cookieをブロックするためユーザーは自由に記事を読むことが出来ます。しかし新聞社や出版社は、それをされると商売上がったりですから、その抜け穴を塞ぐ方法を見つけていたわけです。
一方のGoogleは、Chrome 76でこの制限を回避できるようにアップデートします。API実装の変更により、必要なJavaScriptコードを持つWebサイトは、訪問者がシークレットモードになっているかどうかを検出できなくなるのです。「シークレットモードになっている」とわからなければ、サイト側は「初めてサイトに来た人だ」と思うしかないですもんね。
これにより、1ヶ月のサイト閲覧制限は回避でいるようになるかもしれませんが、新聞社や出版社がふたたび”反撃”するかもしれません。Googleは今月中にChrome 76の安定版をリリースする予定です。
編集部が日本向けに翻訳編集したものです
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