Microsoft は、2025 年の大型アップデートとなる Windows 11 バージョン 25H2 の提供を全ユーザー向けに正式開始しました。すでに 9 月から段階的なロールアウトが行われていましたが、今回の発表により、互換性のあるすべての Windows 11 PC がアップデートを入手できるようになりました。ユーザーは Windows Update から手動更新することも、自動配信を待つことも可能です。また、このアップデートは Windows 11 24H2 を実行する非管理(Home / Pro)のデバイスにも提供されています。

見た目の大きな変化は少ないものの、25H2 では 内部構造の最適化とセキュリティ強化 が大きく進められています。Windows プログラム管理担当 VP の John Cable 氏によれば、脆弱性検出の強化や AI を活用した安全なコード生成機能の導入により、現代のサイバー脅威に対応する防御力が向上しています。また、PowerShell 2.0 や WMIC といったレガシー要素が削除され、OS の軽量化とリスク低減が図られています。
機能面では、年間を通じて段階的に提供されてきた新要素が 25H2 に統合されました。主な追加点は以下の通りです。
・スマートフォン連携領域を備えた新しいスタートメニュー
・ロック画面のカスタマイズ強化
・通知センターに「時計」表示が復活
・ナレーター(読み上げ機能)の改善
・デバイス間移行の簡略化
・Copilot の高速起動(音声 “Hey, Copilot” や Alt + Space 長押し)
・ゲームパッド向けに最適化された仮想キーボード
さらに今回より、Home / Pro は 24 カ月、Enterprise / Education は 36 カ月 の新たなサポート期間がスタートします。
一方で、既知の問題も確認されており、25H2 および 24H2 をインストールした一部システムで、File Explorer や Start、Taskbar などの XAML ベースのモダン UI アプリが動作不安定になる不具合が発生する可能性があります。主に企業向け端末で見られるもので、Microsoft が修正を開発中ですが、解決時期は未定とされています。
総じて、Windows 11 25H2 は UI の大刷新こそないものの、**セキュリティ・パフォーマンス・モダナイゼーションに重点を置いた「進化型アップデート」**と位置づけられ、今後の Windows 11 の基盤強化につながる内容となっています。




















