Xiaomiのゲーミングサブブランド「Black Shark」が、中国市場で新たなオーバーイヤー型ワイヤレスヘッドホン「Fengming S1」を発表した。価格は379元(約53ドル)。外観はAppleのAirPods Maxを彷彿とさせつつも、ゲーミング用途に最適化した独自機能を多数盛り込むことで、低価格帯ながらも“プレミアム体験”を意識したモデルに仕上げている。

S1の核となるのは、TPU複合素材とチタンコーティングを組み合わせた40mmデュアルダイアフラムドライバー。低音の力強さ、クリアな中域、伸びのある高域をバランスよく再現し、音楽・映画・ゲームのいずれでも没入感の高いリスニング環境を提供する。また3D空間オーディオにも対応し、ゲームにおける定位感の向上やシネマティックな音場演出を可能にしている。

最大の特徴は、−52dBを誇るアクティブノイズキャンセリング(ANC)性能だ。5マイク構成のENC(環境ノイズキャンセリング)も搭載され、通話時の周囲ノイズを効果的に排除。屋外や騒がしい環境でもクリアな音声コミュニケーションを維持できる点は、ゲーム配信者やオンライン会議用途にも大きなメリットとなる。

接続面ではBluetooth 6.0を採用。従来よりも伝送速度や安定性、電力効率が向上しており、ゲーム向けには60msの低遅延モードも用意されている。さらにスマホとPCを同時接続できるデュアルデバイス機能や、有線接続用の1.2mケーブルも付属するなど、利用シーンに応じた柔軟性も確保した。

バッテリーは1000mAhと大容量で、ANCオフ時に最大155時間、ANCオンでも約80時間という圧倒的なスタミナを実現。USB-Cによる充電は約2.2時間で完了し、過充電・過熱・ショート対策も施されている。さらに、軽量フレーム、プロテインレザーのイヤークッション、通気性メッシュ、オートアジャスト式ヘッドバンドを採用し、長時間利用を前提とした快適性も追求した。

カラバリはスターダストシルバーとシャドウブラックの2色。コーデックはSBC/AAC、対応BluetoothプロファイルはHSP/HFP/A2DP/AVRCP/BLEと幅広い。現時点ではグローバル展開は未定だが、価格以上のスペックを備えた“AirPods Max風ヘッドホン”として、注目度は高まりそうだ。