B Dash Camp 2025 in Fukuokaの一番の目玉「B Dash Camp Pitch Arena Final」が開催された。
今回もUbergizmo Japanが結果を速報発表します!
Carnot

乗杉 卓也
Carnotは、自然言語で操作できるAIワークフロー・エージェント作成ツール「jinba」を開発しています。ユーザーは指示を出すだけでAIが自動でワークフローを生成・操作するため、非エンジニアでも簡単に利用可能。業務効率化を進め、人とデジタルの“馬一体”を実現します。
https://carnot.ai/consulting
AIが自動で業務を効率化するサービス「jinba」。チャットで指示するだけでAIが業務を自動化するツールを開発していると説明し、大企業がAIに投資する際の課題として、高いコストや不確実性を挙げました。「jinba」はノーコードを超えるコンセプトで、チャットでワークフローを作成できる機能を持ち、大手総合商社では2ヶ月かかっていた作業が3日で、大手銀行では3ヶ月かかっていた作業が5日でデプロイできるようになったと述べました。サントリーやメガバンク3行、商社、大手製造業、大手生命保険などが既に利用しており、リリース1年でARR4億円に到達していると報告しました。
mizuhachi

高橋 優人
弊社は陸上養殖プラットフォームを構築しています。水槽システムから配合飼料まで自社で全て開発可能であり、養殖期間を短縮することが可能です。技術力を武器に様々な魚種展開を行っています。
https://mizuhachi.com/
2番目の登壇者は、mizuhachi代表取締役の高橋氏で、陸上養殖技術プラットフォームを紹介しました。高橋氏は、世界の魚の消費量が増加する一方で天然の漁獲量は頭打ちになっており、養殖が重要になっていると説明しました。同社は18種類の魚種と医師のプラントの開発に成功し、飼料コストを約30%削減、人件費を40%削減、エネルギーコストを25%削減できる技術を持っていると述べました。また、競合他社が多くても2-3種類の魚種しか扱っていないのに対し、同社は18種類を扱い、沿岸地域に限定されない陸上養殖が可能であることを強調しました。ビジネスモデルとしては、生産者に養殖の水槽システムと配合事例を提供し、生産された水産物を全量買い取って飲食店に販売するとのことです。
メデタ

伊藤 慎悟
生殖医療(不妊治療)の成功率向上につながるマルチモーダルAIプロダクト「Kounotoriシリーズ」を開発しているのが、私たちmedetaです。現日本生殖学会理事長の山口大学寺尾教授、奈良県立医科大学前川医師らの世界的研究を基盤に開発。SaMD薬事承認を視野に入れた最先端AI「Kounotori AI Embryo」で、日本から世界中に“家族をつくる”幸せを届けるための挑戦を続けています。
https://medeta.co.jp/
3番目の登壇者は、メデタ代表取締役CEOの伊藤氏。不妊治療のAI診断技術を紹介しました。伊藤氏は自身の不妊治療の経験から、体外受精の成功率が低い問題に着目し、AIによって受精卵の妊娠率や流産率を非侵襲的に判別する技術を開発したと説明しました。日本は体外受精の件数が世界一多いにも関わらず成功率が世界最低であり、同社のAIは世界最高のパフォーマンスを持ち、適切に判別できると述べました。ビジネスモデルとしては、患者から1卵の解析あたり10万円を受け取り、そのうち5万円をクリニックに入れる形式で、クリニックの収益と患者のアウトカムが矛盾しないようにしていると説明しました。日本、台湾、シンガポール、インドネシアの主要な医療機関と提携し、来年から売上を上げる準備ができていると報告しました。
Kailas Robotics

塩見 佳久
Kailas Roboticsは、ドローン、AMRなど不安定なプラットフォーム上でも高精度な作業を実現する、独自の安定化技術と先進的な制御技術を適用した小型・軽量・低消費電力のロボットアームを開発するロボティクス企業です。あらゆる産業で必要となる工程間搬送を一貫で担う自律移動と作業を両立させる「MobiRobo」は、工場内のレイアウト変更や統合作業を必要としない低コストな導入・運用が可能なロボットシステムです。
https://kailasrobotics.com/
4番目の登壇者は、カイラスロボティクスCEOの塩見氏で、ロボットアームの自由度を高める技術を紹介しました。塩見氏は、ロボットアームに翼や足を与えて飛んだり、縮んだりしながら作業できる技術を開発していると説明し、労働人口不足の問題を解決するために、作業と移動の両立が必要だと述べました。同社の技術は、固定された土台が不要で、ドローンにも搭載可能なロボットアームを実現し、安全対策用の柵やレイアウト変更が不要でコストを大幅に削減できると強調しました。技術的背景として、モーターやコントローラーなどのキーコンポーネントを自社で開発する力があり、CTOのモンゴル出身の天才エンジニアを中心に開発を進めていると説明しました。ビジネスモデルはハードウェアの会議モデルとサブスクリプションで、物流、食品業、インフラなどの分野で活用されると述べました。
3DC

黒田 拓馬
私たち3DCは東北大学で発明された革新的な炭素材料「Graphene MesoSponge®(以下GMS)」を製造販売する材料事業を行っています。リチウムイオン電池に用いると出力性能や急速充電性能が向上することから、すでに世界シェアで7割を超える電池メーカーが本技術を検討しています。また、燃料電池や半導体関連など幅広い用途への応用展開が期待されており、世界で最初の量産工場立ち上げに現在取り組んでいます。
https://www.3dc.co.jp/ja
5番目の登壇者は、3DCの代表取締役の黒田氏で、炭素材料ビジネスを紹介しました。黒田氏は、同社が開発したGMS材料が、原子一つ分の厚みで殻を作りながら3次元的に配列できる技術であると説明し、この材料が様々な製品の長寿命化や軽量化に貢献すると述べました。特にリチウムイオン電池の導電材料として使用され、既に日中韓の主要メーカーから評価を受け、採用検討段階に入っていると報告しました。市場規模について、導電素材だけでも現在3540億円程度あり、2030年には6000億円程度に伸びると予測し、今後は半導体や水素、航空機などの分野にも展開していくと述べました。量産化に向けて、15トン規模の工場に55億円、100トン規模の工場に60億円の投資を見込んでいると説明しました。
スマート修繕

豊田 賢治郎
弊社「スマート修繕」は、マンションやビルなど大型建物の修繕工事市場(年2兆円の規模)の見積DXサービスです。特徴は「専門性が必要な建物診断が効率化される独自のコンサルティングプロセス」、そして「独自の見積データを活用した見積書生成」であり、それらを活用し不透明なこれらの修繕工事の内容/コストの適正化を実現しています。月見積提出数は毎月6倍に成長。建設系産業市場のDXの展開を本格化。
https://smart-shuzen.jp/
6番目の登壇者は、スマート修繕代表取締役社長の豊田氏で、建物修繕サービスを紹介しました。豊田氏は、建物修繕の市場規模が11兆円あり、老朽化した建物の増加と人件費の高騰により市場が拡大していると説明しました。同社は、管理会社からの見積もりよりも1部屋あたり20-40万円安くなるサービスを提供し、ビッグデータやAIではなく「泥臭い総合力」で問題を解決していると強調しました。メディア露出による信頼性の構築、プロセス化されたコンサルティング、経験豊かな専門家チーム(シニアコンサルタントの平均年齢50歳、一級建築士3名、二級建築士9名)を持つことが強みだと述べました。また、発注者支援を無料にするビジネスモデルを採用し、最新のクォーターで新規見積もり100億円を達成していると報告しました。
LOMBY

内山 智晴
LOMBY株式会社は、自律走行型の小型配送ロボット「LOMBY」の開発を通じて、超高齢社会における持続可能な地域の物流へのオンデマンド型移動インフラの構築を目指しています。セブン‐イレブン社と連携し、人口密地域で商用運行も展開中で、超高齢社会での近距離の自律モビリティプラットフォームの構築を進めています。
https://lomby.jp/
最後の登壇者は、LOMBY代表取締役の内山氏で、超高齢社会の移動を支える自律走行ロボットを紹介しました。内山氏は、高齢者の移動距離が短くなる問題を解決するために、物も人も運ぶ超近距離のモビリティインフラを開発していると説明しました。スズキ株式会社と協業し、セブンイレブンと事業開発を進め、八王子の店舗で運行を開始し、今年度中に10店舗まで拡大する予定だと述べました。自律走行率は98%で、信号機も自動で認識して渡ることができ、現在は1人が4台のロボットを監視できるが、将来的には1人が30台程度を監視できるようにしたいと説明しました。南大沢の地図では1.6キロ圏内で2万5000世帯の玄関先までデリバリーができ、30分以内の配送で顧客満足度が高いことがわかっていると報告しました。
B Dash Camp 2025 in Fukuoka Pitch Arena Final Round
B Dash Camp2025 in Fukuoka Pitch Arena Final結果発表。各スポンサー賞発表の後に「準優勝」「優勝」が発表された。
準優勝
スマート修繕

豊田 賢治郎
https://smart-shuzen.jp/
B Dash Camp2025 in Fukuoka Pitch Arena Final 栄光の優勝は
メデタ

伊藤 慎悟
https://medeta.co.jp/
今回のファイナルは、ロボティクスや素材、医療といったディープテックに関連したものが多かったのも特徴でした。
また、人を幸せにするビジネスが、評価される形になりました。
ファイナリストの皆さん、本当に素晴らしいピッチプレゼンでした。お疲れ様でした。























